近年、働く職業人の主体的なキャリア形成の関心が高まっています。Z世代はキャリの自律に高い関心を寄せているとの調査もあります。そこで、Z世代の採用・新入社員の受け入れにおいて、企業はどんな変化を感じているのか、といった背景で調査(企業・団体の人事担当者617社より有効回答)が行われた結果が発表されました。
Z世代の採用や新入社員の受け入れにおいて、「価値観の変化を感じている」24.7%、「どちらかと言えば感じることがある」39.5%を合わせると、6割以上の人事担当者が、価値観の変化を感じていること回答していたことが分かりました。また、人事担当者からは次のような声があったようです。
- 成果や成長を意識する若者が増えていると思う
- 若手のうちから活躍したいという意欲が高い
- 自身のキャリア形成への関心が高い
- 自身の仕事が、どのように社会に役立つかを重視する人が増えたと思う
- 企業理念について質問されることが増えた
- 「今の自分の気持ち」を大事にしたいと考える若手が増えている
価値観の変化やキャリアの自律への関心の高まりを受け、新入社員の受け入れ方法や人事制度を「変更した」と回答した企業が20.5%となっていました。これは5社に1社が、価値観の変化を受け対応していることになります。また、「変更はしていないが、変更を検討している」の回答も37.5%と上がっていました。
価値観の受け入れ方法や人事制度で変更したこと、変更を検討していることは「研修制度」60.7%が最多でした。続いて「配置方法」39.3%、「給与体系」35.4%、「評価制度」34.9%と続いていました。そして、人事担当者からは次のような声がありました。
- 能力や成果に応じて、昇進・昇給しやすい制度に変更した
- 社内のキャリアコンサルタントとの面談の機会を設けている
- 座学研修から、体験型研修に、研修プログラムを見直した
- 受け入れ側の意識のアップデートを行っている
古くから日本では人材が最も重要であるという考えがありました。戦国時代の武田信玄は「人は城、人は石垣、人は掘り、情けは見方、仇は敵なり」といったと残されています。これは、「立派なお城を築くよりも、国を支えるのは人だから人を大切ににしよう」と人々を鼓舞したようです。勤めるなら、こういうマネジメントが働いている企業で頭と体から汗を流したいものです。企業選びの参考になれば幸いです。