起業家精神

以前勤めていた会社では、中小企業の社長のご子息を約1年間お預かりして教育訓練を行うプログラムにも関わっていました。その頃から職業人にも起業家精神を持つことは大切だと思っています。

起業家精神とは、個人またはチームとして新しくアイデアをつくり出し、リスクを背負いながらも、ビジネスに必要なリソースを活用し利益を生み出す行動過程、行動力のことです。具体的には、「新しい義業を考える力」、「リスクを恐れない行動力」、「少ないリソースから成果を出すために試行錯誤できる力」の3つの力が軸となります。

アップルの共同創業者であるスティーブ・ジョブズは尊敬する経営者のひとりです。独創性と短気な資質、情熱と才能を原動力に夢を追いかける起業家精神を最後まで持ち続けた彼の生き方に共感するところが多いのです。

ジョブズ氏を始め認知度の高い起業家の資質のイメージとして、革新(innovation)・情熱(passion)・ビジョン(vision)…といった言葉を浮かべる人は多いのではないかと思います。一方でジョブズ氏自身が起業家について次のように語っています。

成功する起業家と成功できない起業家を分ける者のうち半分は、
純粋な忍耐力であると私は確信しています 

スティーブ・ジョブズ

この言葉を知ったとき、それまで持っていた起業家精神(entrepreneurship)に対する考えを改める必要があると思ったのです。

定義や理屈は棚に上げて、「夢を追い、情熱を燃やし、才能を惜しみなく発揮して、強いリーダーシップでモノゴトを前に進める」といった勝手に作ったイメージを起業家精神だと思い込みも甚だしい自分に猛省したことがありました。

以前勤めていた教育会社では忍耐とは、現実を事実として認め、受容することが大事であると教えていました。起業のようにゼロから創業するプロセスでは、一つひとつが上手くいくよりも、逆の状況が多いのだろうということが想像できます。それを納得ができる状況や成果を出すまで、やり続けるにはジョブズ氏がいった忍耐力があるか、どうかは成功の鍵を握っているのだろうと思います。

少し前からビジネス界でも「やり抜く力(GRIT)」にフォーカスした人事評価などがちゅうもくされていますが、企業家精神の中には、前述した革新・情熱・ビジョンに加えて、忍耐力・やり抜く力も同じくらい重要な資質なのです。

そして、企業家精神は就活生にとっても大切なものではないかと思うのです。自分の力と可能性を信じて自分の足で前に進む姿は、企業家を彷彿させます。同時に行動するからこそ上手くいかないことに悩まれることも少なくないでしょう。

そんな状況に気づいたら、ジョブズ氏が語った忍耐力を思い出してください。「アッ試されているなわたし」と、就活の神様があなたのやり抜く力を磨く機会を作ってくれていると捉えてそれでも前に踏み出して参りましょう。

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