就活が終わったら、やめますか
こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。
9月は「外に出て、確かめる」をテーマに、4週にわたって書いてきた。現場に行き、人に会い、インターンを選び、経験を形にする。ここまでを扱ってきた。
そのなかで、いくつかの習慣を紹介した。3行の記録。1行の問い。週末30分の見返し。まず200字でまとめること。
今週は、この4つについて、別の角度から書きたい。じつはこれらは、就活のための道具ではない。社会に出てからも、そのまま使える力になる。
Chapter 1 就活のためだけの準備は、もったいない
多くの学生が、就活の準備を「就活のためのもの」だと考えている。だから、終わればやめてしまう。でも、それはあまりに惜しい。この章では、その理由を4つに分けて確かめておこう。
1-1 「就活が終わったら、やめる」で終わっていないか
内定が出た学生に、その後のことを聞くことがある。「記録は続けていますか」と。すると、たいてい「もう書いていません」と返ってくる。
気持ちはよくわかる。就活のために始めたのだから、就活が終われば必要ない。そう思うのは自然だ。でも、ここでやめてしまうと、せっかく身につきかけたものが消える。しかも、3ヶ月後、半年後に「あのとき続けていれば」と思うことになる。私は、そういう若手を何人も見てきた。入社してから、報告がうまく書けずに苦労する人。振り返る習慣がなく、同じ失敗をくり返す人。どちらも、学生時代にやっていたことを、途中で手放してしまった人たちだった。
就活が終わったあとのことを、今のうちに一度考えてみてほしい。続けるつもりがあるかどうかで、いま取り組む意味が変わってくる。
1-2 就活は、通過点にすぎない
そもそも、就活は何のためにあるのか。ここを、もう一度確認しておきたい。
就活は、ゴールではない。入社した日から、本当の仕事が始まる。しかも、その後の期間のほうが、はるかに長い。就活にかける時間が1年だとすれば、働く期間は40年ある。40倍だ。それなのに、多くの学生は1年のほうばかりを見ている。もちろん、目の前のことに集中するのは当然である。ただ、そのなかで身につけたものが、その後の40年にどう効くのか。ここを一度考えておくと、取り組み方が変わってくる。同じ努力でも、先を見ている人のほうが、残るものが多い。
就活を、その先とつなげて考えてみてほしい。通過点だとわかると、力の入れどころが見えてくる。ゴールではないと知るだけでいい。
1-3 一度きりの準備は、身につかない
もう1つ、実務的な話をしておく。短期間で詰めこんだものは、たいてい残らない。
これは、試験勉強と同じである。前日に暗記したことは、1週間後には消えている。ところが、毎日少しずつ続けたことは、長く残る。習慣として身体に入っているからだ。就活の準備も同じで、面接の直前に一夜漬けで自己分析をしても、その場しのぎにしかならない。しかも、深掘りの質問には耐えられない。逆に、9月から3行を書き続けた人は、12月には3ヶ月分の蓄積がある。しかも、書くこと自体が苦にならなくなっている。この差は、あとから埋められない。
一夜漬けではなく、積み重ねを選んでほしい。今日から3分でいい。それが、いちばん確実な道になる。数ヶ月後の自分が、その差を実感するはずだ。
1-4 習慣として残った人だけが、先で楽になる
そして、ここがいちばん伝えたいところだ。習慣になった人だけが、社会に出てから楽になる。
新入社員を見ていると、はっきり差が出る。日報を書くのに1時間かかる人と、10分で終わる人がいる。上司から「今日はどうだった」と聞かれて、すぐ答えられる人と、言葉に詰まる人がいる。この差は、能力ではない。書き慣れているかどうかだ。学生時代に3行を書いてきた人は、社会人になっても同じことをするだけである。新しく覚える必要がない。だから、他のことに集中できる。スタートの時点で、余裕がまるでちがってくる。
今やっていることを、そのまま持って行くつもりでいてほしい。それが、4月からのあなたを助けてくれる。新しく覚えることが、1つ減る。

Chapter 2 3行の記録は、そのまま仕事で使える
9月に紹介した3行の記録。じつは、これは社会人が毎日やっていることと、ほとんど同じ構造をしている。この章では、その重なりを4つに分けて具体的に見ていこう。
2-1 社会人になると、記録する量が増える
学生のうちは、書くことをあまり求められない。ところが、社会に出ると、これが一気に増える。
日報がある。週報がある。案件ごとの報告書がある。会議の議事録もある。上司への相談も、口頭だけでなく、短い文章にまとめて送ることが多い。つまり、社会人の1日には、書く仕事がいくつも含まれている。しかも、これは職種を問わない。営業でも、技術でも、事務でも、必ずある。「書くのは苦手なので」と言っても、避けられない部分なのだ。だから、書くことに慣れているかどうかは、そのまま働きやすさに直結する。
書く量が増えることを、前提として知っておいてほしい。今から慣れておくと、確実に楽になる。職種を問わず、必ずついてくる仕事だ。
