2025年4月、新年度がスタートしました。大学3年生、つまり2027年卒業予定の皆さんにとって、「いよいよ就活生になるんだ」という実感が少しずつ湧いてくる時期ではないでしょうか。SNSや就活サイト、先輩からの話を聞く中で、「そろそろ動き始めなきゃ」と焦りも出てくるかもしれません。
でも、まず始めるべきは、自己分析です。
エントリーシートや面接に向けた準備はもちろん大事ですが、何よりもまず「自分はどんな人間で、どんな価値観を持ち、どんな働き方を望むのか」を深く理解することが、就活の土台をつくります。そして、その土台があるからこそ、迷わず、ブレずに選択ができ、内定後の満足感や納得感にもつながります。
本記事では、「就活のための自己分析」を、キャリア支援のプロフェッショナルの視点から丁寧に解説します。
なぜ、自己分析は“最初にやるべき”なのか?
自己分析という言葉に、「ちょっと面倒」「何からやればいいの?」と感じる人もいるかもしれません。でも、自己分析は就活全体の軸をつくる極めて重要なプロセスです。
就活は「相手(企業)に自分を売り込む活動」です。しかし、その“自分”が曖昧なままでは、相手にとっても魅力が伝わりません。さらに、自己分析が浅いと、業界・企業選びがブレたり、面接で言葉に詰まったり、内定後にミスマッチを感じやすくなります。
一方で、自分自身の価値観や強み、過去の体験から得た学びをきちんと整理できていれば、どんな質問にも自信を持って答えられるようになります。
つまり、自己分析の質が、就活の手ごたえと最終的な納得感に直結するのです。
自己分析のステップ①:過去の経験を棚卸しする
まず最初にやってほしいのが、「これまでの人生を振り返る」ことです。
その中でも特に注目したいのは、「感情が動いた経験」です。
• 嬉しかったこと
• 悔しかったこと
• 怒りを感じたこと
• やりがいを感じたこと
• 挫折から立ち直った経験
こうしたエピソードには、あなたが本当に大切にしている価値観や、人間的な強みが隠れています。
おすすめは、年表形式で小学校~大学までを振り返り、各時期で印象に残った出来事をピックアップしてみること。そこに「なぜ印象に残っているのか」「そのときどんな感情だったのか」を書き添えることで、表面的ではない、深い自己理解につながっていきます。
自己分析のステップ②:自分の価値観を明らかにする
エピソードを振り返った後は、それらを通じて浮かび上がってきた価値観に注目しましょう。たとえば、
• チームで協力して結果を出した → 協調性や共同達成への価値
• 1人で挑戦して成功をつかんだ → 独立性・達成欲求
• 悩んでいる友人を支えた → 寄り添い力・他者貢献
など、自分が「どんな瞬間に充実感を感じるか」がヒントになります。
価値観は職業選択の軸になります。たとえば、「人の成長に関わりたい」「安心できる職場で働きたい」「結果を正当に評価されたい」など、自分にとっての“譲れないポイントを明確にしておくことで、後の業界・企業選びが格段にスムーズになります。
自己分析のステップ③:強みと弱みを言語化する
次に取り組みたいのが、「自分の強み・弱みの言語化」です。これは面接やESに直結する部分でもあります。
強みは、自分では気づきにくいものでもあります。だからこそ、以下のような方法が有効です。
• 友人・家族に「自分の強みって何だと思う?」と聞いてみる
• ストレングスファインダーなどの診断ツールを使ってみる
• 自分がよく頼られる場面・褒められた場面を振り返る
「自分らしさ」を多面的に知ることが、面接での言葉に説得力を与えます。また、弱みについても、言い換えや克服経験とセットで整理することで、成長意欲を示す材料になります。
自己分析の最終ゴール:「就活の軸」をつくる
自己分析のゴールは、「だから私はこういう会社で働きたい」「こんな仕事をしたい」という就活の軸を明確にすることです。
これは単に業種や職種の話ではなく、
• どんな価値観を満たしたいのか
• どんな働き方を大切にしたいのか
• 自分はどんな場面でパフォーマンスを発揮できるか
という、自分自身の「人生の選択基準」を持つことです。
この軸が定まっていれば、たとえ選考で悩んでも、迷いすぎたり、流されすぎたりせずに済みます。
まとめ|自己理解が深まるほど、就活は“自分ごと”になる
いかがでしたか?
自己分析は、単なる準備作業ではありません。自分自身の未来に責任を持つための第一歩です。
過去を丁寧に振り返り、価値観を見つけ、強みと弱みを正直に見つめ、そして自分なりの軸を持つ。
それが、企業と本気で向き合い、自分にとって本当に納得できるキャリアを選ぶための力になります。
焦らず、でも丁寧に。自己分析に取り組む時間は、必ず自信へと変わります。
次回は、その軸をもとにどのように「業界研究・企業研究」を進めていくべきかを詳しくお届けします。
一歩ずつ、確実に未来を切り拓いていきましょう。応援しています!