就活生がエントリー先の会社を決める際に注目する要素として解りやすいものに初任給があります。昨年から続く物価上昇等の背景もあり、賃上げが大きく取り上げられてもいますので就活生に限らず多くの職業人が留意するテーマです。今回は「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(厚生労働書)から新規学卒者の賃金を調べてみました。
学歴ごとの初任給の平均的相場は以下のようです。
- 大学院卒 253,500円
- 大学卒 225,400円
- 高専・短大卒 199,800円
- 専門学校卒 206,900円
- 高校卒 179,700円
業種ごとの賃金(20~24歳)は以下の通りです。
- 鉱業、採石業、砂利採取業 215,300円
- 建設業 221,500円
- 製造業 199,000円
- 電気・ガス・熱供給・水道業 213,600円
- 情報通信業 232,000円
- 運輸業、郵便業 209,000円
- 卸売業、小売業 211,300円
- 金融業、保険業 233,500円
- 不動産業、物品賃貸業 222,400円
- 学術研究、専門・技術サービス 223,000円
- 宿泊業、飲食サービス業 195,800円
- 生活関連サービス業、娯楽業 207,600円
- 教育、学習支援業 215,200円
- 医療、福祉 225,400円
- 複合サービス事業 196,700円
都道府県別で賃金を比較してみると、全国計の307,400円よりも高い賃金だったのは、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の6都道府県であることが明らかになりました。
地方就職・地元就職にも関心が寄せられているが、首都圏との開き幅は地域によって随分違いのあることに気づけるデータも紹介されていました。
会社を選ぶ際にどうしたって賃金は気になるものです。でも、賃金を選択基準の上位にしたことが起因とした企業や仕事とのミスマッチで苦しむ若手職業人は少なくないのです。入社3年以内の退職者は3割といわれていますが、その中に選択基準を誤った学生が少なくないことを24年卒の学生に皆さんには知っておいて欲しいコトの一つです。
働く者にとって賃金はとっても大切なものでありますが、あなたが働く意味や価値を、自己分析で触れたかと思います。この部分も職業人としてはとっても大事なことであること深い気づきを得ることが重要になってきます。
この時期になると時間的余裕が少なくなってきますが、それでも時間を確保して、自分自身の仕事観や人生観を見つめ直し、言語化してみることが大切です。何度かお伝えしてきた自分軸を持った就活を進めるのか、或いは、入社時の賃金に惹かれて就活を進めるのか、あなたの意思決定はあなた自身でするしかないのです。
さまざまな情報が大量に飛び交う時代だけに、特有の悩みや迷いもあって当然です。そのようなとき、最も頼りになるのは自分軸だと思います。