採用したい人物像

今回は企業側の視点から採用する人物象のはなしです。

マネジメントの領域では「創業と継続ではどちらがより困難であるか?」というよく知られた問いがあります。この問いにあなたならどう答えるでしょうか?

個人的には、唯一解はないと考えるのですが、それでも企業の命題の一つは継続することだと考えています。

環境が変化する中で企業を継続させるためには、成長意欲のある人材を採用し、自社に関わる全ての人を大切にする人財へと育成することではないかと考えています。

人間を形づくるのは、その人のあり方が9割、やり方が1割と言われます。

やり方に影響を及ぼすのは、その人が持っている知識やスキルでしょう。仮に職務遂行に足りない知識やスキルがあったとしても入社後にいくらでも補うことは可能です。一方で、あり方に影響を及ぼすのは、その人の価値観や人柄となります。個人の価値観や人柄はその人の人生と共にあるものですので、入社後の教育訓練で容易に変えられるものではありません。つまり、採用の際は、その人のあり方をしっかりと見極めることが重要なのです。

どの企業にも経営理念を軸とした仕事観や人材像があり、企業文化や社風があります。新たに人材を採用するときに最も重要なことは、組織文化や社風に合う人物であるか、という点です。企業には多様性豊かな人材が必要ですが、組織文化や社風に合わず、逆に組織を乱す存在が一人でも存在すると事業の継続に良からぬ影響を与えることを私たちは長い歴史のなかで学んできたのです。

これから本格的な就活を迎える24年卒予定の学生にとって、志望する会社を選ぶことは大変な業となるでしょう。その中で忘れてはいけないのは、自身が会社を選ぶと同時に会社から選ばれる自分であるためのあり方をしっかりチェックし、今からでも整える準備を行うことです。

VUCA時代に入ってからのビジネスのトレンドとして、モノからコトへの消費移行があります。コトとは私たち人間の行動とそれに伴う情緒が大事なポイントとなります。これまで以上に人の機微をしっかり受け止めて反応できる職業人が求められるのではないかと思います。相手の機微を受け止める力こそあなたのあり方に宿っていると思います。

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