面接で、強みをどう語るか

書けたことを、そのまま読まない

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就職活動の支援をおこなっている【あおラボ】です。

昨日、自己PRを400字で書いてもらった。1本、書けただろうか。

今日は、それを話す形に変えていく。面接での語り方だ。

ここで多くの学生がつまずく。書いた文章を暗記して、そのまま言おうとするからだ。けれど、面接は朗読の場ではない。やりとりの場である。書いた材料は、そのままでは話せない。削って、声に出して、聞かれたら足す。この形に変えていく方法を、今日は書いていきたい。

Chapter 13 なぜ、暗記ではうまくいかないのか

まずは、暗記の弱点を確かめたい。多くの学生が、いちばん最初にこの方法を選ぶ。ただ、ここには4つの弱点がある。順番に見ていく。

13-1 1語飛ぶと、全部止まる

いちばん起きやすい問題が、これだ。暗記した文章は、途中で止まると戻れない。順番で覚えているので、1か所抜けると次が出てこなくなる。

実際に模擬面接をしていると、暗記してきた学生の3割くらいが、どこかで止まる。そして、止まったあとに立て直せない。「すみません、もう一度」と言って頭から言い直して、また同じところで止まる。これは記憶力の問題ではない。覚え方の問題だ。文章を順番で覚えると、前の言葉が次の言葉を呼び出す鎖になる。鎖が1か所切れると、そこから先が出てこなくなる。一方、要点だけを覚えてきた学生は止まらない。「伝え方を工夫した話」という中身を持っているので、使う言葉が毎回少し違っても、最後まで言い切れる。

暗記ではなく、要点で覚えてほしい。言葉の鎖ではなく、話の中身を持っていく。そうすれば、順番が変わっても言い切れるようになる。

13-2 読んでいる感じが、伝わってしまう

もう1つ、聞く側の話をしておきたい。暗記した文章は、聞けばわかってしまう。言葉が流れすぎるからだ。

暗記した話し方には、3つの特徴が出る。言葉が流れすぎる。目線が相手から外れて上にいく。抑揚が一定になる。面接官は、毎年何百人もの学生に会っている。だから、話し始めて十数秒で気づく。そして、気づいた瞬間に少し距離ができる。「準備してきたことを話しているな」と受け取られると、そのあとの答えも用意されたものに聞こえてしまう。準備が悪いわけではない。むしろ準備は必要だ。ただ、準備したことが見えてしまうと、準備した分だけ損をすることになる。

準備は、見えない形でしておいてほしい。原稿を思い出すのではなく、相手を見て自分の言葉で話す。その状態が、いちばん届く。

13-3 深掘りに、答えられない

3つ目は、いちばん実際的な問題になる。暗記は、想定していなかった質問に弱い。面接官は、必ず掘ってくるからだ。

面接官は、話を聞いたあとに掘ってくる。「なぜそう思ったのですか」「ほかの方法は考えましたか」「そのとき、まわりはどう反応しましたか」。暗記してきた学生は、ここで困る。用意した範囲の外に出てしまうからだ。一方、自分で掘ってきた人は答えられる。答えの元になっている経験を、自分がいちばんよく知っているからだ。50個書き出して、T・C・Lに分けて、共通点を探した。あの作業は、この場面のためでもあった。掘った深さが、そのまま答えられる範囲になる。

深掘りには、覚えた答えではなく理解で向き合ってほしい。今月手を動かした分が、ここで返ってくる。だから、焦らなくていい。

13-4 長すぎて、途中で切られる

4つ目は、長さの問題だ。暗記した文章は、たいてい長くなる。そして、長い答えは途中で切られることがある。

人が話す速さは、1分で250字から300字ほどだ。昨日書いた400字をそのまま話すと、1分半かかる。面接の最初の質問で1分半話すと、面接官は「この人は話が長い」と感じる。実際、「ありがとうございます、では次に」と途中で切られることもある。切られると、いちばん伝えたかった部分が言えないまま終わってしまう。しかも、原稿を読む速さではなく、相手に届く速さで数えてほしい。緊張すると早口になるので、練習より短く終わることもある。長く話せることと、短く言えることは、別の準備だ。

