就職に力を入れている大学

全国の進学校の進路指導が評価する「就職に力を入れている大学ランキング2023」が発表されました。

多くの受験生が迷うのが志望校選び。そこで頼りになるのがエキスパートの意見だ。全国の進学校2000校に、進路指導教諭おすすめの大学についてアンケートを行った。各項目5校連記で大学を記入してもらい、最初の大学を5ポイント、次の大学を4ポイント…として集計しランキングを作成した。今回は「就職に力を入れている大学ランキング(全国編)」だ。

1位は明治大学で417ポイント。1学年あたり約8000人の学生のニーズに応えるため、気軽に参加できるプログラムから実践的なプログラムまで、多彩なキャリアサポートを展開する大学だ。各キャンパスには大学職員が相談員として常駐し、一人ひとりの学生の相談に対応。個別相談から見えてきた「今」の学生ニーズから、新たな支援行事を職員が手作りで企画するなど、既存のプログラムを変化させながら支援を行っている。また、1、2年次からの「キャリア支援」を重視しているのも特徴で、グループで企業の課題解決に挑む「Meiji Challenge Program」や、3日間以上の就業体験を行う「Meiji Job Trial」など、就職活動の土台になる「社会への認識」を低学年次から養っている。

2位は金沢工業大学で247ポイント。将来の進路を意識した授業を1年次から正課内で実施するなど、「自ら考え行動する技術者」を目指す体系的なカリキュラムを構築している大学だ。米国CCE, Inc.認定のGCDF(キャリア・カウンセラー)を取得したスタッフによる進路相談など、支援体制も充実。同大は教員の5割が企業出身者で構成されており、身近な教員から企業の事業内容や人材ニーズに即したアドバイスが受けられる点も強みだ。インターンシップよりも一歩進んだ就業体験として、学生が企業と雇用契約を結び、給与を受け取りながら参加する「KITコーオプ教育プログラム」という産学協同教育も推進。企業の現場で仕事に従事しながら、理論と実践の両面を効率的に学ぶことが可能だ。

3位は早稲田大学で162ポイント。同大は社会に出て役立つ人材の育成に主眼を置いており、キャリア支援に関しても「教育・研究活動第一主義」を掲げている。大学は学生が人間として成長する場であり、大学生活は職業選択だけを目的とする期間ではない、というのが同大の考えだ。そのため、キャリアセンターでは低年次生に、学内に用意されたあらゆる知的成長の場を紹介することに重点を置いている。就職活動生向けには「キャリア・就活個別相談」や各種キャリア支援イベントを用意。大学公認のインターンシップ「公認プログラムWIN」は、NPO、NGO、マスメディアなど、大学の推薦が必要な場合や、個人での応募が難しい職種での就業体験を通して、キャリアデザインについて考える機会になっている。

4位は法政大学で120ポイント。「自ら考え行動する」自主性を促しつつ、入学から卒業まで、全学生を対象としてキャリア形成をサポートしている。同大ではキャリアセンターが、低学年から受講できるキャリア形成支援科目「キャリアデザイン入門」「キャリアデザイン応用」などを正課科目として開講。自身のキャリア設計や仕事についての理解を深める授業を行っている。教職に関するシンポジウムや教員採用試験に向けた講座などを実施する「教職課程センター」、公務員や法曹を目指す学生を支援する「公務人材育成センター」、会計専門職を目指す学生をバックアップする「高度会計人育成センター」など、専門的職業の支援体制が充実。資格学校との提携により、さまざまな資格講座を受講できる体制も整っている。

5位は九州工業大学で117ポイント。企業と信頼関係を築いている就職担当教員によるサポートと、社会の第一線で活躍する卒業生からのサポートを、就職支援の特色とする大学だ。同大は産業界からの評価が高く、学校推薦で応募できる企業が豊富なことも魅力の一つ。また、学科やコースごとに配置された就職担当教員が、就職希望学生を内定先が決まるまでマンツーマンでサポートするなど、学生の適性と企業のニーズを見極めたマッチングを行っている。さらに、低学年次からのキャリア教育として、工学部は「キャリア形成入門」、情報工学部は「キャリア形成概論」を開講。各業界での実体験のほか、技術的な動向や将来展望についてOB、OGから話を聞くことで、自己適性に合った職業選択につなげている。

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