今、惜しむことのほうがリスク

「忙しいから、あとで」の先にあるもの

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。

昨日は、9月に紹介した習慣が、社会人になってからも使えるという話を書いた。3行の記録。1行の問い。週末30分の見返し。

今日は、その続きになる。もう1つの習慣である「まず200字でまとめる」を扱い、そのうえで、今始めないことのリスクについて正面から書く。

正直に言うと、今日は少しだけ厳しい話が入る。ただ、伝えておきたいことなので、最後まで読んでもらえるとうれしい。

Chapter 5 200字は、社会人の基本動作

昨日の記事で、日報や報告の話をした。じつは、そこで求められる力の中心にあるのが、短くまとめる力である。この章では、その理由を4つに分けて扱っていく。

5-1 伝わらないと、仕事は進まない

社会に出ると、はっきりわかることがある。伝わらない説明は、そこで仕事を止めてしまう。

たとえば、上司に相談する場面を考えてみてほしい。状況を長々と話しても、要点が見えなければ、相手は判断できない。「結局、何を聞きたいの」と返されることになる。すると、もう一度説明し直す。時間が2倍かかるうえに、お互いに疲れる。逆に、短く要点を伝えられれば、その場で答えが返ってくる。仕事が、すぐに次へ進む。この差は、1日に何度も発生する。だからこそ、短くまとめる力が、そのまま働きやすさにつながっていく。

長く話すより、短く伝えることを意識してほしい。相手の時間を守ることは、信頼にも直結する。この差は、1日に何度も生まれる。

5-2 「結論・理由・結果」は、どこでも同じ

9月に扱った200字の型を、思い出してほしい。意図、事実、変化の順に並べる、というものだった。

じつはこれ、仕事での報告の型とほとんど同じである。ビジネスの場では「結論・理由・経過」という順で伝えるように言われることが多い。並べ替えると、意図が理由にあたり、事実が経過にあたる。そして変化が、結果にあたる。名前がちがうだけで、構造は同じなのだ。だから、就活で200字を書き慣れた人は、入社してからの報告でもつまずかない。新しく覚えることが、ほとんどない状態で始められる。ここは、知っておくと安心できる部分だと思う。

就活の200字を、報告の練習だと考えてほしい。同じ型が、そのまま仕事で使える。名前がちがうだけだと知っておこう。

5-3 短くまとめられる人が、任される

もう1つ、現実的な効果を書いておきたい。まとめる力は、任される量に直結する。

上司の立場で考えるとわかりやすい。同じ仕事を任せるなら、状況をすぐ報告してくれる人のほうが安心できる。何かあっても、早く気づけるからだ。逆に、報告が長く、要点が見えない人には、細かく確認せざるを得ない。すると、上司の手間が増える。結果として、任せる範囲を絞ることになってしまう。本人に力があっても、伝わらなければ、そう判断されてしまうのだ。これは、とてももったいないことである。まとめる力は、能力を正しく見てもらうための土台でもある。

伝える力を、能力の一部だと考えてほしい。持っているものを、正しく届けるための力である。ここは、練習で確実に伸びる。

5-4 就活は、その練習の場になる

ここまで読むと、就活の見え方が少し変わってくるかもしれない。就活は、練習の場でもある。

エントリーシートを書くのは、短くまとめる練習だ。面接で話すのは、口頭で要点を伝える練習になる。しかも、真剣に取り組める。結果がかかっているので、本気になれるからだ。これほど良い練習環境は、なかなかない。だから、就活を「選ばれるための作業」だと思うと、つらくなる。でも、「社会に出るための練習」だと思えば、意味がまるで変わる。同じ時間を使うなら、後者のほうが、得られるものは大きいはずだ。

就活を、練習の場として使ってほしい。結果だけでなく、力も残っていく。これほど本気になれる練習環境は、そう多くない。しかも、その力は入社後もそのまま使える。

Chapter 6 「今は忙しいから」の落とし穴

ここからが、今日の本題になる。多くの学生が、始めない理由として「忙しいから」を挙げる。この章では、その先に何が起きるのかを、4つに分けて書いていく。

6-1 あとで始めるほど、負荷は上がる

「余裕ができたら始めよう」。この考え方には、大きな落とし穴がある。

余裕は、あとになるほど減っていくからだ。大学3年の秋より、4年の春のほうが忙しい。4年の春より、入社直後のほうが忙しい。しかも、入社してからは、覚えることが山のようにある。そのなかで新しい習慣を始めるのは、かなりの負荷になる。つまり、始めるタイミングとしては、今がいちばん軽い。9月の第1週で「ちゃんとしてからは永遠に来ない」と書いたが、これは習慣についても同じである。条件が整う日を待っていると、その日は来ない。

