23年卒 最も苦労したこと

クルートの調査によると、12月1日時点における23年卒の就職内定率は94.0%で、22年卒の同じ時期よりも1.2pt低いものの、概ねコロナ禍前の水準で推移しているとのことです。一方で、現在も就活を継続している学生は4.8%おられます。採用人数が予定数を満たしておらず現在も募集を続けている企業も少なくない状況のようです。せっかく入社してもミスマッチであった場合、自分にも企業にも良い結果が生まれませんので、焦らず堅実に就活を進めることがミスマッチを防ぐ策でしょう。

23年卒に就活を振り返ってもらい、「就活で最も苦労したこと」について尋ねたところ、次のような回答が上位に挙がったとのことです。

2位の対面面接を受けると僅差ではありましたが、1位は自己分析でした。

自己分析は、学校の勉強と異なり正解がないものです。ある種、やればやるほど深くて広いものです。ほどんどの学生が、就活を機に初めて自己分析に取り組んだ人でしょうから、悩み、苦労するは当然と言えるのです。

あおもりHRラボでは、自己分析はできるだけ早い段階から取り組むことを勧めていいますが、残念ながら1・2生には、まだまだ当事者意識を持っていただくまでに至っていないのが現実です。

就職活動では自己分析で認知されていますが、もう少し枠を広げると自己認識(Self-awareness)のことで、これは社会人になってからもとっても重要なものです。私は、キャリアで成功をしたいのならば、自己認識を高めることが必須であると説く一人です。

『Insight(インサイト)』の著者ターシャ・ユーリックは、「自分をどれくらい知っているか?」の問いについての研究で、95%の人は「自分のことを理解している」と考えている。しかし、実際の理解度は10~15%に過ぎない、と言及しています。自己分析で苦労するのも当然かもしれません。

ターシャ・ユーリックは、自分自身を知る、ということは21世紀に必要なメタスキルで、今日の世界には欠かせない能力だ、とも語っています。

リーダーシップ、組織開発を専門にする私も、ターシャ・ユーリックの考えに同意していて、研修やワークショップのなかでも取り入れております。

年末年始の時間で1年を振り返り新年の計画を考察する際に、お勧めの一冊です。

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