業界・企業研究を進めるなかで、経団連が2018年発表した「企業が先行で重視する資質」に触れた人もおられるでしょう。因みにトップ5は以下の通りです。
- 1位 コミュニケーション能力 82.7%
- 2位 主体性 64.3%
- 3位 チャレンジ精神 48.9%
- 4位 協調性 47.0%
- 5位 誠実性 43.3%
1位のコミュニケーション能力は確か16年連続の1位で、就活文脈での企業が重視する資質といえば「コミュ力」と周知されていた情報です。
自己PRの整理、ES作成、面接対応などにこの情報を参考にされる学生が多いと思います。少し前に書かれた参考書籍では頻繁に使われていたデータの一つですが、さすがに2018年はコロナ禍前の情報であり、フレッシュな情報とはいえません。
24年卒の皆さんが就活に活かす情報として注目しておきたいデータとしては、22年1月に経団連から発表された「採用の観点から大卒者に特に期待する資質・能力・知識」の情報です。
資質としては、回答企業の約8割が「主体性」「チームワーク・リーダーシップ・協調性」を挙げ、人生100年時代を迎え「学び続ける力」と回答した企業も4割近くになっていました。
期待する能力としては、「課題設定・解決能力」、「論理的思考力」、「創造力」が上位となりました。いずれもSociety5.0(過日ご紹介しました)において求められる能力として、産学協議会で認識が一致したものです。
知識としては、「文系・理系の枠を超えた知識・教養」が最も多く、リベラルアーツ教育や文理融合教育を重視した教育の実践が重視しされていて、専門教育の重要性にも認識が集まっていました。
今回ご紹介した情報は、昨年大きく見直しされたインターンシップにおける新ルールに関連したものと捉えておくとよいでしょう。
ただし、18年の情報が全く役に立たないなといいたいのではありません。むしろ今の時代、ビジネスマンとしても組織の一員としても大事な資質であることに変わりありません。
ただ、情報社会に生きる私たちは日々更新される膨大な情報から、自分に関わりあるものについては、自らの手でアンテナを立て、アップデートする習慣を持つことが大切なことです。今や大人のマナーといってもいいでしょう。
企業が求める人材像の詳細として資質・能力・知識の情報をアップデートした後は、あなた自身の価値観(興味関心の軸、モチベーションの源泉)と照らし合わせて、あなたはどんな業界・企業とマッチング指数が高いかをチェックすることをお勧めします。この指数が高いと、ファーストキャリアで同期よりも頭一つ飛び抜ける可能アリと期待できます。一方で憧れや人気度優先で決めてしまうと、指数が低い分入社後に苦労をされることが予想されますので要注意となります。
あなたとのマッチング指数を見極める一つとしてお勧めするモノサシ(見極めツール)としてモチベーションがあります。モチベーションの源泉を4つのタイプで捉えてみて、企業とあなた自身を照らし合わせてみるのです。
4つのタイプは「どこでやるかタイプ」「何をやるかタイプ」「誰とやるかタイプ」「どうやるかタイプ」です。さて、あなたのモチベーションはどのタイプでしょう?
タイプは一つだけではないかも知れません。ですから、より複合的総合的に検討をすることも大切なことです。面倒くさがらず取り組んでみてください。