企業は君の本分に注目している

コロナ禍になってから就活生からよく上がった声に「ガクチカがない」旨の話です。さすがに無い!と言い切るのは極端に感じていましたが、コロナ禍でさまざまな学生生活に影響があったことも事実で、気の毒には受け止めておりました。

そういった学生の声に企業も反応を示していることをご存知でしょうか。特に24年卒採用については、顕著にその流れがあったのではないかと考えています。

それは何かと申しますと、新卒採用活動において「学業への取り組みに注目」する企業が増えているということです。つまり、ゼミの研究など大学で実際に学んだ勉強が注目されているのです。

社会が激しく変化する現代。あなたは、どんな思いで研究分野や専攻を選んだのか。そして、どんな取り組みをしてきたのか。と言ったことを企業は注視しているのです。

理由は、学業に関する話を聞くことで、あなたの社会に対する関心や、時代の流れを読む力を知ることができるからです。なかには、まったく知る由もない学生がいることも目の当たりにします。

一例としては、経済の未来予測やAIやプログラミングをはじめとする先端技術などを勉強してきた学生は非常に高い評価を得ているケースがチラホラ見聞きします。また、グローバルな視点を養った学生や、ビジネスで活用できる技術を学んできた学生に、強い興味を持つ企業が増えています。

応募者の中身というか、本質に近いところをフォーカスして、しっかり見立てたうえで内定を出しているのです。経営資源のなかでも人材を最も重要視している企業ほどこの傾向が強くなっていると思います。

それと、面接官は学費を支払う親の立場としても、大学生の本分である勉強や研究をしっかりやっていてほしいと考えている傾向にあります。また、面接が2次、3次と進むほどに、親世代の面接官になってきますので、あなたと同じ年頃の子どもがいるケースも少なくないのです。学生としての本分をキチンとやっている、当たり前のことですが、この当たり前への評価は非常に高いのです。

これから本格的な就活となる25年卒、そして26年卒の皆さんは、今すぐ何をどう取り組むのかを考えてみることをお勧めします。ポイントは、世界や社会の動きを踏まえて、目的意識を持って学ぶ姿勢が大事です。自己分析で明確にした自身の在り方に沿った勉強テーマであることが望ましいですね。それと、あなたが所属している学部に沿っているかどうかもチェック項目の一つです。あなたはなぜその大学で学ぶことを決めたのか、を思い出し、言語化しておく必要があります。

ここまで読んで誤解しないでいただきたいことは、就活において「ガクチカ」がなくなった訳ではありません。24年卒採用活動においても引き続きESや面接でガクチカを尋ねた企業はありましたし、今後もなくなることはないでしょう。ただ、近年の採用選考の評価やチェックポイントを点検しますと、学生の本分である勉強にスポットライトを当てて、応募者を理解しようとしている企業が増えているということです。

本分に注目されるのですから、ホームで試合をするような感覚を持てるのではないでしょうか。まさか、勉強にスポットライトが当たるなんで、アウェイでの試合になることはありませんよね。

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