24年卒就活生の内々定率みると、23年卒より3月末時点で3.6pt上回っています。企業の内々定出しが進んでいるようです。積極採用の意向を示している企業が多いことから、4月末では50%に届くかも知れないと労働市場では囁かれています。

自分の周りに内定を獲得した人がチラホラ現れてくると、どうしても自分の進捗と比べてしまい、焦りや不安に陥ってしまう学生が少なくないように思われます。ですが、就活の進捗は人それぞれで、個人差があって当然なものです。ましてまだ4月です。ネガティブ感情に支配されるのではなく、これまでの活動をリフレクションし、見立て直しをする機会だと考え、今やるべきことを優先しましょう。
就活生がこの時期に抱える不安や悩みを整理すると3つの課題が考えられます。今回は課題ごとに対処のヒントを紹介します。
課題1. ESが通らない
自分ではよく書けていると思っている人に多いのが、読む人の立場を考慮していない点です。長所やPRをしっかり欠けているつもりでも、面接官が読んでみると、魅力が感じない内容になっている可能性があるものです。キャリアセンターの職員やOB・OGに読んでもらい、より魅力的な内容にするためには、具体的にどこをどのような表現にするといいのか教えてもらうことです。
課題2.一次面接が通らない
これまでの面接を思い出して、面接官の反応が良かったところ、イマイチだったところを振り返りながら自分の課題点を抽出しましょう。その情報を持って、キャリアセンターやOB・OGに協力してもらい模擬面接を行い、フィードバックを貰います。数回から数十回繰り返すことで、面接応答に変化が現れてきたら、次は使う言葉や話す量に意識を向けてさらに模擬面接の回数を積み重ねることをお勧めします。
課題3.結論が出ていない企業がわずかしか手元にない
業界選び、企業選びを見直してみ機会かもしれません。特定の業界にこだわり過ぎていたり、インターンシップに参加した企業だけにエントリーしたり、選択肢が少なくしてはいないでしょうか。前述のようなこだわりを一旦脇において、自分の強みと仕事観を軸にした志望先選びを再度行うことをお勧めします。今まで目を向けていなかった業界や企業に、活躍し輝く将来のあなたを見出せる場所を探し出すことができるかも知れません。
現時点での進捗の差で右往左往する必要はありません。それよりも、事実を事実として受け止め、そこからどう考え行動するのかを試されていると捉えて、この難関を突破していきましょう。まさにそのストーリーはガクチカよりもリアリティがあるエピソードにもなってくれます。
大リーグで活躍したイチローは、「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている。」と語っています。
今、就活が思うように進んでいないとしたら、それは苦しいことかもしれません。でも、あなたが乗り越えられるからこそ生まれている壁なのです。壁の向こうを楽しみにしておきましょう。
あなたが上述した課題を抱えているなら、大事なことをお伝えします。
一人で孤独に就活を進めないことです。前述したようにキャリアセンターの職員の方々やお世話になっている先生やOB・OGなど、あなたが持っている人的資源を積極的に巻き込んで、支援を受けながら就活を進めることが大切です。
人間はそんなに強い生き物ではないのです。だからこそ社会性を重んじながら、人類はおよそ700万年の歴史を築くことができたのだと思います。
あなたをよく知る大人から知恵やアドバイス、フィードバックをどれだけもらい、それを活用するか、があなたの成長バロメーターになるのです。この先、あなたが社会人になったら、社会性や関係性の構築スキルがさまざまな場面で試されることでしょう。その時にこのような大人とのコミュニケーション経験がとってもやむに立つものです。焦らず真摯に取り組んで参りましょう。