企業研究で真っ先に確認することは、その企業が「ホワイト企業」であるかどうかではないでしょうか。
ホワイト企業とは、「一般的に従業員の待遇や福利厚生が充実していて、社員の健康や労務管理などを重視するとともに、労働安全衛生に関して積極的な取り組みを行い、生き生きと長く働くための環境が整っている会社」と認識されています。
厚生労働省では、2015年6月より「安全衛生優良企業公表制度」を実施しています。この制は、労働安全衛生に関して積極的な取組を行っている企業を認定・企業名を公表し、社会的な認知を高め、より多くの企業に安全衛生の積極的な取組を促進するための制度です。就活生にとっては企業研究や会社選びの参考情報となると思います。
ホワイト企業を認定しているホワイト財団(日本次世代企業普及機構)では、「家族に入社を進めたい次世代に残していきたい企業」を指し、①従業員が安心して働き続けられるために優れた社内統治をおこなう企業、②時代のニーズに合わせた従業員の働きがい(エンゲージメント)を高く保つ企業、③長期にわたって健全な経営を続けられる優れたビジネスを行う企業、の3要素を併せ持った企業がホワイト企業と呼ぶにふさわしいとしています。
ホワイト企業ランキングTOP100(2020年4月版)をみると、子育て支援を行う企業が認定されている「くるみん認定」を受けている企業は100社中100社でした。さらに上意認定である「プラチナくるみん認定」は95社が認定されていて、ホワイト企業=子育て支援の高い企業とも言えそうです。その他、女性活躍を推進しる「えるぼし認定」が100社中90社、健康経営に取り組む企業を対象とした「健康経営優良法人」が100社中87社でした。
あなたが志望する企業がどんな企業マークの認定を受けているのかをチェックすることは企業研究に欠かせない項目と言えるでしょう。僭越ながら弊社もくるみん認定を受けております。地元就職を検討されておられる学生の皆さんん、選択肢の中にお考えいただけると幸いです。
ホワイト財団では、①人材育成/働きがい、②ワーク・ライフ・バランス、③ダイバーシティ(多様性)/インクルージョン(包括性)、④健康経営、⑤ビジネスモデル/生産性、⑥リスクマネジメント、⑦労働法遵守、の7項目、70の設問でホワイト企業認定審査を行っているので、企業研究では上記7項目のチェックもポイントとなります。
ニッセイ基礎研究所によると、ホワイト企業の主な特徴として、①労働時間が短い、②休暇が取りやすい、③福利厚生制度が充実している、④給与が平均より高く、安定した給与制度がある、と4項目が挙げられています。
企業側の視点からも自社がホワイト企業であることは、優秀な人材の確保には不可欠な要素なので、関係する社内制度などをしっかり整え、エビデンスとして公開していますので、企業研究の際には見逃さないようにしたいものです。
売り手優先といわれる近年の新卒採用ですが、就活生の志望企業を決めた理由を調査したレポートを読むたびに、自身のファーストキャリアの選定の基準が、人気企業・公務員・収入が上位に挙がっていることと、入社3年以内の離職問題に因果関係が潜んでいるのではないかとも思われるのです。
志望先を決める選択基準を今一度見直してみることやあなたが働くことについての仕事観(価値観)についても再度深掘りしてみることも大切です。