企業研究と入りたい会社・入りたくない会社

「就活生の企業研究の方法と入りたくない会社と入りたくない会社の特徴」に関する調査結果(4年制・短期大学・専門学校を含む学生1483名)が株式会社ガロアから発表されました。

どのような手法で企業研究を行っていますか(行いましたか)?(複数選択)(n=472)

最も多い回答は「企業のHP」でした。企業探しでは「就職情報サイト」が圧倒的に多い傾向にありますが、今回の調査では「企業のHP」が最多でした。

企業探し的になる企業を見つけた学生は、次のアクションとしてより詳しい情報を得るため、企業のHPをはじめとしてさまざまな媒体を用いて、信頼性の高い情報を探していることが伺えました。近年では、SNSや動画での情報収集をする学生が増え、鮮度や解像度の高い情報、文字では伝わらない空気感などを知ろうとする行動が目立っているようです。

どんな会社に入りたいですか?最も重要だと思う要素をお答えください(n=472)

最も多い回答は「給料や待遇が良い」でした。一方で、給料や待遇を第一優先にしていない学生も7割以上いて、自分にとって働きやすい環境か、望んだ仕事ができそうか、などを最優先している学生も多かったことがわかりました。そのため、学生は企業研究で企業HPを訪れて給料や待遇、ビジョンなどに関する情報を探す一方で、どんな人がどのように働いているかなどの情報も探していることが伺えました。

応募したくない会社には、どんな原因があるでしょうか?(単体でも応募意欲がなくなる原因として、当てはまる要素を全て選択してください)(n=472)

「給料が低く待遇が悪い」企業には入りたくないと考える学生が多いことがわかりました。また、どんなに賃金が良くとも、社員の仲が悪い・サービス残業が蔓延している・パワハラ気味の上司がいるといった特徴がある場合は、入りたくないと判断されます。これらの情報は、会社側からはもちろん出さない情報であるため、噂や口コミサイトなどの不確かな情報にも学生は目を通していることが伺えました。逆に捉えると、企業HPや就職情報サイトではマイナス要素への不安が払拭できないため、自社の雰囲気を伝えることを積極的に掲載することが差別化の一つとかと思われます。

会社内部のリアルな様子を伝えるには、SNSや動画コンテンツ、座談か、インターンなどの方法が考えられます。企業HPを見る学生が多く、優先的に対応すべきではありますが、情報化社会となった現状を考慮すると、多様な手段や方法を活用し学生との接点の機会を増やす企業が採用市場で優位性を得られることが推察されます。

企業研究をする上で、最も信用できた(できる)情報は、どんな情報でしょうか?(n=472)

「対象の会社の現職社員の情報」や「対象の会社と関わりある知人からの情報」という回答が集まっていました。OB・OG訪問や、インターンシップ、企業説明会など社員と学生が関われる場を作ることが効果的な訴求となることがわかります。

そのほか、口コミや情報サイト、プライベートでの会話など会社がコントロールできない部分の情報はある程度信頼できると判断される傾向にあるようです。そのため在職社員への待遇や、顧客対応など、普段の企業活動の資質を向上させることで、学生に興味関心を持ってもらい応募へとつなげることでで、間接的に人材確保を有利に進める施策となると思われます。

企業研究のやり方がわからないという就活生は少数だと思います。それよりもどのレベル・質で取り組むのかが大切です。なかには就活情報サイトと企業のHPの閲覧で終えている学生もおられました。事前にその企業の正しい情報がたっぷり持っている場合は別ですが、ブランドや知名度で選ぶ傾向のある人に多く見られると思います。

転職が珍しいことではなくなった時代になりましたが、自分が働く場や環境を丁寧に調べ事前に知っておくことは、就活よりも自身の人生の時間という視点で重要なことです。

どこに決めるのも自分です。当然ですが、そこで働くことも自分です。自分の人生/キャリアを大切にする人には到底考えられない粗雑な企業研究ではないかと思います。

自分を活かせる場所や環境に自分を置くためにも企業研究は丁寧に取り組むことをお勧めします。

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