真剣が仇となることもある

就活の当事者であると真に自覚をする時期は人によって随分異なるものです。近年は、3年生4月~6月に着手したと答える学生が多いと感じていますが、3年生9月から始める学生も少なくないようです。

就活といえば、「まずは自己分析」と言われています。これに取り組むことは本当に重要なことなのです。でも、なぜ重要なのかを理解なく手探り、無手勝流に進めてしまう学生が少なくないのも事実です。なかにはキャリアセンターやWEB情報を丁寧になぞるだけの人も散見されます。

こういう進め方がすべてダメと結論付ける話ではありません。ただ、人によっては、うまくいかない原因となるのです。さらに、就活がただただ辛い活動になってしまいうことも起こり得ることを知っておいて欲しいと思います。

自己分析には抑えておくべきコトはあります。そういった基本ベースが含まれているやり方であることを前提の話です。考えて欲しいことは、どのやり方が良い、悪いではなく、あなた自身の就活にとって役に立つのはどれかということです。

たとえば、これまでの自分を振り返って当時の行動や思考、感情をシートに書き出すワークがあります。このワーク自体は一般的なものですので、悪いものではありません。しかしそれは人によるのです。なかにはワークに真摯に、真剣に取り組んだことが、仇となるケースがあるのです。

ここではケースについて詳細に触れませんが、ワークに取り組んだ本人にとっては役に立つどころか真逆な事態となってしまうことだってあるのです。

こういったことが起きないように、あらかじめ知っておいて欲しい情報というのも結構あるものなのです。その一つを紹介します。

エリック・バーンの言葉に「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分自身と未来だけだ」という言葉があります。うまくいかなかった過去に執着しても、他人の言動に憤りを感じても、それは自分ではどうすることもできないのです。そういうことって、頭では理解できる話です。ですが、時と場合によって、私たちはそのわかっていることが活用できないものです。

だからこそ、思考の視点をずらすことを学んでおくことが大切だと思うのです。たとえば、過去に起きた出来事は、誰にもその事実を変えることはできません。しかし、その解釈を変えることは可能です。起きたときは嫌だと思った出来事も、「あの出来事があったおかげで今がある」と解釈すれば、その過去の出来事は自分に必要だったと捉えることができるものです。

このように視点をずらすことは解釈を変えることです。出来事は事実です。それをどう視るか、捉えるかが、解釈です。

物事の見方や捉え方にはそれぞれ癖やパターン化したものがあると言われています。そういう自分の特性を自己認知できている人にとっては就活生が取り組む自己分析は難のないものですが、自己効力感や自己肯定感が少し凹んでいるといった人生経験もまだ浅い学生が、真摯に、真剣に取り組んだあまりに、いっそう凹みが深くしてしまうことがあることも知っておいて欲しいと思います。

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