引き続き内定について触れていきます。
12月1日時点の内定率調査によると、大学生の平均内定取得企業数は、21年卒から24年卒では年増加傾向になっていることがわかります。
また、内定取得企業数について、6社以上の企業から内定を受けている学生の割合でも24年卒は前年よりわずかに下がりましたが増加傾向を示していると捉えていいでしょう。


23年卒の学生に複数企業の内定を保有し続ける理由を尋ねたところ、「内定先のどこに入社すべきか、自分自身が決断できない」19.4%という回答がありました。これは、自分が入社する1社を選択することに一定数の学生が悩んでいることが伺えるのです。学生の立場言い換えると、複数の内定企業から最終的にどこを選ぶといいのか、難しい判断を迫られてどうしたらいいのか・・・内心そんな思いがあるのかも知れません。この点が就活のゴールを内定にする危険なところなのです。就活は、卒業後に自身が勤める仕事を決める活動です。内定はあくまでそのプロセスとなるのです。そんなことは就活生であれば誰もがわかっていることでしょうが、実際は複数の内定を得たまではいいのですが、そこから1社を決めることができないでいる学生が少なくないのです。
なぜ、このようなことが起こるのかを考えますと、その原因として自己分析不足が挙げられます。特に二度とない人生で自分はどうしたいのか、ということが不明確ではないでしょうか。それにともなって、自身のキャリア展望や目的といったものも明確ではないのかも知れません。つまり、就活は淳緒に進んでいるように見えても、その活動の軸がないために、選択の基準がないのだと推測されるのです。
残念ながら、あなた自身が長い人生のなかでなにをしたいか、といったことは第三者には話を聴くことはできても、どうしたらいいのかを教えてくれたり、ましてや授けてくれる神様のような人はいないのです。なので私たちは、大学生活で比較的自由になる時間がある2年生の後期を目安にして、自己分析に着手することをお勧めしています。
これまで大勢の就活生と出会ってきて強く思うことがあります。それは、自己分析の結果を知ることが自分を知ることではないということです。自己分析の本質は真摯に自分と対峙することなのです。
就活生へのある調査で「入社予定企業等に就職することに納得しているか」と質問したところ、「当てはまる」「やや当てはまる」と答えた合計の数値は、16年卒で80.1%でしたが、23年卒では72.4%となっていました。納得して就活を終えている学生は今も全体の7割を超えていますが、納得度は減少傾向にあるように感じています。この点に着目してaoLabでは就活のゴールは、「ああんた自身が充分納得して活動を終えること」とお伝えしているのです。
選択肢が多いことで、決めることが難しくなる、ということは長い人生のなかでは何度か遭遇すると思います。どうして選ぶことができなくなるのかというと、上述したように基準となる軸を持っていないことです。この問題の原因は外にあるのではなく、自分自身の内にあると捉えることが大事だと思うのですが、いかがでしょうか。