就活行動スタイル

新卒を採用する企業が学生に求めているのは、「当事者意識」を持っていることです。これは短期的な就活トレンドではなく、不易な採用要件であると考えています。現在のトレンドを使って言い換えると「就活は推し活じゃない」です。

就活を観察するとその行動スタイルは2つに分かれます。

「観客型」です。まるで推し活のように、「この企業が好き」「この企業にどうしても入りたい」「この企業はイマイチ」といった、ファン的志向で就活を進めています。一方で「当事者型」は、「自分がこの企業で何ができるのか」というような、自分がその企業に入って実際に働くことにリアリティーに志向して、当事者意識を持って就活を進めているのです。

つまり、就活を推し活にしてはいけないということを、26年卒のみなさんにはしっかり押さえておいて欲しいのです。

近年の就活生を観察していると、上述した点を認識して就活を進めた学生がより志望に沿った内定を獲得している傾向にあると思います。

25年卒からインターンシップで得た情報を採用活動に利用することができるようなりました。しかし実際には、多くの企業ではそれを拡大解釈して、インターンシップで優秀そうで自社に来てほしい学生がいれば早くから声をかけ、場合によっては内定をほのめかすようなことを伝えもます。その後も「就活情報解禁日(3月1日)」まで、適宜学生に連絡を取り関係をつないでおくことを水面下で行われているのです。

つまり、インターンシップで内内定を出していることに近い状況担っているケースは珍しくないのが実態なのです。

この背景には、企業側の採用戦略に絡んだ訳があるのです。

企業は、学生がまだ企業研究を進めていない、まっさらの状態のときに、接触することを望んでいるからです。そこには次のような考えがベースにあると思います。

それは、就活生はあまり知識がない状態で最初に知った企業を「企業選びの基準」にし、その会社を中心に企業選びを行なう傾向があるからです。そのため企業はできるだけ早く学生とコンタクトを取りたいと考えているのです。

インターンシップを重視した就活が広がった状況から、「就活の早期化と」言われるようになりました。しかし厳密には、就活が「長期分散化」になり、「長期に渡り内定が出るようになった」ということではないでしょうか。

24年卒が持っていた内定数は平均2.94社で、過去最高でした。内定を出すまでは企業が優位、内定が出てしまえば、学生が優位ということです。

ほとんどの学生は、一定レベル以上の企業から内定が出れば、それより志望度の低い企業は受けなくなります。そして、内定先よりも格上の企業にチャンスがあるのではないかと思って志望先を絞りながら就活を続けるのが近年の就活生の活動スタイルです。ですが結局、ほかの企業からは内定が得られず、最初の頃に出会って内定を出してくれた企業に就職を決めるというケースも多くなっているようです。

このような活動スタイルで就活を進める学生が増えてきていることから、就活は早期化に加えて「長期化」ともいわれるようになっていると認識しています。

この傾向をうまく利用して、いくつかの大手有名企業では、非常に早い時期にンターンシップを実施し大量に内々定を出すということも行われているような話もあります。

人材難が経営課題、社会問題となった現在、人材採用の現場ではあらゆる機会と手段を駆使しながら各企業がしのぎを削り合っている状況にあります。一方学生も、少しでも条件が良い企業に入りたいという本音があるでしょう。だからこそ、就活の現実を俯瞰して視ることも情報収集として重要だと思うのですが、あなたはいかがでしょうか。

その上で、当事者型スタイルで就活ができるように整えるには、まずは自分のキャリアを主体的に創造することが大切です。もちろん、いま(学生)で考えたことと、3年後、5年後にはキャリアの志向は変わるでしょう。それでOKなのです。

かつての日本人は社会的に画一化された価値観は便利で楽ちんでした。世間が正解と認定した価値観を受け入れ、そこに向かって走ればよかったのです。でも今の日本は個々人が多用な価値観を持ち、それぞれの生き方を追い求める、そんな成熟社会となりました。かつての価値観もパターン化された行動も通用しなくなった、あるいはその力が脆弱化した時代です。

まずは、二度とない人生を自分はどういきたいのか、と自分と向き合うことが重要です。何度もお伝えしていますが、それには時間と真摯さが必要になります(ですので、大学2年生後期辺りからコツコツ釣り組まれることをお奨めしています)。

正解を導き出す力を情報処理力と呼ばれています。読み、書き、計算の速さ正確さ、正解を暗記してテストで再現する力です。情報処理力は基礎として大切なものですが、成熟社会になったこれからの時代には別な力が求められています。それは成果界ではなく納得会を導き出す力です。

私は就活のゴールは内定を獲得することではなく自分が納得してその活動を終えること、だと考えています。

納得会とは、自分が納得でき、かつ他人を納得させられる解と言えます。成熟社会においては、もはや万人に共通する唯一の正解はありません。誰もが仕事や生活のなかで試行錯誤しながら、自分が納得できる解を求めて進むしかないのです。この納得会を導き出す力を一部のビジネス界では情報編集力と呼んでいます。ですから、これから就活に取り組まれる26年以降に卒業予定のみなさんは、情報編集力を養うことが必須だと考えているのです。

自分が行動して得た成果が正解なのかどうかをジャッジメントするには、自分自身のなかに「解」となるものがそもそも持ち合わせていないといけないということです。じつは、近年の就活生が取り組んでいる自己分析に欠けていると強く感じていることがこのことなのです。

26年卒のみなさんにはこの点もしっかり理解して自己分析を進めてください。

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