自己変容のヒント

私たちは、面倒なことはやりたがらず「このままでいいや」としてしまう、イナーシャ(Inertia慣性)と言われるバイアスを持っています。もちろん個人差はありますが、基本的にはあなたにも私にもあるものです。

「このままでいいや」という判断を少なくするために知っておきたいことは、人間は損失回避と現在志向バイアスを持ち合わせていることです。

損失回避(Loss Aversion)とは、私たちは、プラスの感情値より、マイナスの感情値のほうが大なのです。例えば、道で千円札を拾った喜びよりも、千円札を落としたときのショックのほうが大きいということです。〇〇ペイといった電子決済が一般化したこともあり最近は滅多に遭遇しないかも知れません。

現在志向バイアス(Present Bias)とは、私たちは「今この瞬間」に重点を置く傾向が強いということです。これは日常生活のいたるところで見られます。例えば、ダイエットをして理想的で健康的な体系を手に入れようと意気込んで始めても、目の前に美味しそうなケーキを差し出されると、つい手を伸ばしてしまう、というものです。つまり、今すぐ得られる喜びを優先する意思決定と行動です。

「このままでいいや」を意志の力で改善しようとする方を見聞きすることがありますが、自分の意志の力を過信することは、欲しい結果を得ることから遠ざけることを理解しておきたいものです。

めんどくさがり屋さんのパターンとして、「損or徳」を軸にした思考と判断が多いように思います。なので、思考と判断の軸を変えて見ることが一案です。例えば、「善or悪」、「成長or怠惰」などがあなたも浮かんできたのではないでしょうか。

さらに、これは、行動一つひとつにこだわりが強い傾向があるめんどくさがり屋さんは、何かをするときに、その行動をすることにはどんな理由や意味があるのか、常に考えていたいものなのです。なので、「とりあえず前回の会議で決まったことだからやろう」、「以前からこうするが決まっているから」などと言われても、納得できていないので嫌がる傾向が強いのです。つまり、やる理由や意味が不明確なものには明らかにやる気がなく、ダラダラと行動する傾向があります。

自分はめんどくさがり屋なのかをチェックする9つの特徴

  1. 身なりがだらしない
  2. 「まあいいか」や「明日やる」が口癖
  3. 明確な目的や目標がない
  4. 飽き性で継続することが苦手
  5. マイペースで時間にルーズ
  6. 休日は自宅からあまり出ない
  7. おおざっぱで仕事や作業が雑
  8. やるべきことを後回しにしがち
  9. 趣味が少ない

めんどくさがり屋さんは、相手を怒らせよう、困らせようとしているわけではありません。どちらかというと、「面倒だから嫌だ」といった口癖が多いこともあり、周りから手のかかる存在だと思われていることが多いのではないでしょうか。

めんどくさがり屋さんにもたくさんの長所があります。例えば、仕事を効率的にする、小さなことを気にしないで、人のミスに寛容、細かいことで悩まず、割り切れることができる、物事をシンプルに考えることができるなどです。

イナーシャ(Inertia慣性)を改善するには、小さな問題点を見つけて、その課題解決の行動を習慣化することです。例えば、めんどくさがり屋さんの特徴として、「身なりがだらしない」とか、「まあいいか」「明日やる」が口癖になっていることがあります。

自分の身だしなみを整えることさえも面倒と考える傾向が強いのです。シワが刻み込まれたようなシャツを平気で着ていたり、寝癖がついたままの髪形で出かけることにも気を止めないのです。つまり、清潔感がなく、見た目がだらしないのです。そこを行動変容で改善するのですから、プレスをしてあるシャツ以外は袖を通さない(着用しない)行動を積み習慣化するまで続けるのです。そして習慣化が自覚できたら自分に小さなご褒美をするのです。また、起床したら一直線にシャワーを浴びで前進を目覚めさせ、髪はドライヤーでちゃんとセットをする行動を積み習慣化するまで続けるのです。そして習慣化が自覚できたら自分に小さなご褒美をするのです。

これは研究成果として明らかになっているのですが、ある行動を一貫した環境で何度も繰り返し(または訓練し)、その度に何らかの良い結果が得られれば、身体が勝手に動くようになることが多いのです。

デュヒッグによって有名になった例で、歯磨き粉業界は、「歯を磨く」という行動に爽快な「ミントの香り」を結びつける巧妙な戦略によって、消費者が毎朝洗面台の前に立ったときにその香りを嗅ぎたくなるように仕向け、歯磨きを習慣化させることに成功したのです。

ですが残念ながら、新しい習慣を身につけるのは言うほど簡単ではありません。あなたもこれまでの人生で体験済みかと思います。望ましい行動を取った自分に報酬を与え、意志力がなくても正しく選択できるようになるまでリピートし続ける戦略は、うまくいくことはあるものの、そうならないときもあることを理解しておくことが必要です。

だからこそ、私は「自分の可能性を信じ切る」ことができる資質を持つことをお勧めしているのです。自信とは、何かができるとか、何かを身につけているからではなく、「やればできる」という自分の力で未来の結果をつくり出せることを信じることではないかと思うのです。

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