初動が遅いと

内定獲得を目的とした就活のまずいところに、複数社の内定をもらうことが少なくない近年の傾向では、進路とする1社を決められないことです。つまり選択を判断することに悩むのです。

先日ある大学に訪問した際に25年卒の状況をお聞きしたところ、1人で5~6社から内定を得ている学生も少なくなく、全体としても順調に進んでいる様子であると伺いました。

新卒の採用については、人手不足の背景から企業の採用意欲が堅調であることで、売り手市場となっています。24年卒の求人倍率は1.71倍と23年卒の1.58倍より0.13pt上昇し、コロナ禍前の水準に戻っています。内定率についても22年卒、23年卒に比べ6月以降の数値が大きく上昇しています。

24年卒の7月時点での平均内定数が2.94社で過去最高レベルでしたが、25年卒も昨年と同様か少し伸びる期待もありそうです。

ただ、コロナ禍が一段落した現在も就活の二極化ははっきり表れていいます。たとえば、早めに動き始めて多くの内定を獲得する群と、流れに乗り切れずに苦戦する群にわかれています。売り手市場といいながら、7月に入っても未内定の就活生が一定数存在するのが近年の就活事情です。

なかには懸命に工夫と努力をしながらも厳しい状況に立たされている就活生もおられますが、多くの場合、その原因になっていると思われるのが売り手市場・学生有利といった情報を安易に鵜呑みにて、初動がおそかったことが顕著に表れています。

現在政府が示している就職・採用活動の日程ルールでは、大学3年生の3月1日以降に広報活動開始(応募受付)、4年生の6月1日以降に採用選考活動開始(内々定出し)、10月1日以降に正式な内定という流れになっています。

しかし、現実の世界ではこのスケジュール通りに動いている企業はほんの一部であり、会社説明会やインターンシップなどと言った様々な機会を通して、企業と学生の接触は早くから行われているのが実情です。

大学卒業後はどこかに就職を考えているのであれば、前述した実情を「全く知らない」といった学生はいないと思うのです。もしいたとしたら、それはそれで、別の心配が必要かと思います。

ここまでが今日お伝えしたいことのベースです。

目の前のやるべきことを後回しにする人って、学生にもいるでしょう。残念ながら職業人にも少なからずいるのです。そういう人の多くが「面倒くさがり」であること思います。「やる力」があり、「やらなければ」と自分でも考えているのに、行動を起こさないのです。ビジネスの世界では「怠け者」と評価されます。ちょっと刺激ある話しを続けると、新入社員でそう評価を受けたら、10人中9人は、その会社で長く勤めることは難しくなると、経験則ですが考えています。ビジネスの世界には「怠け者」の居場所はないことを知っておいた方がいいでしょう。

多くの仕事は「面倒くさいこと」が複雑に絡まっているものです。

自分でやれない、あるいは自分でやるのが面倒だから、お客さんや経営者は仕事を与えてくれ、代金を払ってくれるのです。つまり、仕事の本質って、お客さんの「困ったこと」や「やりたくないこと」があるのです。ですから、依頼を受け仕事をする側の者が面倒くさがりでは話にならないのです。

お金をいただいて働くということは、たとえ面倒だと思っても何とかやり続け成果が出るまで頑張ることができるかどうかで、その人の価値が決まります。もちろん時にはマイナスとなる成果もあるものです。しかしそうした人たちがいる組織は、事実からしっかり学習を積む文化を持っています。ですからプラスに転換する組織力があるのです。一方で、「面倒くさいから、やらなくていいや」と物事を後回しにするクセを持つ人は、資質として怠け者体質アリと評価を受けるとしだいに仕事がなくなりついには居場所すら失うことになるのです。

就活に唯一解はありませんが、避けた方がいい選択というものはいくつかあります。その一つが症候群であっても「怠け者」群と評価されないことです。「いつ頃から就職活動の準備をされましたか、そのきっかけはどういうことでしたか?」といった質問を面接で受けたことがありませんでしたでしょうか? 初動が早いか遅いかだけではなく、動機は主体的意思決定に基づいているか否かをヒアリングすることができるのです。

ここで要注意事項は、過去の行動やその意図などを訊かれたときに「ウソ」を答えてしまうことです。仮にそれで入社をしたら、後々非常に不幸なことが起きると覚悟をしておいた方がいいでしょう。ですので、事実を述べた上で、今では〇〇と考えていますので□□の判断/行動をします・・・、というように応答するといいでしょう。

それでも評価をするのは面接官なり企業側ですので、「怠け者」と判を押されてしまったときは、潔く過去の自分を一旦受け入れ、そこから自分で自分を再教育するしかないのかも知れません。

6月も下旬となり、未内定の学生は不安や心配が日に日に重たく感じるようになっているかも知れません。ですが、焦っても上手くはいきませんので、ここは落ち着いて一歩一歩しっかり進んで参りましょう。

就活には目的と戦略がセットで必須なのですが、あなたにはちゃんとあるでしょうか? もしそこが不明確ならそこを埋めましょう。それと、就活もビジネス同様PDCAサイクルが大切です。就活というタスクの具体化、詳細化をしていますか? もしこの点が怪しいのならキャリアセンター等で相談することがいいでしょう。 もちろん私たちaoLabでも相談を賜っています。

関連記事一覧

TOP
TOP