いざ尋常に就活を

12日後は3月ですね。企業側の採用活動が解禁となり、24年卒の就職活動が本格的になります。

現在の小学校を昔は尋常小学校といわれていました。明治19年小学校令により設置され、昭和16年の国民学校令まで続いた名称です。

尋常を調べてみると、① 特別ではなく、普通であること。また、そのさま。あたりまえ。② 見苦しくないこと。目立たず上品なこと。また、そのさま。しとやか。③ 態度が潔いこと。素直なこと。また、そのさま。④ りっぱなこと。優れていること。また、そのさま。とあります。

現代でも通じる活学を残された安岡正篤先生は、

いかなる戦場に望んでも平常どおり、少しも変らぬ戦いをしたいと、昔の武士は「いざ尋常に勝負」と言ったものです。

青年の大成

と残されています。

就活を行う当事者にとっては、まさに正念場を迎えるときであり、試験や面接の場面はそれこそ戦場に立つ心持にもなるのではないかと思います。ですので、毎年就活期を迎えた学生とコミュニケーションを取る際に、就活に望む心得や姿勢としてだけではなく、心からのエールを込めて、「尋常に就活を楽しんで」とお伝えしています。

その真意は、どんな境遇に接しても平常心を失わずに自分の可能性を信じて進むこと、加えて同じやるならトコトン楽しみながら進むことです。

これは就活だけではなく、ビジネスパーソンの心得としても大切なものと考えていて、新入社員や若年者を対象にした研修でお決まりの台詞のように使っていました。

禍福は糾える縄の如し【かふくは あざなえる なわのごとし】と読みます。

禍は災いのことです。コロナ禍でおなじみとなった字です。福は幸福・幸せのことです。縄は二本の藁の束をより合わせるように交互に絡み合わせるので表裏ができます。糾うは縄をなうことをいいます。

つまり、災いが福になり、福が災いのもとになったりして、幸不幸は縄をより合わせたように表裏をなすものとなります。

就活を進めている中で、この諺を思い出していただくと、多くの方が体験するネガティブな感情も少しは和らぐのではないかと思います。

就活ですべてが決まるわけではありません。ですが、就活は、学びや成長のタネがたくさんあり、人生という畑で大きく実りをもたらしてくれる体験でもあり得ます。

同じやるなら楽しくしていると、不思議なことに誰かが声をかけてくれたり、手を差しのべてくれたりすることがあるものです。ポジティブマインドで歩んで参りましょう!

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