短い形も、用意しておいてほしい。長さは、聞かれ方によって変えるものだ。今日は、その2つをつくっていきたい。

Chapter 14 2つの長さを、用意する

ここから、具体的な準備に入りたい。この章では、同じ内容を2つの長さで持つ方法をお伝えする。長い原稿を1本持つより、短い形を2つ持つほうが強い。

14-1 20秒の形を、つくる

いちばん短い形から始めたい。20秒で言える形だ。字数にすると、80字ほどになる。多くの学生が、この形を持っていない。

中身は、一行と場面だけでいい。「調べたことを相手に合わせて伝えるのが得意です。ゼミの発表で、専門外の人にも伝わる構成に組み直した経験があります」。これで20秒、字数は76字だ。この形が効くのは、2つの場面になる。1つは「強みを簡単に教えてください」と言われたとき。もう1つは、面接の冒頭で自己紹介を求められたときだ。短いので、途中で切られない。言い切れる。そして、相手が興味を持てば「それは具体的にどういうことですか」と必ず続きを聞いてくれる。

20秒の形を、まずつくってほしい。短く言うことは、話を切り上げることではない。続きを呼ぶ入口をつくる作業だ。

14-2 1分の形を、つくる

次は、1分の形になる。字数にすると、250字ほどだ。面接でいちばん使う長さになる。ここは、新しく書かなくていい。

中身は、一行、場面、過程、使い方の4つだ。昨日書いた400字から、150字削ればいい。削るのは、場面の説明の部分になる。「何年生のとき、どんな活動で、何人くらいの規模で」という背景は、1行にまとめられる。残すのは、過程の部分だ。何に気づいて、何を変えて、どうなったか。ここは削らない。先週から何度も書いているとおり、企業が見ているのは結果ではなく過程のほうだからだ。削る順番を間違えると、いちばん聞いてほしい部分が先に消えてしまう。

1分の形を、削ってつくってほしい。背景から削り、過程は最後まで残す。それが、削る順番になる。

14-3 3分の形は、つくらない

3つ目は、意外に思われるかもしれない。長い形は、用意しなくていい。3分の自己PRは、つくらなくていい。

理由は2つある。1つは、一方的に3分話す場面がまずないことだ。面接は、やりとりで進む。10分の面接なら、質問は5つから8つ来る。1つの答えに3分使う余裕はない。もう1つは、用意すると言いたくなることだ。時間をかけてつくったものは、どこかで使いたくなる。そして、相手が求めていないのに話し続けてしまう。だから、持っておくのは20秒と1分の2つでいい。深掘りされたときに、その場で足していけばいい。足す材料は、今月ずっと集めてきた。

持っておくのは、2つだけでいい。足りない分は、聞かれてから足していく。そのほうが、やりとりとして自然に進む。

14-4 2つの形を、声に出して覚える

形ができたら、覚える作業に入りたい。ただし、暗記ではない覚え方をしてほしい。やり方は、声に出すことだ。

20秒の形を3回、1分の形を3回。原稿を見ないで言ってみる。詰まったら、そこだけ見て確認して、もう一度頭から言う。これを繰り返すと、文章ではなく要点で覚えられるようになる。文章で覚えようとすると、どうしても暗記になる。声に出して繰り返すと、言い方が毎回少し変わる。その「少し変わっても言える」状態が、面接でほしい状態だ。黙読では、ここまで行かない。目で追うと、知っているつもりになってしまう。時間は15分ほどで足りる。

声に出して、3回ずつ繰り返してほしい。黙読ではなく、音読にする。この違いが、当日に出てくる。

Chapter 15 深掘りへの、備え方

長さの準備ができたら、次は深掘りだ。ここが、面接のいちばん大事な部分になる。よく来る質問は、3つに絞れる。それに、備えきれない場合の話を加えて書いていく。

15-1 「なぜ」には、価値観で答える

いちばん多い深掘りが、これだ。「なぜ、そうしようと思ったのですか」。この質問は、動機を聞いている。

だから、答えは価値観になる。「専門外の人にも伝わる発表にしたかったからです。伝わらない説明は、ないのと同じだと思っているので」。この形だ。先週扱った3つの円でいえば、いちばん内側にあたる部分になる。木曜日に、動機を1行書いてもらった。あれが、ここでそのまま使える。逆に、ここで「評価されたかったので」としか言えないと、話が浅く聞こえてしまう。動機まで答えられると、面接官は「この人は考えて動いている」と受け取る。同じ経験でも、動機があるかないかで伝わり方が変わる。

