11月も終盤になると、就活を終えた24年卒から、これから本番を迎える25年卒への就活アドバイスを目や耳にする機会が増えているのではないでしょうか。24年卒の声を紹介します。
まず、「自己分析」に関わる声
- 「一番するべきことは自己分析だし、就活が終わるまで自己分析はするべきことだと思いました。(中略)ガクチカ、自己PR、志望理由が主に聞かれるが、どの話をするにしても自分の性格や長所短所などが基礎になってくると思います」(文系女子)
- 「自己分析がとにかく大事だなと思いました。企業分析に関しては、ESや面接において企業ごとに回答する内容が異なりますが、自身の事柄についてはどの企業に対しても使えると実感したからです」(理系男子)
- 「何をしたいのか分からないまま就職活動を行いましたが、自己分析をすることでやりたくないことを発見しました。得意なことが無くても譲れない条件を見つけると方向性が決まっていくので、自分を見つめ直す時間を大切にしてほしいです」(文系女子)
- 「就職先に関して”譲れない条件”は早いうちからしっかり考えておくべきだと思います。私は本選考の時期まで勤務地についてあまり考えておらず、インターンシップ経由で早期選考に乗れた企業がすべて希望勤務地から外れていて後悔しました」(理系女子)
- 「企業に入社するとしても『自分の人生=仕事』となって会社に振り回される人生にならないように、自分の希望は曲げずに持っておいた方が良い」(理系女子)
コトあるごとにおつたえしていますが、就活で最も大切なことは自己分析の質です。自分の「価値観・職能につながる強み・あなたが幸せで存分に強みを発揮できる場所(フィット)」を明確に認識することが大切です。その過程の中で、やりたいことやできることだけではなく、自分の弱みが強調される職種の理解を深めておくことも大切です。
次は、「業界・企業研究」、「インターンシップでの出会い」に関わる声
- 「やりたいことが決まってない人こそ、幅広い業界、業種を見た方が良いと思います」(文系女子)
- 「思い描いていた業界とは全く違うところにやりたいことがある可能性もあるので、選択肢を絞らずいろんな企業を見てみてください」(理系男子)
- 「CMやイメージからの『自分に合いそうな企業』ではなく、まだまだその世界は広いです。そこだけを見て落ちて挫折するよりは選択肢を増やして、安心して働けそうな会社を見つけるほうがモチベーションを保てます」(文系男子)
- 「勉強になるのでいろいろな企業のインターンに積極的に参加した方が良いと思います」(理系女子)
- 「就職活動開始前には思いもよらなかった業界・企業との出会いが夏~秋にかけてのインターンシップであり、そこから就職活動がますます楽しくなりました」(文系女子)
- 「『本当に行きたい』と思った企業には、十分な情報な手に入ったあとでも、何度も説明会やインターンシップには参加すべきだと思います」(理系男子)
興味・関心の幅を広げること、つまり視野を広くするアドバイスが一般的に多いのですが、その前に、就活の本質を理解しておくことです。つまり、就活は就職することへの活動であって、就社することではないと理解し、自分が職業人として行う仕事(動詞)を明確にイメージすることが重要です。企業名や職種といった名詞ではなく、志望する仕事を動詞で言語化できることが大切なポイントです。
最後に「ES」、「面接」に関わる声
- 「時間に余裕があれば、早い時期からエントリーシートを書く練習をすると良いと思います」(理系女子)
- 「身近な社会人に添削を頼めると良いと思った。また、専攻が違う人に目を通してもらうと、より誰にでも分かりやすい表現に修正しやすい」(理系女子)
- 「ES(エントリーシート)などは、キャリアセンターやたくさんの人に見てもらった方が無難で選考も通りやすくなります」(文系男子)
- 「人と接することが苦手だった自分も面接ではかなり苦労したので、人と話すことに慣れていない、或いは人見知りの方は、大学や地元にある就活支援センターを使って練習するといいでしょう」(文系男子)
