ゼブラ企業ってご存知?

ユニコーン企業に対抗する概念として生まれたゼブラ企業がZ世代に指示されています。えッ、それ何?と思った人もおられるかも知れません。

まず、ユニコーン企業とは、評価額が10億ドル(1$110円換算で1,100億円)以上設立10年以内の非上場企業で主にテクノロジー企業とされています。因みに、日本に存在するユニコーン企業は下記の6社といわれています。

  • Preferred Networks (AI開発)
  • SmartHR (人事労務ソフト)
  • スマートニュース (情報アプリ)
  • Paidy (後払い決済)
  • リキッドグループ (暗号資産交換業)
  • Playco (モバイルゲーム開発)

そしてゼブラ企業ですが、明確な定義はありませんが、簡素に表現すると「事業を通じて、社会によいインパクトを与える企業」ではないかと思います。このゼブラ企業を理解するには、発祥の経緯と知るといいと思います。

2013年にシリコンバレーのベンチャーキャピタリストがつくった「ユニコーン」という言葉からは、短期・独占・株主至上主義といった現在の資本主義のあり方を象徴しています。対して、「ゼブラ」は、そうした風潮に危機感を覚えた米国の4人の女性起業家が2017年に提唱した概念です。4人が組織したZebras Uniteは、世界の30以上の都市にチャプターを広げ、企業家、投資家、支援者を含めた20,000人以上のコミュニティを持つ、現在は学術機関や投資機関との連携、コミュニティ活動を通して、新しい経済の形を探る活動をしていて、大きなムーブメントになっています。

ゼブラ企業の特徴として以下の4つのペルソナが整理されています。

  1. 事業成長を通じて、よりよい社会をつくることを目的としている
    売上・利益の最大化自体が目的ではなく、社会課題の解決を事業の目的にしている
  2. 時間、クリエイティビティ、コミュニティなど、多様な力を組み合わせる必要がある
    資金があれば1社で短期間で成功できるという短絡的な事業ではなく、一定の期間をかけてPDCAを回し、クリエイティブやコミュニティなどの力を借りて事業を進めていくことが必要である
  3. 長期的でインクルーシブ(包括的)な経営姿勢である
    短期的に株主価値を最大化させるのではなく、長期的にステークホルダー全員を幸せにするべく経営がなされている
  4. ビジョンが共有され、行動として一貫している
    多様な要素間のトレードオフ(二律背反)を踏まえつつ、具体的なあるべき姿を描き、日々行動している

ユニコーンは空想の生き物です。絵画に単独で描かれることも少なくないようです。一方、ゼブラは実存する生き物です。群れで生活しています。白黒の縞模様が事業における経済性と社会性の両方を追求するゼブラ企業の特徴を表しているといわれています。また、群れで行動することで全体としてカモフラージュされ、外的が1頭に狙いを定めるのが難しいそうです。仲間との協力によって特徴が発揮される動物なのです。個々の能力を持ち寄り、コミュニティを大切にして活動するゼブラ企業を連想させます。

日本の若者のなかでも、環境保護や社会にインパクトをもたらしたいと考える人が他の世代よりも多いZ世代やミレニアル世代がゼブラ企業を知って、強い共感や関心を示しているようです。

環境破壊や気候変動は、長期で悪影響を及ぼすとしっかり認識しているZ世代やミレニアル世代は、自分事としてこういう社会問題を捉えています。このような背景があってでしょうか、キャリア選択において、社会的課題の解決に寄与する仕事で頭と体から汗を流したいと考える若者が増えています。本当に頼もしく感じますし、嬉しく思います。

ついでにご紹介しますと、今回紹介したZebras Uniteの4人の考えがヒントとなってあおもりHRラボの立ち上げのアクションしたのです。

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