マーケティングに役立つ情報を調査・分析する株式会社Mstaから、学歴によって将来のキャリアの満足度は変わるのか、就職や転職を経験した人がどんなことに後悔しているのかなど、就活についての調査(10代~40代の全国の男女n=500)結果から、就職・転職のリアルが浮かんできました。
入社した企業に満足していますか?
質問に「いいえ」と答えた人の割合は48.0%でした。およそ2人に1人が入社した企業に満足していないというちょっと驚きの結果でした。
当調査と回答者の入社後の経過期間の長短が不明なので一括りにして捉えることは難しい側面もあるとは思いますが、懸命に就活をして入社したであろう結果に満足できていないことはとても残念に思います。

入社した企業に満足していない理由は?
そこで、なぜ満足していないのか?を聞いたところ、1位が「給与・ポジションが低い」28.2%、2位が「残業が多い・勤務時間が長い」11.7%、3位が「上司との相性が合わない」11.6%の小委3つで全体の半分以上を占めている結果となっていました。
これから就活を取り組む際には、反面教師としてここで挙がった3点をチェックすることで自分とよりマッチ度の高い企業を見つけることができるのではないかと思います。

最終学歴と希望の業界に入社できたと答えた人の割合
ここでは、「最終学歴」と「希望の業界に入社できたか」を調査し、「最終学歴」別に「希望の業界に入社できた」と答えた人の割合を算出されていました。
大学院卒 81.3%、高専卒 75.0%、専門学校卒 74.1%と「専門性の高い最終学歴」の人が、14.5%以上高い割合で、希望の業界に入社できたと答えていました。
この結果から、早い時期からやりたいことを見つけて、専門分野を学ぶ環境を持つことで、自分が積むキャリアの満足度を高めることにつながる道筋が見えてきます。

希望の業界に入社できたかどうかと平均偏差値
前述したように2人に1人が就活に失敗感を持っていることが明らかになった当調査ですが、さらに、学歴社会と言われるなか、大学の偏差値は入社したい業界に入れるかどうかに影響するのか?についても、「大卒」、「大学院卒」と答えた人(n=322)の「入社した企業は希望の業界であったか」と大学の偏差値との相関関係で調査していました。
結果、入社した企業は希望の業界であった人は、そうでない人に比べて、平均偏差値が1.9pt高いという結果になっていました。
これは、偏差値が高い方が、将来の選択肢が広がることを示すことになると思われます。ですが1.9ptという数値は個人的には僅かな差でしかないと考えます。確かに現社会では学歴が優位に働くことがあることは事実です。しかし、学歴だけですべてが決まるようなことはあってはならないですし、経験上そんなことは特殊な職種/職能以外では無いと言い切れると思います。つまり、学歴社会と言われているが、キャリア形成には大きな影響を及ぼすものではないのです。

就活・転職の際の後悔には何が当てはまりますか?
既に就活を体験した社会人は、就活や転職のどんなことに後悔を感じているのかを尋ねたところ、1位が「やりたいことが曖昧だった」27.8%、2位が「自己分析が不十分だった」19.5%、3位が「企業分析をもっとすればよかった」21.2%という結果となっていました。

上位にあげられた項目は、就活準備として必須なものばかりです。想像でしかありませんが、当事者として取り組んでいるときは自分なりにやった、つもりになっていたのかも知れません。つまり、振り返ってみるともっとできたし、やっておけばよかった、といった公開ではないかと推察します。当初から手抜きをしているとしては自業自得です。人材不足を背景に新卒でも既卒でも売り手有利な市場であることは間違いありませんが、どんな企業でも求める人材像があります。そのなかに誰でもいい!的な表現はまずないのが一般的な認識ではないでしょうか。