面接に関連する話題が続きました。今回は24年卒の学生を対象に行われた面接に関わるアンケート結果をご紹介します。
近年の就活では、面接でガクチカをアピールする学生が多い傾向でした。一方、コロナ禍が長期化することによって、サークル、アルバイト、ボランティア、留学などの活動機会が得にくくなり、ガクチカで話せることがない、といった学生の声も少なくありませんでした。
現在就職活動、真っ只中である24年卒は面接でどのようなことをアピールしたいと考えているのか調査したところ、最も大方回答は「協調性」、続いて「コミュニケーション能力」、次に「論理的思考力」となっていました。
面接で自身をもって話せること、を尋ねた質問についての回答は多い順に、①アルバイト・サークルなどの経験、②学生時代に力を入れたこと、③学生時代に価値観が変化した経験、④ゼミ・研究会のテーマ、⑤どのような社会人になりたいか、と続きました。
逆質問で質問したいこと、を尋ねた質問についての回答は多い順に、①働く環境に関すること、②どのような社員が活躍しているか、③会社が新入社員・若手社員に期待すること、④会社がどのような報告制を目指しているか、⑤研修や移動など、キャリア形成に関すること、と続きました。
調査結果を見て思うところは、アピールしたいことと、自信をもって話せることがちゃんとつながっているかどうかです。アピールしたいことが自信をもって話せることではないとしたら、面接の機会で話すことを控えた方がいいのではないかと思うのです。
面接は、あなたと企業のお見合いです。どちらか一方の独演会ではありませんので、話したいことよりも、面接官が訊きたことを伝えることを優先しなければなりません。だからと言って嘘をつけと言っているのではありません。あなたが志望する企業が必要とする人材像を把握したうえで、自分自身の売りや武器となる点をしっかりプレゼンテーションすることが大事なポイントなのです。
自身をもって話せることの解に志望理由がありますが、この項目が上位になっていないことに、この調査に回答したのは本当に24年卒の就活生なのだろうか?と疑問を持ったくらいです。
はっきり申し上げることができることは、就職活動では、限られた時間の中で行われる面接が合否を決める重要な関門となります。
面接は、就活生にとってだけではなく企業側にとっても重要イベントなのです。そうなると、失敗を侵したくないと思うのが人間です。でも人間だからこそ、時には失敗もあるのです。それも経験であり、成長には必要なものです。採用担当者はプロですのでその点をよく理解して評価しています。
問題は、失敗と自覚できないようなミスを犯してしまうことです。ちょっと調べていたらわかることを逆質問で尋ねてみたり、言葉を知っている程度なのに知見見識があるように振る舞ったりすることには、面接官は見逃すことはしないのです。
能力やスキルなど見える化できるものは、入社後に不足分を補うことが充分できうる内容ですが、人間の資質はそうはいきません。どの企業も自社の未来を担う人財を求めていますので、個人の人柄や特性といった側面をスルーされることはまずありえないのが面接だと考え、しっかり準備と対策を進めて行きましょう。