昨日も触れた日本国内の18~65歳の働く人1000人を対象に仕事観に関する意識調査結果の続きです。
全世代に、現在のワークとライフの優先順位の問いに対しては、全体では1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」となっていました。
世代別に見ると、20代は1位「家庭」、2位「趣味」、3位「仕事」、4位「スキルアップ」となりました。一方で40代~60台に20年前の優先順位を尋ねたところ、1位「仕事」、2位「趣味」、3位「家庭」、4位「スキルアップ」と並びました。
かつて「働きバチ」といわれた働く日本人でしたが、仕事優先から家庭優先へと価値観が転換していることが明らかに示されたように感じます。
また、女性が管理職についている企業に努めている割合はおよそ半数の51.7%で、管理職における女性の比率は24.8%に留まっていることが分かりました。この点についてはメディアなどでも課題として取り上げられてはいますが、日本のビジネス界全体で捉えると、牛の歩み程のスピードのように感じています。日本のビジネス界も時代と共に随分改善や改革が進んできた20年ではありました。しかしながら、制度や仕組みに偏ったもので、組織文化が時代に追い付いていないことがネックではないかと思われます。
調査のなかでは、20年前と比べて日本の企業カルチャーに変化を感じていると回答したのは78.4%で、約8割の働く人が変化を感じていることが分かりました。その変化のTOP3は、1位「長時間労働が当たり前だという価値観が薄れてきた」45.8%、2位「ライフワークバランスを重視されるようになった」40.4%、3位「休暇を取ることが柔軟になった」39.0%でした。特に生活面への変化を感じているように思われます。優先順位1位である「家庭」との釣り合いがとれた形となっているようにも伺えます。
企業カルチャーに変化を感じている人に、「仕事に対する価値観を含めた企業カルチャーの変化は、自身御勤め先のビジネスにどのような影響を与えていると思うか」と尋ねたところ、83.5%が「ポジティブな影響を与えている」と回答をしていました。
美辞麗句で外からパッと見えるところばかりを整えるのではなく、内側をしっかり鍛えることが大切であることは、健康管理と同様ではないかと思うのです。健康で健やかにワークとライフを存分に力を発揮するためにも内側を鍛えることを疎かにしたくはないものです。
ライフワークバランスが大事といわれるようになって久しいが、当初から少しだけ違和感を感じていた言葉でもあります。
まず、ライフワークバランスが大事ということ自体に意義はありません。あくまで個人の考えですが、人生は一度限りであり、そこに妙な仕切りを意識するよりも、JOB(ワークではなくジョブと考えています)とLIFEを合わせて自分の人生であり、その人生のなかでのキャリアと捉えると、人生観と仕事観に一貫性を保つことも容易でスッキリするのではなかと思うのです。この辺りのことは、就活を始める前、できれば大学1年から2年生までの間に自分の考えを整えておくことが大事なことではないかと思います。