新卒で入社した社員の3割が3年以内に退職する、「3年3割」の状況が続いているといった情報に触れた人は少なくないでしょう。なかには「とりあえず3年働いてから転職するべき・・・」といった根拠が乏しい言葉がひとり歩きしているようにも感じる近年の若年層の仕事観や人生観に不安を感じています。
新卒4年目を迎えた若手社員600人を対象に、「新卒入社後3年以内に離職しなかった理由などを尋ねた調査」結果がアデコから公表されました。
はじめに、新卒入社4年目の若手社員に対して、「現在の勤務先への入社を決めた理由」を質問したところ、「興味のある業界だった」36.5%が最も多い回答でした。
次に、同じ若手社員に「これまでに転職や退職を考えたことはありますか」と聞くと、「真剣に考えたことがある」34.7%、「何となく考えたことがある」47.2%で、81.8%が転職・退職を考えたことがあると回答していました。
「転職や退職を考えたことはある」の回答者(n=491)に理由を聞いたところ、「年収が少ない」47.5%、「スキルアップが望めない」23.8%、「労働時間が長い」22.0%の回答がありました。
一方で、「退職や転職をしないで、現在の勤務先に残ることを選んだ理由は何ですか?」と質問すると、「有休が取りやすいから」28.1%、「次の仕事が見つからなさそうだから」25.7%、「同期や同僚との関係が良いから」23.8%との回答が上がり、有給申請のしやすい風通しの良い会社の定着率が高くなる傾向が見えてきました。また、同僚・同期との関係性が重要であるも明らかになりました。
さらに、「今後、退職や転職を検討する要因になるものをすべて選んでください」の問いについては、「年収のダウンや伸び悩み」44.3%、「人間関係の悪化」36.3%、ライフイベント(結婚、出産、育児、介護など)が33.0%を占めました。年収の増減と転職・退職のタイミングが重なることがわかりました。