「なぜ」には、動機で答えてほしい。先週書いた1行を、そのまま出せばいい。新しく考える必要はない。

15-2 「ほかの方法は」には、検討した過程で答える

2つ目によく来るのが、この質問だ。「ほかのやり方は考えましたか」。これは、思考の幅を見ている。

だから、実際に検討したことを言えばいい。「最初は、専門用語に注釈をつけようと考えました。ただ、注釈が多すぎて読みにくくなったので、構成から組み直すことにしました」。この形だ。大事なのは、ほかの案を考えた事実と、それを選ばなかった理由の2つになる。選んだ案だけを話すと、たまたまそれしか思いつかなかったようにも聞こえてしまう。もし本当に1つしか思いつかなかったなら、正直にそう言っていい。「そのときは思いつきませんでしたが、いま考えると○○という方法もありました」。これでも誠実に伝わる。

検討した過程を、思い出しておいてほしい。選ばなかった理由まで言えると、幅が伝わる。考えなかったなら、正直に言えばいい。

15-3 「仕事でどう活かすか」には、条件で答える

3つ目は、未来についての質問になる。「その強みを、仕事でどう活かしますか」。ここで、多くの学生がつまずく。

使うのは、月曜日につくった条件だ。「調べる時間があって、伝える相手がいる場面で力が出ます。御社の○○という業務には、その両方があると感じました」。この形で答える。つまずく学生は、ここで抽象的なことを言ってしまう。「どんな仕事でも活かせると思います」。これでは、何も伝わらない。むしろ、考えていないように聞こえてしまう。条件で答えると、答えが具体的になる。そして、その企業の仕事を調べてきたことも同時に伝わる。1つの答えで、2つのことが伝わる質問だ。

条件で、答えてほしい。月曜日につくった5つが、そのまま使える。抽象的な言葉に逃げないでほしい。

15-4 答えられない質問は、正直に言う

最後に、備えきれない場合の話をしておきたい。答えられない質問は、必ず来る。どれだけ準備しても、来る。

そのときは、正直に言ってほしい。「申し訳ありません、そこまで考えていませんでした」。これで構わない。無理にひねり出すと、たいてい浅い答えになる。そして、聞いている側の表情が少し変わる。一方、正直に言ったあとに「いま考えると、○○かもしれません」と続けられると、むしろ印象がよくなることがある。実際、模擬面接のあとに職員から「あの答え方がいちばんよかった」と言われる学生は、たいていこの形で答えている。用意した答えより、考える姿のほうが届く場面がある。

答えられないときは、正直に言ってほしい。そのあとに、考える姿を見せればいい。知らないと言えることも、1つの力だ。

Chapter 16 今日やることと、明日の話

ここまでで、話す形と深掘りへの備えを見てきた。この章では、今日どこまで手を動かせばいいかを整理して、最後に明日の話をしておきたい。

16-1 今日は、20秒と1分をつくる

今日の作業は、2つの長さをつくることだ。昨日の400字から削っていく。新しく書く作業はない。

まず20秒、80字の形。一行と場面だけを残す。次に1分、250字の形。背景の説明を削って、過程を残す。どちらも削る作業なので、20分ほどで両方できるはずだ。できたら、それぞれ3回声に出す。20秒を3回で1分、1分を3回で3分。言い直しの時間を入れても15分で足りる。合計すると、35分ほどになる。今月の作業のなかでは、短い日だ。もし削るのが難しいと感じたら、昨日の400字を声に出して読んでみてほしい。1分半かかる感覚がつかめると、どこが余分かが見えてくる。昨日400字を書いた人にとっては、今日は収穫の日になる。

今日は、35分だけ使ってほしい。削って、声に出す。これで、話す準備まで整うことになる。

16-2 深掘りの3つに、答えを用意する

次に、深掘りへの備えをしておきたい。3つの質問に、答えを1つずつ書いてほしい。書くだけでいい。

「なぜそう思ったのか」。「ほかの方法は考えたか」。「仕事でどう活かすか」。この3つだ。それぞれ2行ほどで足りる。暗記しなくていい。一度書いておくだけで、当日の落ち着きが変わる。考えたことがある質問と、考えたことがない質問では、答えるまでの間が違ってくるからだ。時間は15分ほどだ。書いた3つは、ノートの最後のページにまとめておいてほしい。面接の前日に、そこだけ読み返せばいい。ページを探す手間が、当日の焦りになる。

