ビジネス界でも随分浸透してきたAI。ビジネス系雑誌ではChatGPTを特集で扱う号が出たりもしています。このような環境が広まる中、就活でも既にAIを利用している様子が分かる調査結果がSynergy Careerから発表されました。
「就活でChatGPTを利用したことがあるか」を尋ねたところ、「ある」と答えたのは35.2%でした。ChatGPTが話題に挙がり始めた時期だったことを考えると、これから利用者が増加するのではないかと思われます。
利用した学生の意見としては、「少しエントリーシートの作成に行き詰まり、考え方を整理したいため利用した」などの意見がありました。一方で、13.7%の学生が使おうと思ったが使わなかったと回答しています。就活でChatGPTを利用することのリスクを恐れている学生も一定数いるように伺えます。実際に、利用しなかった意見で「機械に頼ったら面接でボロが出る」などの意見がみられました。

「就活でChatGPTを使おうと思ったきっかけ」を尋ねたところ、「ChatGPTを知り、自然に就活で活用しようと思いついたから」43.4%が最も多かった。

「就活におけるChatGPTの利用目的」を尋ねたところ、回答の上位では「ES対策」33.5%、「企業/業界分析」23.5%、「面接対策」15.8%と続きました。
ES作成だけでなく、多様な使い方をしていることが伺えました。これまで時間をかけて取り組んだES作成や企業/業界分析などにChatGPTを活用することでタイパ(時間短縮)を図っているのではないでしょうか。また、先輩やキャリアセンターの代わりとしてChatGPTを利用しているとも考えられます。

「ChatGPTで作成したESを提出したことがあるか」を尋ねたところ、ChatGPTで作成したESを提出したことがある人の割合は6.3%、部分的にある人の割合は16.9%であることが明らかになりました。多くの人がESを作成し、提出をしていることが分かりました。ただし、ChatGPTにすべて任せるのではなく、補助的な役割で利用している学生が多いようです。

「ChatGPTが普及することで就活は良くなると思うか」と尋ねたところ、ChatGPTが普及することで就活は良くなると思う学生の割合は24.3%、どちらかと言えば良くなると思う学生の割合は43.7%でした。就活におけるツールとしてChatGPTをポジティブに受け止めている学生が多いことが伺えました。良くなると思う学生の意見としては、「ますます、高度な情報戦になってくると思うため」などの意見がありました。

「ChatGPTを使った満足度」を尋ねたところでは、「満足した」は36.3%、「どちらかと言えば満足している」46.9%でした。利用した学生の多くが満足している結果になりました。学生にとってChatGPTは、就活をサポートしてくれる良いツールであるといった認識が伺えます。満足している声とし「本来1時間以上かかるであろうESの作成にかかる時間を半分以上に節減できたため」など、効率化できたという意見が多かったようです。

「就活でChatGPTを使うことは賛成/反対」の質問については、「賛成」が78.1%、「反対」が21.9%となり、8割近い学生が賛成意見であり、ChatGPTを活用することを柔軟に受け入れている学生が多いことが伺えました。賛成意見では、「文章の体裁を整える目的で使用するならオリジナリティも失われないと思うから」といった声がありました。

これからのビジネス社会の変化を考えると、AIがさらに普及浸透することになるでしょう。そういう時代にビジネスパーソンとして職務遂行をおこなっていく学生にとっては、今のうちに使いこなしができるスキルを持つことも視野に入れておくことが大切ではないかと思います。ChatGPTにおいては、どのようにChatGPT指示をするかによって、アウトプットされる質量に大きな違いが出ます。そういう能力をつけておくことは業種を超えて求められるスキルになるでしょう。