24年卒 採用担当者が詠んだ作品

肌感覚の話ですが、昔と違って、いまは内定を得ても辞退する学生が増えているように感じます。特に今年の傾向として、内定を出しても即辞退という蛙化と思われるケースが目立っているとHR仲間からは聞く頻度が高いように感じます。

先日、就活生の川柳・短歌を紹介しましたが、逆の立場になる24年卒の採用活動に携わった企業の採用担当者による「採用川柳・短歌」の入選作品からも、「蛙化現象」を詠んだ作品がありました。

最優秀賞:内定を 出すまで受ける ラブコール 出した途端に 蛙化現象

学生から「第一志望です! ぜひ御社に入社したいです!」との熱烈なラブコールを受けていたにもかかわらず、内定を出した途端に急に冷められてしまい、挙句の果てには内定も辞退されてしまう。「これまでの面接は何だったんだ!」という作者の悲痛な叫びと行き場のない嘆きが伝わってきます。

「就職は恋愛のようなものだ。出会いは縁であり、相性が大切」などといわれますが、「蛙化現象」まで恋愛と同じとは皮肉な話です。HRに関わるひとりとして他人事とは思えません。やるせない気持ちで後処理をされている情景が浮かびます。

優秀賞:ESを書くのもAI 読むのもAI

佳 作:久々の リアル面接 どこを見て 話せばいいのか 戸惑う二人

佳 作:カタカナと 英語が増えた 採用に 今度はAI よぎる引退

佳 作:採用アカ 実家の猫だけ 「いいね!」つく

佳 作:6月に 入ると辞退の 鬼レンチャン

佳 作:マスクなし 役員面接 久々で 顔面の圧に 人事も戦慄く

佳 作:「質問は?」 「社長の長所 知りたいです」聞かれてしばし 思い浮かばず

佳 作:学生の 熱い視線 その先は 自分じゃなくて プロンプター

佳 作:ESの キーワードのみ 抽出し GPTで 文書チェック

佳 作:失った 青春御社で 取り戻す 画面越しでも 伝わる思い

佳 作:母集団 形成したのに ボツ集団

佳 作:第一志望 その上にあるのは なに志望?

ビジネスは詰まるところ人で決まることがあるものです。企業格差は人材の格差とも言えます。だからこそ、どの企業も血眼になって、自社の将来を託せる人材を探しているのです。

少子化による採用難が深刻化している昨今。企業が学生を選ぶ時代から、学生に選ばれるにはどうすればいいのかを考えなければいけない時代になっています。

8月24日は、新・経営の神様と言われた京セラを創業された稲盛和夫さんの一周忌でした。稲盛さんを偲ぶ企画が幾つもございましたが、触れられた方もおられたのではないでしょうか。

稲盛さんが残した教えは数多くありますが、採用担当者にも就活生にも気づきと学びがある言葉を紹介します。

人は金銭のためでなく、名誉のためでなく、権勢欲のためでなく、

真心によって突き動かされた時にこそ、

どんな困難にも負けることなく、最大の力を発揮して立ち向かうことができる

稲盛和夫

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