売り手市場でも現実は厳しい

1990年代半ばから2010年代生まれの世代を表す言葉と認識して私自身も使っているZ世代。彼らが就活シーンに現れたのがコロナ禍前の2017~18年辺りからです。当時からすでに大卒求人倍率は1.7倍を超えていて、19年にはリーマンショック後最高値の1.88倍でした。

その後コロナ禍に入り企業の採用控えで一時1.5倍まで下がりましたが、24年卒採用については多くの企業が採用に意欲的な姿勢を示していることもあり、今年の1.53倍を上回ることが推察できます。

ただし、就活は売り手市場だから大丈夫、と高を括ると痛い目に遭うことを理解しておくことも大切です。この時代、頭数を合わせる、整えることだけを目的に盲目的に採用をする企業はほぼゼロといっても過言ではないでしょう。

また企業側も、大手就職サイトなどを活用した一括大量採用ではマッチング度の高い学生と出会うことが難しいことから、企業の採用スタイルにも変化が起きています。

加えて、単にプライベート重視志向ではなく、自分の人生観からJobとLifeを合わせたキャリアデザインをベースに就活に取り組む学生が増えてきていることにも注目です。彼らは、大企業志向に固執せず、自分の価値を活かすことができる職場や存分に力を発揮できる職場に重きを置く傾向を持っています。つまり、自分のキャリアにとって重視する軸を握っているのです。例えば、「地元で安定した生活ができること」「生涯年収ができるだけ高くなること」「車が好きだから自動車業界に入りたい」「女性として勤めやすい企業に入りたい」「一番高く評価してくれた企業に入りたい」などなどです。

彼らは、どの業界や企業を志望するかが明確にあり、徹底した自己分析と企業研究からきっちり内定を得る就活をしています。最終的には、内定を得たオプションの中から最も自分の軸に沿う企業を見極め、就活を終えるのです。

就活で使える時間や精神力には限りがあります。活動中にすべての業界や会社を回ることは不可能です。甲乙つけがたい2社の面接がブッキングすることだってあるのです。だから自分の軸を明確にして、就活をより有利に進めるのです。

自分にとって重要な選択を迫られたとき、就活もそのひとつです。そんな場面では、軸がないこと自体が悩みの原因になるものです。

もしあなたの仕事観に、将来の出世や就職先の知名度よりも、自分が実力を身につけ人としても成長できるか、自分が会社に共感できるか、仕事を通して顧客や社会にちゃんと役に立つか、といったこがございましたら、新しい学習会(ラーニングカフェ)の説明会を6月に行いますのでご注目ください。

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