新卒者採用活動についての調査資料を読んでみると、人事が評価する就活生像が見えてくる。昨年のHR総研の調査から人事が高く評価する学生のポイントでは、「自分の言葉」「明るさ」「笑顔」「素直さ」「柔軟性」「明確」「ロジカル」「的確さ」「やる気」「はきはき」「はっきり」「前向き」「簡潔」「意欲的」「自主性」「積極的」「礼儀正しい」といった言葉を人事担当者が使っていることがわかる。
これは就活生の人柄を把握するために人事担当者は、前述した言葉をキーワードにて面接時のやりとりをチェックしているということでもある。そのようなキーワードから見えてくる面接官受けする人物像としては、「人としていい人で、一生の友だちとして関係を続けたい」と思える人、と思うのだがどうだろうか。
面接で大事なことって
面接対策として「自己分析」「志望動機」「ガクチカ」「自分軸」などの言語化に取り組む就活生は多い。もちろんこれらは重要なことです。ただ、言葉を磨いてもその内容に実が存在するのか否かについては案外意識が向かないままに言葉ばかりを磨いてきた!と思えるような場面も少なくない。相手は人事のプロである、聞いた話に実があるのかないのかくらいのことはその場で判断できるものなのです。
3月半ばとなると既に数社の面接を終えた人もおられるだろうが、面接時には会話のやりとり(キャッチボール)を明瞭な声でしっかり行うことを心がけて欲しい。面接では、「質問を正しく理解しているか」と「回答はわかりやすいか」の2点をかなり重く採点していることが多い。これは前述したキーワードにもある通り、回答が、正解なのか、知性のある内容なのか、と言いた回答の内容よりも、回答者の態度や姿勢といったものをしっかり観察し、採点をしているということです。
また、コロナ禍が続く中での採用活でもあるので、従来の感覚で「ガクチカ」を扱う企業はほとんどないといってもいいでしょう。それでも、4年という時間の中で、どんな考えや意図があって何を行ったのかについては、あなたを知り、選考の判断行うためには聞いておきたい話です。
模範解答のような回答はNG
近年はあまり見かけなくはなりましたが、それでもESや面接での問いに対する回答では、何処かで読んだか聞いた覚えのあるような模範解答で回答する学生がおられます。採用側の方針にもよりますが、これは残念な結果を招く大きな要因になります。
採用側は応募者のコミュニケーション能力を確認したいのです。誰かがつくった形だけの言葉ではなく、自分で考え自分の言葉でコミュニケーション(回答)を行わないと、後悔だけが残るのが関の山です。
コミュニケーション力は説得力や納得性といった要素がありますので、少し自信のない人は模範解答に依存してしまいがちです。説得力も納得性もある大事な要素ではありますが、最も大切なものは共感です。小難しい言葉を並べても、それが自分の言葉ではなく前述した模範解答だとしたら、面接官と共感を共有するとは難しいのです。
就活生の皆さん、あなた自身の可能性と価値を信じて、あなたの未来のために、就活を楽しみながら進んで参りましょう。