本当に優秀な人

本当に優秀な人というのは、自分ができないこととできることを知っているものです。つまり、自分の実力を客観的に評価し正しく認識しているのです。

脳科学者の中野信子さんによると、優秀な人というのは、周囲からすぐに褒められます。それで自信過剰になったり、逆に「安心してはいけない」と思うあまりに焦って、ストイックになったりする傾向にあるようです。それでも本当に優秀な人は、自分の能力を、冷厳なまでに正確に把握しているそうです。

皆さんも経験があると思いますが、「自分に何ができるのか」はさておき、「自分に何ができないのか」をきちんと理解し把握することは、とっても難しいことです。そこを本当に優秀な人というのは、自分に対して誠実でクリアなまなざしを持っているのです。それがその人物の人格の魅力となり、人を惹きつけることになるのです。

一体どうしたらそんな人に近づくことができるか…。その解となるヒントは、能力よりも資質ではないかと思います。ズバリ、自己肯定感です。自身の揺るぎない軸として自己肯定感を持っているからこそ、自分のマイネス部分もしっかりと受け止めて、リフレクションや分析を行う。そこから気づきを得て成長に繋げていくことができるのです。

自己分析の前に、自分のポジティブな面とネガティブな面を正確に把握するためにも、「自信」を宿すことを勧めています。

自身の宿し方は、自分の最もネガティブで嫌いな部分、想い出したくもないような出来事を、紙にどんどん書き出していきます。次に、書き出した項目毎に一つひとつ徹底的にポジティブに捉え直していきます。

これは時間もかかるし、精神的にしんどい取り組みですが、ポジティブがあなたの中でしっかり根を張れば、武器となる軸を手に入れることができます。

いきなりたくさんの項目に取り組んでもなかなか大変ですので、まずは一つ、自分の中で最も不寛容と思えるものと対峙してみましょう。自分で決めて、実際に行動に起こすことで、僅かかもしれませんが自律的な自分に気づけるものです。すると自己承認ができます。このサイクルを積み重ねるだけでも自己肯定を高めることに繋がります。

プラス面があればマイナス面もあるのが人間です。この事実を真摯に受け入れる器づくりには、恐らく、そのことが大事であると気づいた年齢と同じだけの時間を必要になるくらいの生涯学習なのかもしれませんが、その価値はコスパやタイパどころじゃなさそうです。

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