エントリーシート作成に悩む就活生は少なくありません。「何を書いたらいいのか、書くことが思いつかない」人や「エピソードはあるけど文章に上手くすることができない」人など悩みにも多様性が現れます。
就活時にエントリーシートを作成した経験のある140人が事得たアンケート調査の結果から一部抜粋してご案内します。
まず、エントリーシート作成で困った項目を尋ねた結果、1位は「志望動機」で続いて2位「自己PR」 、3位「長所・強み」でした。

「どうして弊社を応募したのですか?」の問いに自分の考えや思いをしっかり言語化できずに困った人が大勢いることが明らかになりました。そして、自分の人間性や人柄を言語化して相手にアピールできずに困っている人も多いことも分かりました。
今回の結果みてまず考えられることは、自己理解が浅い、若しくはできていないのではないかということです。つまり、就活に入る前に自己理解をしておく必要があるということで自己理解を作業的に取り組んでしまった学生に見られるのです。
就活準備に入る学生に自己分析の重要性を理解いただくために、メリットを次のようにお伝えしています。
- インターン、OB訪問、会社説明会に向けて目的意識を持って動くことができ、志望業界・会社を明確になる。
- 情報に惑わされずに、本年の自己PRや志望動機を自分の言葉でエントリーシートに書ける。
- 表面的、テンプレート的ではなく、自分の価値観や人間性を伝えることができ、面接管が聞きたいことをしっかり応答ができる。
- 自分に足りないものが明確になるので、能力、経験、弱みを補うことや、強みの強化(武器化)に取り組むことができる。
つまり、就活のすべてのステップにおいて自己分析は重要な役割を果たすのです。
困った項目上位で見ていきましょう。
1位志望動機に挙げられていた声
- 大本命の会社以外は特別な志望理由がなかったので苦労しました。
- 会社ごとに作成するので労力がかかるから。
- 自分のことを語るのは簡単ですが、志望動機は会社のことをよく知る必要があり大変でした。
志望動機は会社ごとに作成しなければなりませんので、求められる文字数が多いと作成に時間もかかります。志望動機を書くためには企業研究の資質も問われますので、それなりに時間を費やすことにもなります。この辺りが負担に感じる学生もおられるようです。それほど志望度が高くない人ややりたい仕事が定まっていない人は苦痛にすら感じるのかも知れません。しかし、それを負担に思うような会社ならばそもそもエントリーをすること自体を再度検討してみることが必要なのかもしれません。
2位自己PRに挙げられた声
- 他の人との差別化が難しかった。また決まった文字数で伝えたいことを書くのにも苦労した。
- 自分の特徴や長所を言葉にするのが難しかった。また自己PRはどの企業もあるが、字数はそれぞれ異なるので大変だった。
- 「自分が主張したいこと」と「会社が求めている人物像」がマッチするか分からなかったので、試行錯誤しながら書いていました。
企業の求めている人材像の理解度が問われる問いです。自分のどの部分を表現すれば企業が求める人材像に寄せることができるのかは、自分自身をキチンと理解していれば回答に困ることはありません。ここでも自己理解がキーとなるのです。
3位長所・強みに挙げられた声
- 自分に自信がないので、長所が思いつかなかった。
- エピソードを踏まえて話す必要があったため、わかりやすいエピソードを考えるのに苦労した。
- 自分を客観的に評価するのは難しいから。
コロナ禍前から、日本の若者の自己肯定感が低いことを問題視されています。内閣府による調査では、アメリカやイギリスなど欧州の若者の80%以上、韓国の若者の70%以上が自己を肯定的に捉えているのに対し、我が国の若者は僅か40%台であったことが明らかになりっています。調査の中で、意欲・やる気という項目が諸外国と比べ著しく低いことも分かりました。我が国の若者たちの自己肯定感がこんなにも低いのかと腰を抜かすほど驚きました。残念ながら現在も改善が進んでいないようにも思えます。




調査結果をみると、我が国の若者は、諸外国の若者と比べて、自分自身に満足していたり、自分に長所があると感じていたりする者の割合が最も低いことが分かります。一方で日本の若者は「自分は役に立たないと強く感じる」にそう思う・どちらかといえばそう思うと回答した割合は51.8%で、ドイツ、フランス、スウェーデンに比べると高いが、英米よりはやや低く、韓国と同程度であることも分かります。
自分に自信が持てておらず、「短所は見つけることができるが長所を探すのが難しい」旨の話が複数挙がっていました。長所がない人などいないと言い切っても良いのですが、自らの長所を見つけられない人は少なくないようです。これは謙遜などの言葉で処理できるものではなく、自己効力感、つまり自身の無さからくる問題ではないかと考えます。
自分の強みを見つけることはそんなに困難なことではありません。aoLabラーニングカフェでは職能にフォーカスした強みを見つけるセミナーワークショップを提供しております。ご興味のある方は、こちらからお問い合わせください。
エントリーシートで苦労した項目の上位ベスト3から自己分析・企業研究の重要性の理解に少しでも役に立てれば幸いです。
エントリーシートの作成や面接という課題に対して、テクニカルな要素を駆使して突破を試みる就活生がおられますがあまりお勧めしません。なぜならば、どの企業においても自社の採用に関わる人事担当者等の人々は、所謂採用のプロです。応募者の中から優秀で素晴らしい人材を見つけだすことを仕事としているプロであることを理解しておくことです。
就活の施策として使ったテクニックやテンプレートなど付け焼刃にもならないくらいの眼力を彼らは持っていることを知っておくことです。
テクニックやテンプレートに依存するよりも、あなたらしい特有のエントリーシートを書くためにも、自己分析の見直しと企業研究の資質のチェックを今すぐにでも始めることをお勧めします。
コロナ禍の影響で「ガクチカ」についての相談を受けます。基本的に企業この問いを学生に訊く本質的な意図をしっかり理解することが大切だと思っています。加えて企業側もコロナ禍である認識はちゃんとしている上で「ガクチカ」を訪ねていることを理解することです。多くの企業が「ガクチカ」に対する評価ポイントをコロナ禍においてはそれ以前と変えていると答えています。
とはいえ、どうしたら良いのか・・・と悩んでいる就活生の皆さんに最新データとして、「ガクチカ」に対する評価ポイントが、どのように変わっているのか、その内容に関するコメントを紹介します。
