24年卒 夏のインターンシップ・ワンデー仕事体験調査結果

マイナビから「24年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(8月)」が公表されました。多くの学生は、この夏インターンシップに参加され、就活のスタートを切ったように映りました。一年後の今頃は、就職先も明確に決まって、自身が心から納得して就活を終えることができるよう願っております。

24年卒 の8月末時点での累計参加率は79.5%(前年比5.6pt増)とほぼ8割になっています。また、8月単月での参加割合も72.9%で、7月に比べて29.6pt増となっていました。夏のインターンシップが定着していることが伺えます。

3年生は夏季インターンシップ応募のタイミングから就職活動に当事者意識を強く持たれる傾向にあるようです。インターンシップの体験そのものを事前準備にするタイプと、参加前にある程度自己分析や業界研究を行った上で参加先を決めるタイプに大別できるようです。

参加した日程では、「半日」「1日」が大多数でした。「2~4日」「5日以上」は7月よりも増加していたこともわかりました。夏休みとなり、スケジュール調整がしやすい状況になったことで7月よりも長い期間のプログラムに参加する学生が増えたようです。インターンシップが採用と結ばれつつあることを考えると、大学生活での夏の過ごし方が、質的にも量的にも就活の要の一つとなるのではと思われます。

参加したプログラムについては、WEB、対面ともに7月と同様に「業界・企業・仕事内容の説明」「ガイダンス」が上位だった。この辺りは企業側の改善に期待をしたい。一方で、タイ年で実施されたなかで、「実務体験」「現場社員との座談会・交流会」「会社見学・工場見学」といった実際の仕事や職場体験型のものが7月比べ1.5割以上の増加をした項目があったことは喜ばしく思います。また、期間の長いプログラム参加割合も増加していて、24年卒学生がこの夏に努力をされていたことが伺えます。

インターンシップに参加してギャップを感じたことがあるか尋ねたところ、最も多かった回答は「ギャップはなかった」61.7%で、続いて「どちらかというとよいギャップを感じた」が34.8%でした。

内容について自由記入で尋ねたところ、次のような声があげられていた。

どちらかというとよいギャップを感じることが多かった

  • インターンシップでは社員の方がお客様役を行ってくださり、1対1で営業の体験を行いました。私は営業職のイメージとしてトークが上手で、自分から積極的に話題を提供できるような人が就くイメージがありました。しかし、実際体験してみたり、営業職の社員の方の話を聞いてみると、お客様の話を聞いて、そこから話題を広げていくことが多く、必ずしも話題を提供するスキルがなければいけないということはないのだなと感じました。また、普段は寡黙な人でも仕事では成果を出せる人もいるという話を聞き、自分が想像していた営業職のイメージとギャップを感じました。
  • 私はSler企業のインターンシップに参加し、開発以外の企画・設計の業務を体験する機会がありました。私の当初のSlerに対するイメージは、ただパソコンにひたすら向き合う職業でした。しかし、実際はユーザーのニーズをヒアリングし、整理しながら設計書を作成する工程もあり、コンサルティングに近い業務も数多くありました。そのため、SlerはITの知識や技術だけでなく、コミュニケーション能力や協調性も必要とされていたというギャップを感じました。
  • バックヤードの業務内容について良いギャップを感じました。私は銀行のインターンシップに参加しましたが、インターンシップ前までは主に窓口業務のことしか知りませんでした。インターンシップに参加したことで、キャッシュレス事業拡大の提案も行っていたことがわかりました。決済方法がデジタル化するなかで、銀行側もその流れ対応しており、いままでかんがえていなかったことのなかった銀行の業務に気づくことができました。
  • 商社ということで営業メインのイメージが強く、対話能力や新しい思想を持つ人が多いイメージで、実際にもちろんそのようなスキルも大事だが、そのスキルをつけるための充実した研修制度が設けられていた。また、売り上げがかなり高い額だったため、従業員数もそれ相応に多いと思ったが、少人数であったためチームワーク力や他部署との交流などしやすいのかなと思った。

インターンシップ・ワンデー仕事体験へのイメージ

  • 選考なしのインターンシップに参加しました。社員の方が実際におこなっている業務を体験し、10時から17時のインターンのなかで選考ありの企業よりも深く業務を知ることができた。選考の有無によってインターンシップの内容が、企業についてどこまで深く知れるかが左右されると考えていたが、あまり関係ない企業もあることがギャップを感じた。
  • 気楽に肩の力を抜いてご参加ください、などとインターンの募集要項に書いていましたが信じられず緊張感があるだろうと想像していました。しかし、緊張感を感じながら参加してみると本当に和やかな雰囲気で行われていてギャップを感じました。笑顔が多く他の参加者とも打ちとけやすかったので、グループワークがとてもスムーズに行えました。
  • 特にWebを使ってのインターンシップ・ワンデー使用体験は説明だけではなくグループワークや個人作業の時間があったため、画面を見続けることによる疲れが少なく仕事を知れるという良いギャップを感じた。人事の方や参加される社員の方も優しい印象を受け、発言しやすい環境が作られていることも多いという点でも良かった。
  • 1日体験のイベントであり、選考もなく抽選で通過したインターンシップであったため、簡単な企業説明程度かなと思っていたが、かなり考えられていたグループワークができ、自分の身になったし、対面のインターンに初めて参加し、就活をしている仲間というかライバルにあったことも刺激的だった。

どちらかというと悪いギャップを感じることが多かった

  • 企業によって違うが、いいと思っていた企業が参加してよいと思っていた理由が明確になったということは多かった。しかしギャップとして映るのは悪い方が多い企業で、理由としては説明会やインターンに参加しても大まかな業務の説明しかなく、質問をしても「人柄がよく風通しのいい会社です」としか答えが返ってこなかった。具体的な業務内容や具体的な仕事内容が伝わってこず、「社員がいい人だったので入社しました」など、理念や適性ではない考え方の抽象的な説明だった。そのため、いい雰囲気の会社であるということはわかったがそれ以外が伝わってこなく、「仕事に対する理解」に悪いギャップを感じた。
  • 週休二日制というポスターは事務所や現場にたくさんあったのに、全然二日も休みでない。朝も6時半集合で事前に訊いていた8時半集合とは異なっていた。最初から正直に言えばいいのにとは思った。
  • やはり書いていることだけでなく、社員さんの雰囲気であったり学生に対するコミュニケーションからのギャップで少し「ん?」と思うところがありました。また、企業理念に対する社員さんの考えに触れて行くなかで書いていることと違ったこともありギャップがありました。

規模の大小に限らず、企業も一つの人格を持っていると考えられます。それが社風や組織文化として現れてくるものです。一つですべてを判断することは、コトと次第によっては大きなリスクを背負うことにもなりますが、「一事が万事」という格言もございます。組織の風土文化はそこに属する人々がつくりあげるものです。だからこそ、理念のあくなき実践と同様に磨き高める努力が問われるものです。学生の皆さんはその辺りを観るポイントにされると役に立つのではないかと思います。

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