27卒就活シリーズ |第4回
「インターンって参加したほうがいいの?」
「短期と長期、どう違って、どれを選べばいいのか分からない…」
こんな迷いを抱えている27卒の方も多いのではないでしょうか?
実は、今のインターンは一言で語れません。
文部科学省・経済産業省の新しいガイドライン(2022年改訂)では、インターンは目的や内容によって4タイプに分類されており、
学生が自分の就活ステージや目的に合わせて選べるよう設計されています。
この記事では、その4タイプをわかりやすく整理し、それぞれに合った活用方法と注意点を解説します。
就活を本格化させる前の今だからこそ、「何となく」ではなく「意味のある参加」を目指しましょう。
就活におけるインターンの役割とは?
そもそもインターンとは、企業が学生に「仕事や職場のリアル」を体験してもらう場です。
学生にとっては、業界や企業への理解を深め、自分の適性や志望を固める材料になります。
一方、企業にとっても、学生の人柄や姿勢を直接知る機会であり、近年ではインターンからの早期選考ルートが拡大しています。
つまり、インターンは単なる「職場見学」ではなく、就活全体の入り口であり、加速装置でもあるのです。
インターンの4タイプを理解しよう|違いと特徴を比較
① オープンカンパニー(会社説明・接点形成型)
▶ 特徴:
• 開催期間:1日~数日
• 内容:会社説明、職場見学、座談会など
• 目的:企業理解の第一歩として「知る」ことに特化
▶ 向いている人:
• まだ志望業界や職種が明確でない人
• 社風や価値観をざっくりつかみたい人
• 初めてのインターンに挑戦する人
▶ 得られること:
• 業界全体の視野が広がる
• 先輩社員との交流でリアルな情報が得られる
• 志望動機づくりの材料が集まる
▶ 注意点:
• 実務体験はほぼなし
• 参加人数が多く、個別評価に直結しにくい
→ 情報収集目的で気軽に参加しつつ、「比較・分析」の視点を持つことがカギです。
② キャリア教育型インターンシップ(仕事理解型)
▶ 特徴:
• 開催期間:1日~1週間程度
• 内容:グループワーク、模擬業務、仕事体験ゲームなど
• 目的:職種ごとの業務理解と働き方のイメージづくり
▶ 向いている人:
• 興味のある職種を具体的に知りたい人
• ESや面接で使えるエピソードを増やしたい人
• 自己分析だけでは不安な人
▶ 得られること:
• 業務の流れや役割の理解
• 自分の適性・価値観との相性を知る
• 他の学生との比較から気づきを得る
▶ 注意点:
• 評価や選考には直結しないことが多い
→ 「学ぶ姿勢」と「振り返る習慣」をセットにすることで価値が高まります。
③ 汎用的能力・専門活用型インターンシップ(実務体験型)
▶ 特徴:
• 開催期間:1か月~半年
• 内容:実務参加、プロジェクト推進、企画・営業・開発などの業務経験
• 目的:働く力の実践と、実績づくり
▶ 向いている人:
• ビジネススキルを身につけたい人
• 働くイメージをリアルに掴みたい人
• 就職先の本気の候補として企業を見極めたい人
▶ 得られること:
• 報連相・PDCA・チームワークなど社会人基礎力
• 実務を通じた「成果」と「評価」
• 「本選考に活かせる強力なエピソード」
▶ 注意点:
• 責任が重く、学業との両立に注意が必要
→ 参加前に目的・スケジュール・成果イメージを明確にすることで充実度が高まります。
④ 高度専門型インターンシップ(研究・専門職直結型)
▶ 特徴:
• 開催期間:数か月~1年程度
• 内容:専門研究や開発職向けの実務・R&D業務など
• 目的:高度専門職としてのマッチングと育成
▶ 向いている人:
• 理系・院生で専門知識を実践に活かしたい人
• 技術職や研究職を目指している人
• 修士・博士論文に関係する分野でのキャリアを見据えている人
▶ 得られること:
• 業界トップレベルの技術に触れる経験
• 実務研究から学会発表までつながる可能性
• ハイレベルな人材ネットワーク
▶ 注意点:
• 実施企業は限定的、選考がある場合もあり
→ 計画的に準備を進め、学業・研究・キャリアの接点を意識して参加することが重要です。
インターン選びは「目的×段階」で考える
タイプ | 主な内容 | 得られるもの | 推奨タイミング |
オープンカンパニー | 企業説明・見学 | 業界や社風の情報 | 初期段階(春~夏) |
キャリア教育型 | ワーク・仕事理解 | 職種理解・適性判断 | 初期~中盤 |
汎用的能力・専門活用型 | 実務体験・プロジェクト | 成果と実践スキル | 中盤~秋冬以降 |
高度専門型 | 高度な業務体験・研究 | 専門職での実績と経験 | 学部高年次~大学院生 |
インターンを選ぶ前に考えたい3つの視点
1. 自分の就活ステージを確認する
• 春~夏:オープンカンパニーやキャリア教育型で「視野を広げる」
• 秋~冬:実務型や専門型で「深く掘る」「本命を絞る」
2. 目的に合わせた選択をする
• 「自己分析を深めたい」→ グループワーク重視のキャリア教育型
• 「自分の力を試したい」→ 実務体験の汎用的能力型
• 「情報収集から始めたい」→ オープンカンパニーから複数参加
3. 応募時に“仮説”を立てて臨む
インターンに応募する際は、「なぜこの企業か」「何を学びたいか」を自分なりに言語化しておくことで、参加後の振り返りの質が格段に高まります。
まとめ|経験を「知識」ではなく「自信」に変えるために
インターンに参加することは就活において大きなアドバンテージになりますが、
参加するだけでは何も変わりません。
大切なのは、
• 自分に合ったプログラムを選ぶ
• 明確な目的を持って参加する
• 参加後にしっかり振り返る
この3つのサイクルです。
これからの時期、数多くのインターン情報が飛び交います。
焦らず、自分の「今」と「これから」に必要な学びを選び、経験を“自信”と“キャリア形成”へと変えていきましょう。