- 「練習おすすめです。私も最初の面接練習のときは、頭が真っ白になってしまって、なにも話せなかったりしました。練習なので、失敗しても大丈夫だから、面接がどんな感じなのかという慣れのためにも一度は経験してみてはどうでしょうか?」(文系女子)
- 「私は面接でエピソードを盛らないように等身大の話をするように心がけていました。面接中に自分の話に整合性が持てない可能性が出てくるのでは、と考えていたからです」(文系男子)
- 「面接時に学生は面接される立場ではありますが、自身が人との関わりを大切にする人間でしたので、逆質問の際などに面接官の方にどうして企業を選んだのかやそれが今実現できているのかなどを深掘りしてお伺いし、表面的な回答だけでなく面接官の方のパーソナリティも聞くことで、社員の方の傾向を掴んだりもしました」(理系女子)
ESは、時間的な余裕があるうちにまず実際に書いてみることです。その後で、大学のキャリアセンター等の専門的な知識とスキルを持つ人に添削をお願いしてアドバイスを受けることです。インターンシップ・本選考に関わらず、書いたものを必ず第三者の目で添削してもらうことを当たり前とすることが、賢い就活生の当たり前の習慣です。その際は、キャリアセンター等の他にも、信頼できるOB・OGやあなたをよく知っている周囲の社会人にチェックしてもらうことためらってはいけません。多くの大人はあなたの申し出を喜んで受けてくれるはずです。周りの大人を、あなたの応援団になってもらうつもりであなたから積極的にそのスキルを拝借しましょう。あおラボでは、ご希望者のES添削のサービスをしております。
面接に関しては、練習の量と質を積むことが一番です。基本的な知識を理解したら、あとは、実戦形式で、その場の自分の全力、一生懸命で取り組み、その後からフィードバックをしっかり受けることです。こちらもあおラボでは面接対策として、学習会を行っております。25年卒向けとしては、来年1~2月にあおラボラーニングカフェ(無料セミナー)開催を予定しています。昨年同様県内のキャリアコンサルタント(国家資格)が模擬面接管としてあなたに寄り添います。
就活が始まると学生に求められるのは行動の質量です。その時点に立ったときに存分に力を発揮するためにも、就活前にどれだけ整えたかが、勝負ともなります。賢い学生は2年後期辺りから着実にこの整えを始めています。さらに二度とない人生の意味を知る学生は1年の冬を迎える今頃から計画的に整えを始めているのが、今の就職活動事情なのです。
こんな話を聞いて、えっ、少し出遅れた!と感じている25年卒の方がおられるかもしれません。残念ながら、時間を戻すことは誰にもできませんが、今なら本気で頑張れば、なんとか彼らと同じ土俵に上がることはできる可能性はあります。
新卒の採用市場は、学生優先であることは間違いありませんが、企業が望むレベルの人材像は、あなたが思っている以上に高いのです。自分の進路を決める活動やその準備にあなたが自分の資源と資質を費やしたか、5分も話を聞けばその量や質をうかがい知ることができるのが、採用担当者だということを知っておくべきでしょう。
でも、まだ大丈夫。やるべきことをコツコツ積むことは可能です。
こつこつ こつこつ 書いてゆこう
コツコツ/坂村真民
こつこつ こつこつ 歩いてゆこう
こつこつ こつこつ 掘り下げてゆこう
真民先生の生き方を象徴するような詩です。この詩の如く先生は生涯を歩まれた方です。
長い人生行路を歩む上で、人は様々な悲しみや困難や試練に出合う。
そういう人に先生はやさしく、そして力強く呼びかけるのです。
人は終焉に向かって
ねがい/坂村真民
自分を磨いて
ゆかねばならぬ
たゆまず
おこたらず
あせらず
いそがず
大木朴の如く
命ある限り歩き続けるとは、命ある限り成長し続けるということです。私たちもかく人生を歩みたいものです。もうすぐ12月。今週は就活にフォーカスを当てるだけではなく、自分の人生やキャリアにも思いを馳せる週にしてみてはいかがでしょう。