3つの答えを、2行ずつ書いておいてほしい。置き場所も、決めておく。それだけで、当日が変わる。

16-3 できれば、人に聞いてもらう

もう1つ、お願いしたいことがある。1分の形を、誰かに聞いてもらってほしい。1分なので、頼みやすい。

相手は誰でもいい。友人でも、家族でも、キャリアセンターの職員でもいい。聞いてもらうと、2つのことがわかる。1つは、伝わっているかどうかだ。「つまり、どういう強みなの」と聞き返されたら、まだ伝わっていない。もう1つは、緊張したときの自分の癖になる。早口になる、声が小さくなる、目線が下がる。これは、自分では気づけない。録音してもいいが、人に聞いてもらうほうが早い。頼むときは、「1分だけ聞いて、わかりにくいところを教えてほしい」と伝えてほしい。何を見てほしいかを先に言うと、感想ではなく指摘が返ってくる。1度で、直すべき点が見える。

1分の形を、1人に聞いてもらってほしい。5分で済む。自分では気づけないことが、1度でわかる。

16-4 明日は、10月の総まとめをする

最後に、明日の予告をしておきたい。明日で、10月の連載が終わる。22日分の、最後の回になる。

明日は、今月やってきたことを並べ直す回にしたい。自己分析の誤解を解き、強みの正体を確かめ、動詞で50個書き出し、T・C・Lで読み解き、一行にまとめて、企業選びとESと面接につなげた。この流れを、もう一度たどる。22日分は、どれか1日を抜くと流れが切れる形で並べてきた。そして、11月から何をすればいいかもお伝えする。今月つくったものは、11月以降に使うためのものだ。1度書いて終わりにすると、半年で合わなくなる。使いながら直していくと、育っていく。その続け方の話をしたい。

明日は、10月を1本につなげる回にしたい。11月からの進め方も、あわせてお伝えする。

今日のまとめ

書いた文章を暗記して、そのまま言おうとするとうまくいかない。1語飛ぶと全部止まる。読んでいる感じが伝わる。深掘りに答えられない。そして、長すぎて途中で切られる。

持っておくのは、2つの長さだ。20秒の形は、一行と場面だけで80字。1分の形は、一行、場面、過程、使い方で250字。昨日の400字から削ればいい。3分の形は、つくらなくていい。

覚えるときは、黙読ではなく音読にする。それぞれ3回。言い方が少し変わっても言える状態が、面接でほしい状態だ。

深掘りの質問は、3つに絞れる。「なぜ」には動機で答える。「ほかの方法は」には検討した過程と選ばなかった理由で答える。「仕事でどう活かすか」には条件で答える。すべて、今月つくった材料が使える。

備えきれない質問は、必ず来る。そのときは正直に言って、そのあとに考える姿を見せればいい。用意した答えより届く場面がある。

明日は、10月の総まとめになる。22日分の流れをたどり、11月からの進め方をお伝えする。一緒に見ていこう。

面接は朗読の場ではなく、やりとりの場だと、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。

【自己分析ワークショップのお知らせ】

10月にお伝えしてきた自己分析を、実際に手を動かして取り組む無料ワークショップを開催します。1人では進めにくいところを、一緒に整えていく時間です。

日時:2026年11月7日(土)13:00〜16:00
会場:株式会社ムジコ・クリエイト 研修棟1階(弘前モータースクール敷地内)/弘前市和泉1−3−1
対象:2028年・2029年卒業予定の大学生・短大生
定員:20名(先着順)
参加費:無料

2年生の方も対象です。早く始めるほど、確かめる時間をたっぷり取れます。

詳しい内容とお申し込みは、こちらのページからどうぞ。
https://aomori-hrlab.jp/self-analysis-workshop/

【青森市・八戸市の学生のみなさんへ】

今回の会場は、弘前市です。遠くて参加が難しい方のために、出張開催もお受けします。
6名以上のグループで、会場をご用意いただける場合は、講師とスタッフが、青森市・八戸市へうかがいます。開催は、11月から来年1月ごろまでを目安に、日程をご相談のうえ決めます。
詳しくは、下記へお問い合わせください。

お問い合わせ
メール:edu-desk@aomori-hrlab.jp
電話:0172-28-2727(平日10:00〜17:00 採用・人材開発室 坂本)

関連記事

職業人向け

学生向け

TOP
TOP