2-2 日報も、週報も、構造は同じ
では、日報や週報には何を書くのか。ここが、9月の話とつながってくる。
日報に書くのは、たいてい3つだ。今日やったこと。気づいたこと、または課題。そして、明日どうするか。週報も、期間が長いだけで構造は同じである。つまり、9月に紹介した3行と、ほとんど変わらない。「やったこと・気づいたこと・感じたこと」を、少し仕事向けに直せばいいだけだ。だから、学生のうちに3行を書き慣れていれば、日報でつまずくことはない。形が同じなので、そのまま応用が効く。ここは、知っているかどうかで大きく変わる部分である。
3行の型を、そのまま日報の型だと考えてほしい。同じことを、4月から続けるだけになる。形が同じなので、迷わずに書ける。
2-3 「やったこと・気づいたこと」は、報告の型
もう少し踏みこんでおきたい。この型が優れているのは、事実と解釈を分けている点にある。
1行目の「やったこと」は事実だ。2行目の「気づいたこと」は、そこから自分が考えたことである。この2つを分けて書けると、報告としての質が一気に上がる。逆に、混ざっていると、読む側が混乱する。「うまくいきませんでした」だけでは、何が起きたのかがわからない。「A社に電話をしたが、担当者が不在だった。時間帯を変えたほうがよさそうだ」。この形なら、事実と考えが分かれている。上司は、すぐに判断できる。これは、社会人にとって基本の作法である。
事実と、自分の考えを分けて書いてほしい。この癖は、そのまま仕事で使える。読む側が、すぐに判断できるようになる。
2-4 書ける新人は、早い段階で信頼される
最後に、現実的な効果を書いておく。書ける人は、早く信頼される。
理由は単純だ。上司から見ると、状況がわかるからである。何をして、何につまずいているのか。それが伝わると、適切な助言ができる。逆に、報告が曖昧だと、上司は状況をつかめない。だから、細かく確認することになる。その確認が増えるほど、任せてもらえる範囲は狭くなってしまう。書けるというのは、文章がうまいという意味ではない。何が起きたかを、正確に伝えられるということだ。ここは、練習で身につく部分である。しかも、学生のうちから始められる。
上手に書こうとせず、正確に伝えることを目指してほしい。それだけで、十分に評価される。文章のうまさまでは、求められていない。
Chapter 3 1行の問いは、仕事の質を決める
9月の第1週で、現場に行くときは問いを1つ持って行く、と書いた。これも、社会に出てからそのまま使える。この章では、どの場面で効いてくるのかを4つに分けて扱う。
3-1 目的を持って臨む人と、そうでない人
同じ会議に出ても、持ち帰るものは人によってちがう。これは、インターンの話とまったく同じ構造だ。
「何を確かめに行くのか」を決めている人は、その場で聞くべきことを聞く。決めていない人は、ただ座っているだけになる。終わったあとに残るものが、まるでちがってくる。しかも、この差は毎日積み重なる。会議は週に何度もある。1年で見れば、大きな差になっているはずだ。9月に書いた「インターンは確かめるためにある」という話は、そのまま「会議は確かめるためにある」に置き換えられる。目的を持って臨むかどうか。ここが分かれ目になる。
どんな場でも、目的を1つ決めてから入る癖をつけてほしい。それだけで、時間の価値が変わる。毎日のことなので、差は積み上がっていく。
3-2 会議も、商談も、同じ構造
もう少し、具体的に見ていきたい。この考え方は、いろいろな場面で使える。
商談なら、「相手が本当に困っていることは何かを確かめる」。上司との面談なら、「自分の評価がどこで止まっているかを確かめる」。研修なら、「自分の仕事に持ち帰れる部分を1つ見つける」。どれも、事前に1行を決めておくだけでいい。準備の時間は、1分もかからない。それなのに、その場での集中の仕方がまるで変わる。何を聞き逃してはいけないかが、はっきりするからだ。これは、才能ではなく手順の問題である。誰でも、今日からできる。しかも、どの職種でも使える考え方だ。今日の授業から、試してもいい。
大事な場に入る前に、1行を決めてほしい。1分の準備で、その時間の質が変わる。
3-3 「何を確かめに行くか」は、一生使える
なぜ、この習慣が長く効くのか。理由を、はっきり書いておきたい。
人は、目的を持っていないと、目の前の情報を素通りしてしまうからだ。同じ場にいても、探しているものがある人だけが、それを見つける。これは、年齢にも職種にも関係がない。新人でも、管理職でも、同じである。しかも、経験を積むほど、自分で目的を決める場面が増えていく。指示を待つ立場から、自分で問いを立てる立場へ移っていくからだ。そのとき、学生のうちから練習してきた人は、自然にできる。ここは、あとから急に身につくものではない。
今のうちから、問いを立てる練習をしてほしい。これは、長く効き続ける力になる。年齢が上がるほど、必要になる場面は増えていく。
3-4 問いのある人には、情報が集まる
もう1つ、副次的な効果がある。問いを持っている人には、まわりから情報が集まってくる。
