NNT(無い内定)

25年卒の3月初旬調べ発表で見ると、マイナビ34.3%、就職みらい研究所40.3%、ディスコ43.2%とバラツキがあるように見えますが、それぞれの母数を把握することが大切です。いずれの調査結果においても昨年同期より伸びている傾向を合わせると、内定を得た人が周りにチラホラ現れているのではないでしょうか。

これから選考が本格化してくると、内定を持っていないことがプレッシャーとなり焦りを持つ学生が毎年現れてきます。特に同じゼミやサークルの友人が内定を得たことを知ると一層焦りが増し、焦燥感にかられる学生や、無能感を抱き悩む学生もいます。なかには、内定を得ていないことが、自分は就活市場において人材として認めてもらえないと思い込み、卑屈になる学生もみられるのです。

優秀な学生や早期から活動を進めていた学生の中には、早い時期から複数の企業から内々定を得ることもあるでしょうが、内定獲得だけをフォーカスし、まだ得ていない自分と比べて、内心ザワザワが収まらない学生がおられます。勿論そうした状況にある心境は分かりますが、その多くは取り越し苦労であるのです。

羨ましく思える複数の内定であっても、そこから1社に選択して就職先を決めることが必要です。実はこの1社に決めることも相当大変なもので、多くの学生は人生で初めての意思決定となるのです。また、どんなに人気ある企業であったとしても、そこで働くことが本人にとって本当に良かったことかどうかなんて、10年単位で働いてみないと本当のことは分かり得ないのです。

懸命に努力して取り組んでも、なかなか内定を得ることができない。実際に就活を進めると、誰でも遭遇する可能性があることなのです。それを「自分は評価される価値がない」などと思い違いをして就活自体を諦めてしまうようなことのないように、3月のこの時期に改めて、自分自身の就活の目的やゴールをきっちり抑えておきましょう。

面接時に内定の有無を尋ねられることがあります。確かに学生の就職市場での評価を知る目的もありますが、それはあくまで参考情報であって、内定の有無やその数が自社の選考に大きく影響することはまずありません。どの企業も自社に適合度の高い学生であるかどうかを総合的に判断する情報の一部にすぎません。逆に「現時点であなたは内定がゼロだから、当社でも不採用です」なんて進行する面接を行う企業などないのです。もしそんな企業があったら別の意味でブラックを疑った方がいいでしょう。

内定を得ることは、就活を進める上では励みとなります。でも、内定がないから励みがないと落ち込んだりせず、「いまここ」自分がやるべきことに集中して前に進むことが重要なのです。頭で解っていることでも、いざその場に身を置くとそうはいかないのが人間の弱いところかもしれません。そんな弱さをも含めて、自分の力と可能性を信じ抜くこと、やり抜くことが大切です。過ぎてしまえば、どんな時間も懐かしい想いでになる、そんな就活を進められるといいのではないかと思います。

あなたにとって、何のための就活なのか、就活の目的やゴール、就職後の職業人としてどんな成長をしたいのか・・・そのようなことを今のうちにしっかり言語化しておきましょう。

自分の考えや思いをきちんと言語化できるかどうか、この点は就活でも入社後でも、しっかり見られることですし、試されることでもあります。

関連記事一覧

TOP
TOP