始めるなら、今がいちばん軽いと考えてほしい。先に延ばすほど、必要な力は増えていく。条件が整う日は、待っても来ない。今日から、3分だけ始めてみよう。

6-2 学生のうちは、失敗しても損が小さい

もう1つ、学生のうちに始める利点がある。失敗の損が、圧倒的に小さいことだ。

記録を書き忘れても、誰にも迷惑はかからない。まとめ方が下手でも、評価には響かない。人に話して詰まっても、笑い話で済む。ところが、社会人になると、そうはいかない。報告が伝わらなければ、仕事が止まる。関係する人にも影響が出る。だから、慎重になり、練習しづらくなってしまう。今のうちなら、いくらでも失敗できる。しかも、その失敗は全部、自分の材料になる。この環境は、思っている以上に恵まれたものである。

失敗できるうちに、練習しておいてほしい。今の失敗には、ほとんど代償がない。しかも、その失敗は全部あなたの材料になる。恵まれた環境だと考えていい。

6-3 社会人1年目は、想像以上に余裕がない

ここは、実際に見てきたことを正直に書いておきたい。入社してからの1年目は、想像以上に余裕がない。

覚えることが多い。慣れない環境で、気を張っている。人間関係も、一から築くことになる。だから、夜になると疲れ切っている。そのなかで「今日から日報の書き方を勉強しよう」とはならない。目の前のことで、精一杯だからだ。私は、多くの新入社員を見てきたが、この時期に新しい習慣を立ち上げられる人は、ごくわずかだった。逆に、学生のうちから続けてきた人は、そのまま続けるだけで済んでいた。この差は、入社してから埋めるのが本当にむずかしい。

1年目に始めるのは、かなり大変だと知っておいてほしい。今から持っていくほうが、はるかに楽だ。

6-4 惜しむべきは、時間ではなく機会

ここまでをまとめると、1つのことが見えてくる。惜しむ対象を、取りちがえないでほしい。

「1日3分がもったいない」「週に30分は使えない」。そう考えて先送りするのは、時間を惜しんでいることになる。でも、本当に惜しむべきは、今しかない機会のほうだ。失敗しても損が小さく、時間にも余裕があり、真剣に取り組める場がある。この3つがそろっている時期は、そう長くない。3分を惜しんで、機会を失う。これが、いちばん大きな損である。厳しい言い方かもしれないが、あとになって気づくより、今のうちに知っておいてほしい。

3分を惜しむより、機会を惜しんでほしい。今の時期は、思っているより短い。あとで気づくより、今知っておいてほしい。

Chapter 7 習慣は、才能ではなく設計

「そうは言っても、続かない」。そう感じている人もいると思う。でも、続かないのには理由がある。この章では、その理由と対処を4つに分けて扱っておきたい。

7-1 続かないのは、意志の問題ではない

まず、大前提を書いておく。習慣が続かないのは、意志が弱いからではない。

多くの人が、ここを誤解している。「自分は根性がないから続かない」と考えてしまうのだ。でも、実際の原因はちがう。たいていは、設定した負荷が高すぎるか、やるタイミングが決まっていないか、そのどちらかである。つまり、設計の問題なのだ。意志でどうにかしようとすると、疲れた日に必ず崩れる。逆に、設計を変えれば、意志に頼らずに続けられる。ここを取りちがえると、自分を責めるだけで終わってしまう。責める必要は、まったくない。

続かないときは、自分ではなく設計を疑ってほしい。直すべきは、やり方のほうだ。根性ではなく、仕組みで解決できる。自分を責める必要は、まったくない。

7-2 負荷を下げ、時間を固定する

では、どう設計すればいいのか。押さえるべき点は、3つある。

1つ目は、負荷を下げること。3行以上は書かない、と決めてしまう。2つ目は、時間を固定すること。「帰りの電車で書く」「日曜の夜に見返す」と決めておく。3つ目は、場所を1か所にすること。スマホのメモに、1枚だけつくる。この3つを揃えると、続く確率が大きく上がる。逆に、どれか1つでも曖昧だと、崩れやすくなる。9月に紹介したやり方は、すべてこの3点を満たすように組んである。むずかしいことは、何もしていない。

この3つを、今日のうちに決めてほしい。決めるだけなら、5分もかからない。負荷、時間、場所。この3点だけでいい。むずかしいことは、何もしていない。

7-3 止まっても、また始めればいい

それでも、途中で止まることはある。ここでの受け止め方が、いちばん大事になる。

多くの人は、2日、3日と抜けた時点で「もうだめだ」と思ってやめてしまう。でも、これはもったいない。習慣は、完璧に続けなくても効果がある。1週間空いたら、そこから再開すればいいだけだ。9月の記録が10日分しかなくても、ゼロよりはるかに価値がある。完璧を求めると、かえって続かなくなる。この連載でくり返し書いてきたことが、ここでも当てはまる。8割でいい。止まったことより、再開したかどうかのほうが、ずっと大事である。

止まっても、翌日からまた始めてほしい。抜けた日は、数えなくていい。10日分でも、ゼロよりはるかに価値がある。完璧を求めると、かえって続かなくなる。

7-4 3ヶ月続けば、身体が覚える

最後に、目安を書いておきたい。どのくらい続ければ、習慣になるのか。

個人差はあるが、3ヶ月が1つの目安になる。そのくらい続けると、やらないほうが気持ち悪くなってくる。意識しなくても、手が動くようになる。ここまで来れば、もう努力ではない。歯磨きと同じで、自然にやることになる。9月に始めた人なら、12月には3ヶ月だ。ちょうど、エントリーシートを書く時期と重なる。そのとき、記録が手元にあり、書くことにも慣れている。この状態を目指して、あと少し続けてみてほしい。