質問する人は、相手に覚えられる。「あの人は、こういうことに関心があるらしい」と伝わるからだ。すると、関連する話があったときに、声をかけてもらえるようになる。9月の第2週で、人に会うと情報の質が変わると書いた。あれは、学生に限った話ではない。社会人でも、まったく同じことが起きている。むしろ、社内では毎日その機会がある。問いを持って動いている人と、そうでない人とでは、入ってくる情報の量に差がついていく。
関心を、まわりに伝えておいてほしい。問いを持つことは、情報を呼びこむことでもある。黙っていると、誰にも伝わらない。

Chapter 4 週末30分は、成長速度を変える
9月に紹介したもう1つの習慣が、週に一度の見返しだ。じつは、これがいちばん効き目が大きい。この章では、その理由を4つに分けて扱っておこう。
4-1 振り返らない人は、同じ失敗をくり返す
長く採用や育成の現場にいると、はっきり見えてくることがある。伸びる人と、そうでない人の差だ。
いちばん大きいのは、振り返っているかどうかである。経験の量ではない。同じ3年を過ごしても、振り返っている人は3年分伸びる。振り返っていない人は、1年分の経験を3回くり返しているだけになる。これは、厳しい言い方に聞こえるかもしれない。でも、実際にそういう差が生まれている。失敗しても、なぜそうなったかを考えなければ、次も同じことをする。逆に、一度立ち止まって考えた人は、2度目を避けられる。この積み重ねが、数年後に大きな差になる。
経験の量ではなく、振り返りの回数を意識してほしい。そこが、伸びる速さを決めている。
4-2 経験学習という考え方
じつは、この考え方には名前がついている。経験学習と呼ばれるものだ。
流れは、4つある。経験する。振り返る。そこから、自分なりの法則を見つける。次の場面で試す。この4つを回していくと、経験が力に変わっていく。逆に、経験しっぱなしでは、回らない。9月に紹介した習慣は、この流れをそのままなぞっている。外に出るのが「経験」、3行を書くのが「振り返り」、週末の見返しで「法則を見つける」、そして次に「試す」。むずかしい理論のように見えるが、やっていることは単純だ。しかも、学生のうちから回せる。
自分が今、4つのどこにいるかを意識してみてほしい。回っていれば、確実に前に進んでいる。止まっている段階があれば、そこを足せばいい。
4-3 30分が、1年で26時間になる
数字にしてみると、この習慣の力がわかりやすくなる。少し計算してみたい。
週に30分。1ヶ月で2時間。1年で、およそ26時間になる。3日分の労働時間に近い。この時間を、自分を見つめ直すことだけに使っている人は、多くない。社会人になると、忙しさに流されて、立ち止まる時間が持てなくなるからだ。だからこそ、この30分を確保している人は、少しずつ差をつけていく。しかも、負荷は小さい。日曜の夜に30分。それだけである。大きな努力をしているわけではない。続けているだけで、結果的に大きな差になる。
週に30分を、先に確保してほしい。小さく見えて、1年では大きな時間になる。日曜の夜に固定するのが、いちばん続く。先に予定として押さえておこう。
4-4 社会人になってから始めるのは、むずかしい
最後に、正直なことを書いておきたい。この習慣は、社会人になってから始めるほうが、はるかにむずかしい。
理由は、時間ではなく余裕である。入社直後は、覚えることが多い。目の前の仕事に追われ、立ち止まる発想そのものが出てこない。しかも、失敗すれば落ちこむので、振り返るのがつらくなる時期もある。そのなかで、新しい習慣を始めるのは、かなりの負荷になる。逆に、学生のうちに身につけていれば、続けるだけで済む。ゼロから始めるのと、続けるのとでは、必要な力がまるでちがう。今のうちに始めておく価値は、ここにある。
始めるなら、今がいちばん楽な時期だと考えてほしい。あとになるほど、負荷は上がっていく。学生のうちなら、失敗しても損は小さい。
今日のまとめ
就活のために始めた習慣を、就活が終わったらやめてしまう。これは、あまりに惜しい。就活は通過点であって、その先には40年の期間がある。
短期間で詰めこんだものは、たいてい残らない。一夜漬けの自己分析は、深掘りの質問に耐えられない。積み重ねた人だけが、あとで楽になる。
3行の記録は、そのまま日報や週報の型になる。事実と自分の考えを分けて書けると、報告の質が上がる。書ける新人は、早い段階で信頼され、任される範囲が広がっていく。
1行の問いは、会議でも商談でも面談でも使える。目的を持って入るかどうかで、その場から持ち帰るものがまるでちがう。しかも、問いを持つ人には、まわりから情報が集まってくる。
週末30分の見返しは、成長の速さを決める。同じ3年でも、振り返る人は3年分伸び、振り返らない人は1年分を3回くり返す。週30分は、1年で26時間になる。
そして、この習慣は社会人になってから始めるほうが、はるかにむずかしい。明日は、そこをもう少し詳しく扱う。今から始めないことのリスクについて、正面から書いていく。
9月に始めたことは、就活のためだけのものではないと、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。