就活の当事者意識を自覚すると「あなたは何がしたいのか」を問われることになります。そうなって初めて悩むことになる学生は少なくないと思います。
大学生になった頃、自分の進路はまだ先の話で、今はまだノーアイディアだが就活を迎える頃にはそれなりに進む道が見えてくるものだろうと、思っていた。でも、3年生になっても何も見えてこない、自分が何をしたいのかわからない、と悩むのです。
近年ではキャリア教育が学校で実施されていますが、その多くの現場で当事者意識を欠いたまま授業を流している姿勢があるのではないかと懸念されます。
何がしたいのかわからないと悩みの根っこには、世の中にある仕事のことを知らないから選ぶことができないのではなく、自分のなかにキャリアの軸がないことにあると思うのです。
二度とない人生を自分らしく豊かで幸福に過ごしたいと、誰もが願うと思うのですが、その先にあるより具体的なイメージが不明確なのだと思います。
その悩みの解決ツールの一つとして自己分析があるのですが、多くの学生がその本質を理解していないように思うのです。それは、なにかしら分析テストなどを受け、その結果を知ることが自己分析と捉えている学生が少なくないとみられるからです。
今週末22日(土)と来週末29日(土)に行いますラーニングカフェ6月(就活生を対象にした無料キャリア・ワークショップ)では自己分析の本質に焦点を置いて、やり方やヒントをお伝えいたしまます。またワークでは、交流分析(TA心理学)の参加者自身でエゴグラム作成・分析と解説を行います。対象を26年、27年卒業予定者となっていますが、25年卒の皆さんもご参加いただけます。
自己分析のキモは「自分と真摯に対峙する」ことです。そのためには一定の時間が必要となります。ですからaoLabでは、2年生の秋頃を目安に、自分と向き合うことを始められることを勧めています。今回はそのエッセンスと自分のモノの見方考え方の根っこにあるものを科学的に探ってみるワークをご提供します。ラーニングカフェで一緒に気づきを共有してみませんか。
ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長である柳井正氏は、人生の行き先がどのように決まるかは偶然でもあり、必然でもあります。私はこれを言い続けてきましたが、自己実現の可能性は与えられたものの中でしか見つけられません。何を与えられるかは偶然によるところが大きく、どのような経験をし、どのような人と出会い、どのような機会を得られるかは、一人ひとり異なります。ただし、その中から可能性を見出すしかないと考えれば、人生の行き先は必然で決まるといえます。
柳井さんが言っている、あなたに与えられたものを見つけだし、言語化することが自己分析に取り組む最大の課題だと思います。「人生の行先を決めるのに、早すぎることはない」のです。