あなたのチームは、今どんな状態だろうか。
こんにちは、あなたとあなたの組織の未来を共に創造し、組織の活性化を支援している【あおラボ】です。
「うちのチーム、大丈夫だろうか」。そう思いながらも、何を基準に判断すればいいのかがわからない。そんなリーダーは少なくない。
表面上は、仕事は回っている。けれど、メンバーが何かを言い出せずにいるのかもしれない。反対に、思っていたよりずっと良い状態だった、ということもある。チームの今は、「なんとなく」ではわからない。見るべき場所を決めて、確かめる必要がある。
前回(10月2日)は、年内の3ヶ月で職場を変えるための地図を共有した。今日はその最初の一歩、「チームの今を測る」ための7つのチェックポイントをお届けする。できれば、チームの顔を思い浮かべながら読んでほしい。
Chapter 5 「観察」から始める——チェックの目的を確かめる
チームの状態を測る方法は、アンケートや数字だけではない。毎日チームを見ているリーダーの目は、実はいちばん確かな道具になる。ただし、その目には「どこを見るか」という手がかりが必要だ。この章では、7つのポイントに入る前に、なぜチェックをするのか、どう使うのかを4つの面から確かめておきたい。
「大丈夫だと思う」の根拠を疑ってみる
「うちのチームは、たぶん大丈夫だと思う」。こう感じているとき、その根拠はどこにあるだろうか。
多くの場合、それはリーダーの目に入っている範囲だけで判断している。毎日顔を合わせているからこそ、小さな変化には気づきにくい。家族の変化に、家族がいちばん気づきにくいのと似ている。また、業績の数字だけでもチームの状態はわからない。数字は出ていても、メンバーが疲れきっていたり、本音を言えなくなっていたりすることはある。反対に、数字が厳しい時期でも、「一緒に乗り越えよう」という空気が保たれているチームもある。
一度、「大丈夫だと思う」の根拠を書き出してみてほしい。根拠が思い浮かばないところが、今日の7つのポイントで確かめるべき場所になる。
チェックは「責める材料」ではない
これから紹介する7つのポイントは、できていないことを探すための道具ではない。どこから始めるかを決めるための道具である。
チェックの結果、気になるところが見つかっても、それはリーダーの責任を問うものではない。メンバーの評価を下げるものでもない。現状を知ることは、変化の出発点にすぎないのだ。思っていたより状態が良ければ、自信を持って次に進める。課題が見つかれば、優先して取り組む場所がはっきりする。どちらの結果になっても、チェックに使った時間はむだにならない。むしろ、責める目で見ると、見えるはずのものまで見えなくなってしまう。
チェックをするときは、「採点する」ではなく「地図を描く」つもりで臨んでほしい。そう構えるだけで、見えてくるものが変わるはずだ。
「見えていなかった場所」に目を向ける
チームを観察するとき、特に気をつけたいのは、リーダーからは見えにくい場所だ。
メンバーは、上司に言いにくいことを、同僚には話していることがある。休憩時間の何気ない会話に、チームの本音がこぼれていることもある。ミーティングで誰がどれだけ話したかという偏りにも、話しやすさが表れる。書類が出てくるタイミング、ミーティングが終わった後の表情、席を立つときの一言。こうした細かな場面が、チームの状態を正直に教えてくれる。特別な調査をしなくても、見る場所を意識するだけで、情報はたくさん入ってくるのだ。
アンケートを取る前に、まず自分の目で1週間観察してほしい。いつもの仕事の中で、「今日はここを見る」と1つ決めておくだけでいい。見る場所を決めると、同じ職場が違って見えてくる。
見たことを「書き留める」
観察して気づいたことは、頭の中に置いておかず、必ず書き留めてほしい。
書き留めることには、3つの意味がある。1つ目は、今の状態を、後から比べるための基準になること。2つ目は、自分の思い込みを、少し離れた場所から見直せること。3つ目は、変化が起きたときに、その手応えを実感できることだ。形式はノートでも、スマホのメモでもかまわない。「10月5日時点、ミーティングで話したのは3人だけ」。この程度の1行で十分である。書いてある事実は、記憶よりもずっと正確だ。
