マイナビ2023年卒大学生活動実態調査(8月)が発表されました。
8月末時点での23年卒の内々定率は前年比4.5pt増の85.8%、平均内々定保有社数は前年比0.3社増の2.5社でした。
7月に引き続き、内々定率・平均内々定保有社数ともに前年比増で推移しています。内々定率は現行の就活スケジュールになった2017年卒以来、過去最高の数値となっています。市場は売り手優勢が続いていることがわかります。


「配属先をどの時点で知りたいと思うか」の質問では、入社前に知りたいと思う学生は86.0%でした。一方で企業が入社前に配属先を濃く利する割合は「勤務地の通知」が60.8%、「職務の内容通知」が57.8%と、学生が希望するタイミングとにギャップが生じていることが分かります。
学生は入社後の自分の働く環境を早く知りたいというニーズを持っているようです。ただ、企業側では、入社後に実施する新入社員研修等の期間を活用して本人の適性の確認や各部署の要望等の調整を経て決めたい旨もある。この点は学生の要望が叶うまでにまだ時間が必要ではないかと思われます。

8月末時点での就職活動に対する納得感を尋ねたところ、7割以上の学生は自分の就活に対して納得している内容でした。(「ある程度納得できる就職活動ができている」(37.1%)と「十分納得できる就職活動ができている」(37.0%)の合計)。
「十分に納得する就職活動ができている」理由としては、「第一志望の企業に内々定をもらえた」というコメントが多く、その他にも「インターンシップに参加したことで志望業種・企業をよく知ることができた」「仕事と自身の専門や取り組んでいる研究との間に連続性が感じられる」といった声が上がっていました。さらに、手堅いところでは、給与や勤務地、福利厚生と言った「入社後の待遇に満足できたから」といった内容もありました。
インターンシップ・ワンデー仕事体験の参加といった事前準備が活発化したことで学生のキャリア観醸成が進み、企業の採用意欲の高まりで内々定率や平均内定保有社数が前年よりも増加した23年卒の就活ではなかっただろうかと思います。ただ、現在も内々手がまだ得られず、焦っている学生や、半ば諦めモードで大学院へ進路を決める学生もおられます。
機会があるたびに話していることですが、一番大事なことは自分自身が心から納得できる結果を迎えることです。
この時期であっても就職先企業を探し採用通知を得ることは可能です。「心が折れる」という表現は私もよく理解できます。しかし就活生にとってはいまではないのです。環境や状況に負けることなく、あなたらしく就活を勧めてください。諦めない気持ちが、次の一歩を踏み出す力になります。