無知は就活にも壁をつくる

24年卒の就活中300名を対象に行われた「就職活動と非認知能力」に関する調査結果が発表されました。非認知能力を一言で説明すると、テストでは測定できない故人の特性による能力です。具体的には、思考力、表現力、判断力や意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーション能力などで、生きていくため意必要な能力とも言われています。

採用では選考や面接の場面で、学力(IQ)以上に、業務遂行能力と非認知能力の伸びしろを、見定める努力をしているものです。企業によっては、理念や使命に基づき非認知能力を非常に高く評価するケースも少なくないように思われます。「多様性」の一般化が進む時代と正比例している傾向にあると思います。

調査結果に戻りますが、「非認知能力について、あなたはどれくらい知っていますか」の問いに対しては、「知っていて、内容まで理解している」と答えた学生は20.0%でした。一方で「言葉を聞いたことがある程度」が42.3%、「聴いたことがない」が37.7%と、8割の学生がよく知らないワードであることが明らかになりました。

学業における評価とは異なる社会における評価についても就活を機に理解を深めることで、就活準備の仕方が大きく変わるのではないかと思います。つまり、採用選考や面接で非認知能力が見極められていると知らずに、レントリーシートや面接、グループディスカッションに望むのと、そのことを理解して望むのでは、各内容も伝える内容も大きく変わるのではないか、少なくとももっと自己分析に重きを置いて深く自信と向き合うのではないか、と思うのです。

知らないからできていないのは当然のことなのですが、デジタルネイティブのZ世代の就活生が、自分の就活についての当事者意識の低さからくる情報不足と指摘するのは、酷なフィードバックではない気がしますが、いかがでしょう。

調査で「就活は頭の良さ(机上での学習)だけでは戦えない、と感じたことはありますか」と尋ねたところ、「そう思う」50.7%が最多でした。一方で若干数ではありましたが「そう思わない」と答えた学生もおられました。

「学生時代にやっておけばよかったと感じることはありますか?それはなんですか」、「就活において、社会性が必要だと感じた場面はどこですか」については、次のような回答が寄せられていました。

非認知能力は、個人の特性による能力であることを理解できれば、「自分を知る」道具ともなり、その道具をいかに魅せるかといったことにも広く活用できるものです。

現在就活中である24年卒の皆さんで、この辺りの自己分析に不足感があるのなら、手遅れになる前に着手しておきたい大事な課題だと思われます。

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