長期インターンシップ

インターンシップに参加される学生が増加していることについては好感を思っているのですが、その多くが半日・1dayである調査結果を見るたびに残念に思うのです。一方で、やってみたいけど、実態がよくわからないので応募を迷ったまま時期を逃している学生がいることを知り、何か情報がないかと探したところ、【学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術】トテ ジェニファー麻綾著が上述した学生にお勧めだと教えていただきました。

著者自身の経験をもとに、大変だったこと、辛かったこと、あまり声にして言えないことなど、ネガティブなことも露わに書かれています。それでも著者は「長期インターンシップはキャリア戦略の起点」と語っています。現状ないしは未来に退屈や不安を感じている学生に向けた、どこよりもリアルなインターンシップの経験をまとめた一冊でした。

コロナ禍で就活生も企業側もバタバタしていた当時の学生から「ガクチカに何を書いたらいいのか、書くことがない」といった相談を受けたことがありました。相談を受けた時期にもよるのですが、ひとつの策として長期インターンシップの参加を検討してみたらどうかと伝えたことが何度かありました。

長期インターンシップは、実際に社会に出てから行う仕事に近しいものがあるため再現性が高い経験を積んでいることをアピール可能だと思っています。

近年、就活におけるインターンシップとは別に、長期インターンシップが就活において強いガクチカとして採用判定の一つの要素とさているのですが、当事者である学生にはまだ認知度が低いと感じ残念に思っているのです。

トテ ジェニファー麻綾さんのプロフィールを見ると次のようにインターン歴が記されています。

トテ ジェニファー麻綾(まあや)

MAVIS PARTNERS株式会社 トレーニー  共立女子大学ビジネス学部4年

株式会社サイバーエージェント、株式会社キュービックにてWEB マーケティング、メディアの企画・運営のインターンに従事。

その後、オフショア開発セールス事業、長期インターン斡旋事業での起業を経てMAVIS PARTNERS 株式会社にインターンとして入社。

就活では外資系金融、外資系IT 企業を中心にインターン(ジョブ)に参加し、うち複数社から内定獲得。現在、長期インターンシップ先(MAVIS PARTNERS株式会社)に週3、4回程度出勤。

参照:キャリアアップするためのインターンシップ活用術

ただし、都会と違って地方では長期インターンシップを行っている企業を探すだけでも大変ではあるのですが、提案や交渉次第で受け入れを前向きに検討するという企業もあるようです。

トテ ジェニファー麻綾さんは、アルバイトと長期インターンシップの違いを次のように答えています。

インターンは、アルバイトと違いマニュアルがあまりありません。信頼を得られれば、自分の裁量で好きな業務に挑戦できます。成果を上げ、評価を獲得し、新しい仕事やより大きな仕事を任せてもらえる点がアルバイトとの違いではないでしょうか。

もう少し現実的な話でいうと、成果が給与に反映されるケースもあるので、気の持ちようとコミットの仕方次第ではバイトより稼げる可能性があるところです。

金銭的なこと以外も含め、バイトで得られることは、インターンでも得られると思うのですが、逆は難しいと思っています。

トテ ジェニファー麻綾さんが「長期インターンシップはキャリア戦略の起点」と話される、その背景を知ると長期インターンシップについて少し調べてみよか、って思ったりしませんか。

長期に限らずインターンシップへの参加は、それだけでも体験学習だと思います。その体験学習の質をさらに高めるには、自分のキャリアデザインのサンプルを積む活動だと考えてみることではないかと思います。

就活当事者意識を持った学生の多くが持つ悩みに、「何をやりたいかわからない」ということがあります。体験はもちろん、情報すらもっていないのに、やりたいことが明確であることがちょっと変だとも思うのです。

大学4年生から長期インターンシップに取り組むとなると、どうしても学業とのスケジュールを合わせるのが大変になるでしょう。一方で、大学1・2年生は就活まで時間に余裕があります。大学生活の序盤に活用するメリットは大きいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

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