ESや面接で頻出する「ガクチカ」ですが、この問いの焦点が学生と企業で少しずれているのでは?ということを何度かここでも述べています。
学生時代に何をしたか、と捉えている学生が少なくないように思います。その“何を”にフォーカスしすぎるため、たとえば全国や県レベルで1位を取ったとか、長期の海外留学をした、TOEICで高得点を取ったなどと言った、キラキラした体験がないことに不安を持つ学生もおられます。
しかし、一般的な学生は、キラキラした体験をすること自体が稀ではないかと思うのです。極めて普通な学生生活を過ごしているなかで、少しでも自分がキラキラするであろう“何”を探すのは難易度が高くなるのではないでしょうか。
対策としては、新卒採用を行う企業側の視点でガクチカを問う意図を考えてみることが大切です。あなたからの回答からどんなことを知りたいのかを把握することです。
私たちは無意識にしている行動も少なくないですが、意図した目的や目標があって取り組んでいりことも幾つかあるものです。そこにフォーカスして見ることが今回お勧めする対策の一つです。できれば、その行動があなたの強みや志望動機とつながるものであればいいネタとなるでしょう。
企業側がガクチカで知りたいのは、あなたが何をしたかという結果よりも、どうやって行動したかという過程とその行動に至った想いの部分に比重があるのです。
企業側が回答から得たいことは、その人の人的資質に関心を寄せているからです。ですから、キラキラとは逆の地味な活動と思えるものでも、あなたのお人柄をしっかり伝えることは可能なのです。
ガクチカを考える際のポイントは、一人でこもるだけではなく、あなたをよく知っているご両親や親友、先生などの力を借りることもポイントです。
まずは、これまでにあなたが取り組んできたことについて、①しっかり整理して、②自分で気づいたアピールポイントを書き出す、③ここまでで一度自力でガクチカを組み立てる、④あなたをよく知る人に③を聞いてもらい、自分では気づいていない点をフィードバックしていただく、⑤フィードバックをもとに、③をブラッシュアップして完成させる。この流れに沿って作り上げてみて下さい。
先述したように、極めて普通の学生生活を通して、聞いた人が驚くような経験をする学生は僅かに存在するだけです。多くの学生は学業・部活/サークル・アルバイトで、体験の多くが似たり寄ったりなのが普通ではないでしょうか。
大切なことは、何をしたのかより、その経験を通して「どんな学びを得て、その経験をどのように活かしているか」なのです。
ガクチカは、あなたの人間的資質をしっかり伝えることができる文脈であることに留意して構築するといいでしょう。あなた固有の経験をあなたの言葉で言語化して、あなたをよく知る心友に聴いてもらいましょう。その後しっかりフィードバックをもらうことも忘れずに。そうやって何度かブラッシュアップを行うことが、ガクチカ作成のミソです。
ガクチカについては各所から多くの対策情報が出ていますので、自分にしっくり馴染むノウハウを活用されることが一番いいと思います。今回のアイディアがお役に立てれば幸いです。