マイナビ24年卒就職モニター調査7月の活動状況(n=1,748名)が発表されました。今回はその内容から目を引いたものをご紹介します。
入社予定企業を決めたあと、「本当にこの会社でいいのか」と不安になったことがある学生の割合(n=1,415)は51.0%(前年比0.9pt減)でした。

不安になったことがある学生に不安は解消されたかを尋ねたところ、解消された割合は35.3%(前年比7.0pt減)で年より減っていました。

不安が解消されない学生に「もしこうだったら不安は解消されたのに、と思うこと」を尋ねたところ「待遇面での不安が解消される(22.4%、前年比6.6pt増)」が最も高く、前年より増加していたことが明らかになりました。

待遇面については、全てとはいえませんが企業研究で把握できることが殆どだと思うのです。逆に待遇面が内定を受けてからでないとわからないような企業であるなら、この時代ではややブラック企業の要素ありと判断した方がいいのではないかと思うのですがどうでしょう。
それと、待遇面については入社後、実力をつけ仕事で成果を上げるようになれば、後からついてくるものでもあります。入社前から権利を主張するよりも義務をしっかり果たす人材として評価を得ることに重きを置いた方がいいと思うのです。
就職活動に影響したニュースワードについて61個の選択肢を挙げて選んでもらったところ、最も多く選ばれたのは「初任給アップ(22.2%)」でした。カテゴリー別でも文系男子、理系男子、理系院生で1位、理系学部生でも同率1位となっている。
「選んだニュースワードは就職活動にどのように影響したか」では、「初任給アップ」が実現できているかどうかを、企業の安定性や、時代の変化への順応性を評価する基準としていたという声が挙がっていました。また「働き方改革」が業界イメージの改善につながったという声もありました。

今春、広く話題に上がった賃金引上げは働く者にとっては嬉しい話題ではありました。しかし、単に収入が増える!一面だけ観ていてはいけません。例えば、対ドルの為替を観察していますと、円安は現在も続いています。8月29日夜には年初来高値である1ドル147円を突破しています。主要通貨の年初来の対ドル変化率を見ると、円(マイナス11%)よりも下落幅が大きい通貨はロシアルーブル(マイナス33%)とトルコリラ(マイナス42%)、そしてアルゼンチンペソ(マイナス97%)しかないのです。G7に所属する国・地域の通貨(英ポンド、ユーロ、カナダドル)はほぼ対ドルで横ばいか上昇しているので、日本という国の属性(先進国)を考えれば明らかに異質な立ち位置であることがわかります。

ビジネスの世界では、自分がどんな立場で働いていようがワールドワイド視点で経済の動きの因子を注視しておくことも大切なことです。
足元をしっかり観る顕微鏡と先々を見通す望遠鏡、二つの鏡を磨くことも大切なことです。