学生のうちにやっておきたいこと

そもそも自分は何者で、何を手に入れ、他者からどんな人と見られたいのかといった、二度とない人生をどう生きたいのか、ここがブレていては、キャリアだけでなく日常生活までもが迷走することになりかねないのです。

そうならないためには、自分の価値観や生きる指針を明確にする必要があるのです。これは2~3日で答を得られるものではないことは想像できると思います。分かったような口調で語る就活生がいますが、よく聴くと曖昧な話がほとんどなのです。さらには、自身の価値観や生きる指針が不明確であることに気づいていない就活生が少なくないのです。

人生100年時代に学生である時点で、価値観や生きる指針を明確にすることは難しい話に聞こえるかもしれません。これから生きて行くなかで、価値観や指針が大きく変化するようなことに遭遇することだって考えられます。それでも、学生生活中にザックリでも構わないので、今の自分がベストだと考えるものを言語化して明確にしておくことが大切なのです。そうしておくことは就活だけではなく、社会に出てからも役に立つものです。

まだ社会人としての経験がない学生にとっては想像力が求められる話かもしれませんが、就職先(仕事)を得ること以上に難しいことがあることを知っておいて欲しいと思うのです。それは、二度とない人生を歩むなかで、幸せとキャリアを「OR」ではなく「AND」で共存させられるかどうか、ということがあなたにとって重要であることです。社会人として2~3年も過ごせばたいていの人は実感として理解できる話です。

30年に渡り、人材教育・組織開発の現場で職業人の成長と衰退に触れてきました。そこで私が学んだことは、幸せとキャリアは一方を満たすのは簡単でも、両方を同時に揃えようとすると途端に達成の難易度が高くなる、ということです。

本来「幸せになるためには?」という問いから入るべきなのに、ついやり方や方法に飛びついてしまうのが私たち人間の性なのでしょう。

結果を出すのに有効な手段をフル活用して、大きな成果を上げてから、それが求めていたものではなかったと気づいて愕然とする、そんなリーダーや職業人と仕事柄、何度も出会ってきました。懸命に頑張ってきたのに、失われた時間は二度と戻ってこないのだから、それこそ悲劇としか言いようがありません。そう、気づいたときはすでに遅いのです。

これから社会の扉を開くあなたには、自信と勇気を養ってほしいと思います。そして、道を間違えないためにも、後日になってから後悔しないためにも、学生生活のなかで貴重な時間を費やしてでも大勢の人と交流を積み、他流試合を重ねることをお勧めします。

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