立春が過ぎて少しずつ春の話題が増えてきますね。雪国に暮らす者としては、何よりも待ち遠しいものが春と答える方も少なくないでしょう。とはいえまだ肌寒い日もあり三寒四温が続きそうです。
就活に励む学生は文字通り青春時代を過ごされています。最近の耳学なのですが、春は青と関係が深いとのことで、青い色のものを身に付けたり小物を青色にすると、体も整い気持ちも高揚すると考えられているそうです。青春は若年期の人のものではありません。常に成長しようとする心意気を示すものでもあるのです。人生100年時代といわれるずっと以前からこの国には「60の手習い」という言葉がありました。自分の人生の時間枠を捉えて、計画的に新しい学びや成長に挑戦する生き様は、青春と呼ぶに相応しいのではないかと思います。精神的な成長はあなたの心意気でグングン伸びるのです。「いまここ」の視点と視座を高めて参りましょう。
面接の場面では、意思疎通がしっかり行われることがとっても大切です。この点に異論を持つ人はおられないかと思います。
四六時中ではありませんが仕事を通して、学生と交流機会を一般的な企業人よりは多く持っていると自負しています。その多くは、有意義で楽しい時間となるのですが、時々そうではないこともあります。
互いに同じ言語を使いながらも意図することが正しく伝わっていない、と感じるモヤモヤです。当然ですが、私の言語を正しく操る力もソコソコ程度ですので、その力の向上の必要性は承知しております。そこで考えたことが、日本語を正しく使うことが、意思疎通や志向理解の解決策だということです。
ある学者は、「私は意思疎通の道具としての言語は、船のようなものだと考えています。本来、船そのものに加え、船が進むその先を見るべきなのに、すでに船が通過した水面の泡のほうを見てしまいがちです。誤解がつのり、意思疎通ができないのは当然ではないでしょうか?」と残しています。
母語である日本語は美しいとか優れている云々ではなく、正しく言葉を操れてこそ、他者と緻密なコミュニケーションが可能となり、相互理解も深められると思うのです。
この時代に青春期を謳歌されているZ世代に期待を込めて申し上げたいことは、就職活動を機に普段何気なく受発信している言葉をリフレクションしてみることです。 ちょっと難しい話かもしれませんが、意思疎通をしっかり行うためには、超能力も魔法も使えない私たちは、まず発信する言葉に意識を向け正しい言葉を使うことです。加えて、相手が出すシグナルを敏感に受け取ることも大事だと思うのです。
最後に正しい日本語を操るという視点からいくつかの例を紹介しておきます。
- 会うのは初めてですね。 → お初にお目にかかります。
- 会えてうれしいです。 → お目にかかれて光栄です。
- お久しぶりです。 → ご無沙汰しております。
- 〇〇してください。 → 〇〇願えないでしょうか。
- こちらの都合ですみませんが、 → 誠に勝手なお願いでございますが、
- 手伝って欲しいのだけれど、 → お力添えくださいますでしょうか、
- すごく感謝いたします。 → 厚く御礼申し上げます。
- 教えてくれて、ありがとうございました。 → ご指導いただき、ありがとうございました。
- 助けていただきありがとうございます。 → ご尽力いただき感謝申し上げます。
- 聞いてもいいですか? → 立ち入ったことを伺いますが、
- どうでしたか? → 手応えはいかがでしたか?
- いくつか聞いてもいいですか? → 〇個ほど教えていただいてもよろしいでしょうか?
- ごめんなさい → 申し訳ございません。/失礼いたしました。/大変ご迷惑をおかけしました。
- すみません。 → 大変反省しております。
など、挙げるときりがありませんので、あなたに合う良書を探されることをお勧めいたします。
世界から見る私たちの母語は、「美しい」と形容されることが非常に多い言語の一つではないかと思います。美しいという評価が云々の前に、当たり前に正しく使い、操れるスキルを持つことが大切なことです。顧客にしっかりと顔を向け、業績の良い企業ほど、自社の従業員の日常使っている言葉や態度が事業経営に重要であることを深く理解していて、その資質を採用時から重要チェックポイントとされているものです。