本日入社式を迎えた新社会人の皆さん、おめでとうございます。これからのご活躍お祈りいたします。これから3~5日くらいは朝から晩まで緊張感が続き、やることなすこと初めてづくしで、時間が過ぎるのがとても速く感じる人もおられるでしょう。そこを抜けるとしだいに周りがよく見えてくるものです。
職場環境に慣れ、周りだけではなく自身をも観察できるようになる頃になると「リアリティショック」(理想と現実のギャップに衝撃を受けること)を自覚する人が現れてきます。
入社前にイメージしていた仕事内容、人間関係、職場環境等の理想と、入社後に自身が体験を通して受け取る現実との間に大きなギャップを感じることで、リアリティショックを起こすとことがあるのです。場合によっては喪失感や将来への不安を強く抱くようなり、衝撃の大きさによってはモチベーションを失い、離職へとつながるケースもあります。
リアリティショックは、近年よく聞くようになった概念で、若者の特有した問題と捉えている人もおられるようですが、実はこの概念は半世紀以上も前にE.C.ヒューズという組織心理学者により提唱されたものです。そして、若者に限らず、中堅やベテラン社員であっても起こり得るものとされています。
「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」(パーソナル技研2019年)によると、入社後に何らかのリアリティショックを感じたと回答した人は76.6%と非常に高い数字であったことが明らかになっています。
個人差はありますが、誰にでも起き得るものと捉え、上述したギャップを感じたとき、深刻化する前に適切な手当てができるような環境をつくっておくことが大切だと思います。
「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」(厚生労働省)によると、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が35.9%、新規大学卒就職者が31.5%であったことが明らかになっています。また、他の調査、「新卒入社3年以内離職の理由に関する調査」では、離職の理由として約3割が、「キャリア形成が望めないため」と回答していました。
対策としては、入社前からのものと、入社後のものとに分けられて考えられていますが、今回は入社後に絞ってご紹介します。
その多くは環境面を整えることになるので、企業組織に関わる者が多くありますが、新入社員として心がけておきたいことは、「相談できる人」を持つことです。
これからしばらくの期間、新入社員研修に参加するケースが多いかと思いますが、ぜひ早い時期に同期の中に「心友」になれる仲間を持つことです。そして配属先においても先輩や上司の中に「本音で相談」できる関係性を築ける人を探すことです。どちらもすぐにできるものではありませんが、アドラーの言葉を借りると「すべての問題は人間関係にある」ので、前述した心友や本音で話せる人を数人持っていることが後々大きな財産となるでしょう。
もうひとつ、新入社員に限らず、新しい環境に身を置いたときにありがちなこととして、私たちは物事を主観的に捉え過ぎて、思い込みでその物事を解釈してしまうことがあるものです。つまり、真の事実と自分の解釈に若干でも隔たりがあるかもしれないと、俯瞰的客観視で再度その対象に向き合ってみることも大切です。
二度とない人生をあなたらしく豊かに生きるためには、善くはたらくことが重要だと考えます。ですから、善くはたらくことができるならよし、そうでないのならその根っこにある問題を明らかにしてから、次の意思決定をすることが大切だと思います。(緊急性がある場合は異なります)
働く価値観や善くはたらくことを真摯に考えてみると、企業や組織はとっても重要な存在でもあります。もしあなたが、自身の人生やキャリアをベースに精一杯就活をされ、入社をお決めになったのなら、自分を信じてみることも必要かもしれません。今はキャリアコンサルタントも身近な存在となって参りました。もしご相談事があるようでしたら、あおもりHRラボでもお役に立てるキャリアコンサルタント(国家資格)が在籍しておりますので、問い合わせフォームからお知らせください。