就活についてのアンケート調査をみると、「先輩よりも今年の就職活動は厳しくなる(多少+かなり)」と考えている学生の割合が、20年卒から22年卒の間におよそ3倍に増えていることがわかります。新卒採用市場の傾向として売り手有利といわれておりますが、学生視点では、コロナ禍やウクライナ侵攻などの影響を受けた景気悪化や国内経済の現状から、企業側の選考基準がより厳しくなると捉えているようです。

企業側の採用活動の早期化を指摘する旨の話題もありますが、それが就活早期化の原因となっているのではなく、学生が自身の就職活動が厳しくなると考えると、その行動量が増す傾向にあります。エントリーする社数や専攻を受ける社数が増加します。また、3月の解禁する前から積極的に行動してインターンシップ等の参加など、企業との接点を持つ努力をされています。今では、就活生のおよそ85%がインターンシップ等に参加し、1人当たり5社の経験を済ませています。
近年の流れとしては、大学3年の6月頃からインターンシップの情報を精査して、夏休みを活用して夏季インターンシップに参加する形が一般的になってきましたが、秋冬季のインターンシップに参加する学生も年々増加しています。現行ではインターンシップに参加した学生の情報を採用活動に使うことを禁じられていますが、これが、学生にとっても、企業にとっても最善・最適であるのかを考えると、しっくりこない人は少なくないのではないでしょうか。
就職活動前に数社のインターンシップに参加することは、単に就活を有利に進めるためだけではなく、社会に出る前に、自身の仕事観や人生観を自分の言葉で言語化するまでに至るように、しっかりと自部と対峙する経験を積むことが大切なことではないかと考えるのです。
もうすぐ本格的な活動を迎える24年卒の12月時点でのインターンシップ推計参加率は前年比2.4pt増の88.1%で、高い水準であることがわかります。半日以外のプログラムに参加した割合が微増していることもわかります。

インターンシップ参加や就活準備を通じて自身の成長を感じたものとして、最も回答が多かったのは「主体性」28.7%でした。
また、学生の声として紹介されていたのは、
- グループディスカッションを何度も経験する中で、授業でのプレゼンテーション準備の際、タイムマネジメントや役割分担をするなど、自ら動けるようになった。
- 面接練習を重ねるうちに自然と力がついていた。成長に気づいたきっかけはゼミの先生から、『いつも率先して、行動してくれてありがとう』と言われたことだった。
など、学業へ良い影響があったとするコメントもありました。