今日から、チームについて気づいたことを1日1行書き留めてほしい。3ヶ月後にそのメモを読み返したとき、変化の足跡がはっきり見えるはずだ。書く場所は、1つに決めておいてほしい。

Chapter 6 7つのチェックポイント(前半)
ここから本題に入る。リーダーがチームの状態を確かめるための7つのポイントのうち、前半の4つをお伝えする。前半は、日々の仕事の流れの中で見えるポイントだ。「うちのチームはどうだろう」と問いかけながら読み進めてほしい。
① 報告・連絡・相談が、いつ・どう来るか
1つ目は、報告・連絡・相談が、どんなタイミングで、どんな形で来ているかだ。
気にしてほしいのは、「問題が大きくなってから報告が来る」ことが多くないかどうかである。「順調です」という言葉だけで中身が見えない報告が続いているなら、メンバーは「余計なことは言わないほうがいい」と感じているのかもしれない。一方で、小さな迷いや途中経過を自分から伝えてくれるメンバーが多いなら、風通しは良い状態だ。報連相の中身そのものより、タイミングと、自分から来ているかどうかを見てほしい。「上司に話しかけやすいかどうか」が、そのまま報連相の質に表れているのだ。
この1週間に受けた報告を、思い出してみてほしい。「早かった」「遅かった」と一言ずつ振り返るだけで、チームの状態が少し見えてくる。
② ミーティングで、誰が話し、誰が黙っているか
2つ目は、ミーティングでの発言の偏りと、メンバーの表情である。
毎回同じ人だけが話し、ほかの人が黙っているなら、「話していいのか迷っている人」がいると考えてほしい。あわせて、発言に対するリーダー自身の反応も振り返ってほしい。意見が出たとき、すぐに「それは違う」と返していないだろうか。ミーティングが終わった後の表情も、手がかりになる。終わった瞬間にほっとした顔をする人が多ければ、ミーティングが緊張する場になっているのかもしれない。逆に、終わった後も会話が続き、雑談が生まれているなら、場の空気は温かい。
次のミーティングで、発言した人の名前に印をつけてほしい。誰が話し、誰が話していないかが、数字として見えてくる。印は、責めるためではなく、次に声をかける相手を知るために使ってほしい。
③ 「困っています」と言えているか
3つ目は、メンバーが「困っています」と言えているかどうかだ。
「困ったことがあれば、遠慮なく言ってほしい」と伝えているリーダーは多い。では、実際に「困っています」という声は届いているだろうか。届いていないとしたら、理由は2つ考えられる。本当に困っていないか、困っているのに言えないかだ。確かめる方法は難しくない。メンバーに「最近、仕事でやりにくいと感じていることはある?」と直接聞いてみる。「特にないです」が続くなら、「たとえば、こういう場面はない?」と具体的な例を出して聞いてみる。言葉を引き出す工夫をすることも、リーダーの大事な役割である。
今週、少なくとも2人に、この問いを投げかけてほしい。返ってきた言葉は、そのまま書き留めておいてほしい。
④ メンバー同士が、どう関わっているか
4つ目は、メンバー同士の関わり方である。チームの状態は、リーダーとメンバーの間だけでなく、メンバー同士のやりとりにも表れる。
休憩時間に言葉を交わしているか。困っている人に、別のメンバーが声をかけているか。仕事以外の話が、自然に生まれているか。こうした場面を観察してほしい。「それ、やっておきますよ」という声が自然に出るチームは、すでに良い土台を持っている。反対に、業務上の最低限のやりとりしかなく、会話がほとんどないチームは、関係づくりから始める必要がある。どちらの状態なのかによって、最初に手をつける場所が変わってくるのだ。
今週、メンバー同士の会話が生まれている場面を3つ見つけてほしい。見つからなければ、それ自体が大切な発見である。
Chapter 7 7つのチェックポイント(後半)