まずは、3ヶ月を目標にしてほしい。そこを越えると、続けるのが楽になる。9月に始めた人なら、12月がその時期にあたる。ちょうど、書類を書く時期と重なるはずだ。

Chapter 8 就活を、自分への投資に変える

最後の章になる。ここでは、就活そのものの位置づけを、もう一度考えておきたい。9月の締めくくりとして、4つに分けて書いておく。

8-1 内定は、目的ではない

まず、はっきり書いておきたいことがある。内定は、目的ではない。

もちろん、内定は必要だ。それがないと、次に進めない。ただ、内定はあくまで通過点である。8月の連載で、「どんな人生にしたいか」から考えることの大切さを書いた。就活は、その人生のなかの一場面にすぎない。内定を取ることだけを目的にすると、取った瞬間に目標を失ってしまう。実際、内定後に何をすればいいかわからなくなる学生は、少なくない。目的が「内定」だったからだ。もう少し先を見ておくと、内定のあとも迷わずに済む。

内定の先に、何を置くかを考えてみてほしい。そこがあると、就活の意味も変わる。内定は、あくまで通過点である。その先を見ておくと、迷いが減る。

8-2 残るのは、内定ではなく力

もう1つ、大事な視点がある。就活が終わったとき、手元に何が残るかだ。

内定は、たしかに残る。ただ、それは1枚の通知にすぎない。本当に残るのは、この期間に身につけた力のほうだ。記録する力。問いを立てる力。振り返る力。短くまとめる力。これらは、どこへ行っても使える。仮に、入社した会社が合わなかったとしても、この4つは持って行ける。だから、就活は「選ばれるための作業」ではなく、「力をつける期間」だと考えたほうがいい。同じ時間を使うなら、残るもののほうを大事にしてほしい。

この期間に、何を身につけるかを意識してほしい。残るのは、結果より力のほうだ。会社が変わっても、持って行けるものだ。だから、力のほうを意識してほしい。

8-3 9月の4つを、持って行ってほしい

9月に紹介した習慣を、最後にもう一度並べておきたい。4つある。

1つ目は、3行の記録。やったこと、気づいたこと、感じたこと。2つ目は、1行の問い。「何を確かめに行くか」を、先に決めておく。3つ目は、週末30分の見返し。書いたものを読み返し、くり返す言葉に印をつける。4つ目は、200字でまとめること。意図、事実、変化の順に並べる。この4つは、どれも3分から30分でできる。特別な才能も、道具もいらない。それでも、長く効き続ける。それなのに、社会に出てからも長く効き続ける。

この4つを、そのまま持って行ってほしい。就活のためではなく、自分のために続けよう。どれも、3分から30分でできることばかりだ。特別な才能も、道具もいらない。それでも、長く効き続ける。

8-4 10月から、続けていこう

今日で、9月の連載は終わりになる。最後に、来月からのことを書いておきたい。

10月からも、この連載は続く。扱う内容は変わっていくが、根っこにあるものは同じだ。外に出て、確かめて、残して、形にする。この流れを、少しずつ深めていくことになる。だから、9月に始めたことは、そのまま続けてほしい。来月の内容も、その延長線上にある。もし、まだ何も始められていなくても、まったく問題はない。今日から3行を書けば、それがあなたの9月になる。始める日は、いつでもいい。

10月も、一緒に続けていってほしい。ここまで読んでくださったことが、すでに一歩です。始める日は、今日でいい。今日書けば、それがあなたの9月になる。遅すぎることは、何もない。

今日のまとめ

伝わらない説明は、仕事を止めてしまう。だから、短くまとめる力が、そのまま働きやすさにつながる。9月に扱った「意図・事実・変化」の型は、仕事の報告の型とほとんど同じ構造をしている。

まとめる力は、任される量にも直結する。本人に力があっても、伝わらなければ、そう判断されてしまう。伝える力は、持っているものを正しく届けるための土台になる。

そして、始めるなら今がいちばん軽い。余裕は、あとになるほど減っていく。学生のうちは失敗の損が小さく、社会人1年目には新しい習慣を立ち上げる余裕がない。惜しむべきは、3分ではなく、今しかない機会のほうだ。

習慣が続かないのは、意志ではなく設計の問題である。負荷を下げ、時間を固定し、場所を1か所にする。止まっても、翌日から再開すればいい。3ヶ月続けば、身体が覚えてくれる。

最後に、内定は目的ではない。残るのは、この期間に身につけた力のほうだ。記録する力、問いを立てる力、振り返る力、短くまとめる力。この4つは、どこへ行っても使える。

9月は、外に出ることから始めて、ここまで来た。10月も続いていく。始める日は、いつでもいい。今日からでいい。

就活で身につけたものは、就活が終わっても残り続けると、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。

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