就活全般に言えることですが、特に面接対策のヒントとして、「稚拙さを取り除く」ことを勧めています。
学生時代には許されるもののなかに、人のせいにする、自分さえよければいい、気分によって左右されやすい、頻繁に人の顔色ばかり窺う、見られるところだけちゃんとしていればいい、自分が正しければいい、といったことは職業人としてはほぼ通用しません。
社会人として自律した大人が学生とコミュニケーションを交わす場に遭遇したら、まだ学生である相手の目線や視座に降りてきてくれるものです。たとえば、社会の厳しさをベースにするのではなく、学生生活や若者文化に合わせようと努めながら交流するのです。学生アルバイトと社会人パートを比べると、学生アルバイトには甘えが許されていることも多くあるように思えます。
たとえば、あなたの話が少しわかりにくい、ちょっと考えが甘いな、少し自分勝手な意見だな、などと思っても相手が大人であれば「この学生は何を言いたいのだろうか」と根気強く傾聴してくれるのです。これは良い悪いという話ではなく、一種の学生のハンディであり、アドバンテージであると私は考えています。
つまり、これまでの大人とのコミュニケーションでは、その多くの場面で相手があなたに合わせて降りてくれていたことを知っておいて欲しいのです。
なぜかといいますと、採用面接では決してそうはならないのです。面接官はあなたを一人の人間として大人の視線視座迎え入れてくれるのが殆どだからです。
話が分かりにくければ、「よくわからない」となります。少し自分に都合よく考えているようなら、「甘えが強い」「自己中心的」と判断されます。質問に的外れな応答をすれば、「人の話を理解できない。気持ちを汲めない」という評価が下されます。いずれも残念な結果に繋がることは想像できるでしょう。
そもそも大人とのコミュニケーションになれていないので、頭が真っ白になってしまう、よくあることですが、「メンタルが少し弱いかもしれない」と見立てられることになるのです。
社会における大人の視点や視座というのは、シビアなものなのです。
つまり、これから面接に臨む際には大人の価値観をちゃんと理解し、学生である今の価値観ではなく、大人の価値観に沿って参加することが重要になるのです。
言葉遣い、表情、立ち振る舞い、所作など、目に見えるものはきっちりチェックされるでしょうし、目には見えないあなたの思考や人間性を理解するためにプロがその力をフル稼働してあなたと向き合ってくれるのが採用面接なのです。ここまで読まれたら、ビジネスマナーの根底にる価値観もわかってくるのではないでしょうか。
我が国の労働市場は、人材不足という課題を抱えています。だから売り手有利とも言われておりますが、採用する企業は優秀な人材に入社して欲しいのが本音です。決して数を増やすことを目的として採用活動は行っていないことを忘れてはいけません。
「ぜひ我が社に来て、存分にあなたの力を発揮して欲しい」といった声を掛けられるためにも、今日からの日常生活を大人の価値観で過ごしてみる訓練を自修自得で努めてみましょう。