前半の4つに続いて、後半の3つをお伝えする。後半は、前半よりも少しチームの奥に関わるポイントだ。リーダー自身を見つめる項目も入っている。急がず、1つずつ確かめてほしい。章の最後には、7つを1枚にまとめて使う方法もあわせてお伝えする。
⑤ リーダー自身の言葉と行動を振り返る
5つ目は、リーダー自身である。チームの状態は、多くの場合、リーダーの言動が積み重なった結果だからだ。
最近、メンバーに感謝の言葉を伝えているか。話を最後まで聞いているか。約束したことを守っているか。こうした問いを、自分に向けてみてほしい。自分では「できている」と思っていても、メンバーからは違って見えていることがある。自分の評価と、まわりからの見え方の差が大きいほど、チームに届いていないものが多いということだ。耳の痛い作業かもしれない。けれど、7つの中でいちばん効き目があるのは、このポイントである。
今日の終わりに、「感謝を伝えたか」「最後まで聞いたか」「約束を守ったか」の3つに、丸か三角をつけてほしい。1週間続けると、自分の傾向が見えてくる。
⑥ 失敗が起きたとき、どう扱われているか
6つ目は、失敗や間違いが起きたときの、チームの反応である。
誰かがミスをしたとき、最初に出てくるのが「なぜミスしたんだ」という言葉なら、メンバーは失敗を隠すようになる。隠された失敗は、見つかったときには大きくなっている。反対に、「何があった? 一緒に考えよう」という反応が自然に出るチームでは、メンバーは早めに報告してくれる。失敗が「責められること」として扱われているのか、「一緒に片づけること」として扱われているのか。この違いは、チームが話しやすい場所かどうかを、はっきりと映し出す。
直近でチームに起きた失敗を1つ思い出し、そのとき自分が最初に何と言ったかを振り返ってほしい。その一言が、今のチームの空気をつくっている。次に失敗が起きたときの最初の一言も、今のうちに決めておいてほしい。
⑦ 仕事の意味が、共有されているか
7つ目は、メンバーが自分の仕事の意味を感じられているかどうかだ。
「言われたことをこなすだけ」という様子のメンバーが多いなら、仕事の目的や意味が伝わっていない可能性がある。一方で、「自分がこの仕事をしている意味」を感じているメンバーは、難しい場面でも粘り強く動く。意味を感じているかどうかは、日々の表情や、仕事への関わり方ににじみ出る。これは、メンバーの意欲の問題として片づけられがちだ。けれど実際には、チームとしての方向が言葉になっていないことが原因である場合が多い。方向が見えなければ、意味も感じにくいからだ。
次の1on1で、「この仕事で、やりがいを感じるのはどんなとき?」と聞いてみてほしい。答えが出てこなければ、次回の理想像を言葉にするワークが役に立つ。
7つを1枚のチェックシートにまとめる
7つのポイントは、頭で覚えておくより、1枚の紙にまとめておくほうが使いやすい。
ノートの1ページに、7つの項目を縦に書き出す。横には、日付の欄をつくる。そして週に1度、それぞれに「良い」「気になる」「わからない」の3段階で印をつける。大切なのは、「わからない」という印を恥ずかしがらないことだ。わからない項目は、まだ見えていない場所である。そこが見えるようになるだけで、チームの見え方は大きく変わる。印は、正確さよりも続けることを優先してつけてかまわない。
今日のうちに、7つの項目を1枚に書き出してほしい。最初の印は、今日の時点の感覚でつけてかまわない。その1枚が、3ヶ月の変化を測る物差しになる。手帳にはさんで、いつでも開けるようにしておいてほしい。

Chapter 8 チェックの結果を「次の行動」につなげる
7つのポイントで確かめた結果は、評価ではなく、行動の出発点である。見えたものを、どうやって次の行動に変えていくのか。最後の章では、チェックの結果を具体的な行動に落とし込むための手順を、4つに分けてお伝えする。
気になるポイントを1つに絞る
7つのポイントを見ていくと、すべてに課題があるように感じることもある。けれど、一度に全部を変えようとしないでほしい。
