OB・OG訪問は大切な活動だと考えています。仮に志望企業にOB・OGが在籍していなくても社会人訪問として受け入れてくれる企業はあります。そこでNOが出た場合は、その理由によりますが志望先として考え直した方がいいかもしれません。
特に第一志望群が5~6社くらいならば、すべての企業を訪問することを強くお勧めします。そこで働く人の話をライブで聞くことは貴重な機会ですし、参考になるものです。短時間だとしてもあなたが直接聞いた話をもとに志望動機を組み立てれば、似たり寄ったりが多い他の学生の志望動機とは違う、しっかり差別化した内容を伝えることができるでしょう。
そのためには、訪問の際に必ずあなたの志望動機を聴いてもらい、フィードバックをしてもらうことです。心ある厳しいフィードバックの方があなたにとってはより有り難い情報となるでしょうから、その旨もお伝えするといいでしょう。
企業研究の浅さ、知っておくべき情報、見えていない点、考えの甘さなどをズバッといってもらうのです。フィードバックの内容は採用担当者も同様にあなたの志望動機の不明瞭な点をチェックして不採用群にするでしょう。なので、第一志望群が決まったら迷わず、社会人訪問をして、フィードバック(愛のメッセージ)を受けようということです。その際に、大事なことは、その時点であなたのベストと思える準備をすることです。貴重な機会を与えてもらった以上、その感謝を態度で示すためにも自分のベストで望むは当然と言えるでしょう。また、大人の社会ではマナーでもあります。
なかには、訪問時に対応してくれた社員の方が名刺に記載されたアドレスにメールを送信することを受け入れてもらい、後日、お礼のメッセージのあとに再構築した志望動機を送信したそうです。その後、リメールが届き、メッセージと再構築した志望動機に添削をしてもらったという就活生もおられました。
意図と目的に偽りがなく、熱心に取り組むあなたがいたとしたら、多くの企業人はちゃんと手を差し伸べてくれるでしょう。要はあなたが自分の就職にどれだけ本気に取り組むかです。ただし、残念ながら全てがそうだとお伝え出来ないのが現在のこの国の姿です。多くの企業人は真摯にあなたの話を聴いてくれるでしょう。そして本質的で課題解決につながるフィードバックを与えてくれるでしょう。しかし、一部ではあるものの、そういう環境が整っていない企業やいわゆるブラックと呼ばれる企業も存在するのも事実です。あなたの人生に関わる就職先として、そういった企業は不似合いではないだろうかと個人的には思います。この辺りについては、身近におられる大人(社会人)に少し聞いてみることがいいでしょう。
最後に、社会人訪問の際にどんな話(話題)を聴けばいいのかのヒントをいくつか挙げてみましたので参考にしてみて下さい。
- 組織として目指していること
- 10年後の自社(訪問した会社)をどう思っているか
- 企業(と業界)が抱える課題(短期、中期、長期の課題は?)
- 競合他社についての考えや想い(同じ業界の人から見ると、どう見えるか)
- 具体的な仕事内容(ビジネスモデルのイメージが合っているのかチェック)
- そこで働く人々の雰囲気(どんな人が集まっているのか)
- 職場のヒーロー的存在の人物像(どのような人が評価されているか)
- 企業文化(意思決定時にどんなことを大切にしている企業か)
- 相手の方が入社5年以上の人であれば、この会社で長く働いている理由を訊ねてみるのもいい(仕事・職場・人などへの魅力や誇りを知ることができる)
- 入社から今日までの間で、仕事を通して最も嬉しかったこと(上記同様)
- 直近のニュースをどう捉えているか(報道との違いはあるのか)※直接・間接的にその企業に関わるニュースがあった場合
26年卒の皆さんのなかには、社会人訪問を考えただけで腰が引く人もおられるかも知れませんね。年齢が近い若手社員さんと会えるのであればいいですが、マネジャー職の方や重役の方と合うこともありますので、考えただけでもプレッシャーになるかもしれません。それでもあなた自身の力と可能性を信じて、自分のために足を運びましょう。これから40年以上のあなたの人生の基盤を築く大切な仕事選びです。丁寧に且つアクティブに動きましょう。それこそ就活です。