変化を生むのは、優先順位をつけて1つに集中することだ。報連相が遅いのか、ミーティングで話が出ないのか、メンバー同士の会話が少ないのか。今のチームにとって、いちばん影響が大きいものはどれかを考えて、そこから手をつける。1つに絞ると、行動が具体的になる。「ミーティングで話が出ない」なら、「次のミーティングでは、3人に名前を呼んで意見を聞く」という行動に落とせる。ポイントを行動に置き換えることが、チェックを生かす鍵である。
チェックシートの中から、今月いちばん手を入れたい項目に、赤で丸をつけてほしい。その1つが、10月の重点になる。
メンバーより先に、リーダーが変わる
チェックの結果を見ると、つい「メンバーをどう変えるか」を考えたくなる。けれど、その前に、リーダー自身が何を変えるかを決めてほしい。
チームの状態は、リーダーの言動が積み重なった結果でもあるからだ。報連相が少ないなら、リーダーが話しかけやすくなる工夫をする。ミーティングで話が出ないなら、出た意見をまず受け止める。変わる順番は、リーダーが先である。メンバーは、リーダーの変化に敏感に気づく。「最近、上司が話を聞いてくれるようになった」。そう感じたとき、メンバーの話しやすさは少しずつ変わっていく。
赤丸をつけた項目について、「自分が変えること」を1つ書き出してほしい。主語を「メンバー」ではなく「私」にして書くのがコツだ。書いたら、今週のうちに1度は試してほしい。
週1回、5分のチェックを習慣にする
今日のチェックで終わりにしないでほしい。大切なのは、同じ物差しで何度も測ることである。
毎週1度、7つのポイントを5分で見直す。これを習慣にすると、「先週と比べてどうか」という変化の感覚が育っていく。変化の感覚が育つと、チームを見る目そのものが確かになっていく。特別な道具はいらない。手帳にはさんだチェックシートを、決まった曜日に開くだけでいい。続けるうちに、「チームが変わってきている」という実感をリーダー自身が持てるようになる。その実感こそが、次の1週間も続ける力になるのだ。
チェックする曜日と時間を、今日決めてほしい。おすすめは、週の終わりの金曜日の夕方である。カレンダーに予定として入れておけば、忘れにくくなる。
気になるメンバーに、今週声をかける
チェックの途中で、「最近、あのメンバーは元気がないかもしれない」と感じたなら、今週のうちに必ず声をかけてほしい。
「最近どう?」の一言でいい。仕事の相談でなくてもかまわない。声をかけられたメンバーは、「見てもらえている」と感じる。この一言が、後になって「あのとき声をかけてもらえて、助かった」という記憶に変わることもある。反対に、気になったまま何もしないでいると、小さなサインは見過ごされていく。チェックで見えたことを、見えたままにしないことが大切だ。気づいたことを行動に変えて、はじめてチェックは意味を持つ。
今週の予定表に、声をかけるメンバーの名前を書き込んでほしい。書くだけで、声をかける確率はぐっと上がる。声をかけた後の様子も、1行だけ書き留めておいてほしい。
今日のまとめ
チームの今は、「なんとなく」ではわからない。見る場所を決めて、確かめる必要がある。チェックは責める材料ではなく、どこから始めるかを決めるための地図である。
見るべきポイントは7つある。報連相のタイミング、ミーティングの発言、「困っています」と言えているか、メンバー同士の関わり、リーダー自身の言動、失敗の扱われ方、そして仕事の意味の共有だ。
7つは1枚のチェックシートにまとめ、週に1度、5分で見直してほしい。同じ物差しで測り続けることで、変化が見えるようになる。
結果が出たら、気になる項目を1つに絞る。そして、メンバーより先にリーダーが変わる。気になるメンバーには、今週のうちに声をかけてほしい。
次回(10月9日)は、チームの「3年後の理想像」を15分で言葉にするワークをお届けする。今日つかんだ現在地に、目的地を加えていく回だ。一緒に考えていきたい。
チームの今を正直に見ることが、変化のいちばん確かな出発点になると、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。