25年卒 514名のキャリアデザイン

変化が激しく先行き不透明な社会情勢を指して、2010年頃からビジネス界でもVUCAの時代と言われるようになってから10年を超えました。内外の社会情勢を鑑みるとこの先もVUCAは続くように思われます。

雇用状況や労働市場の流れからは、終身雇用や年功序列といった日本の特徴的な制度が崩れ、キャリアの自律にフォーカスが集まっています。近年は学生時代にキャリア教育を受けたZ世代も主体的にキャリア形成を考える傾向が広まっているように思われます。

25年卒業予定の学生514名に実施した調査では、キャリア形成について、「自身で主体的に選択したい」29.8%、「どちらかと言えば自身で主体的に選択したい」34.4%と回答した学生が6割を超える64.2%でした。一方で、「就職する企業に委ねたい」「どちらかと言えば就職する企業に委ねたい」と回答した学生は15.6%でした。

学生の声としては、

  • やりたいことや、身につけたいスキルから逆算して、キャリアを形成したい
  • 多様な働き方があるので、その時々の自信の関心や優先度に応じてキャリアを築いていきたい
  • 1社で働き続けるか分からないので、どこに行っても通用するスキルを身につけたい

といった意見が寄せられていました。

近年注目されているジョブ型採用については、「興味がある」44.6%、「どちらかと言えば興味がある」36.8%と回答した学生の約8割に当たる81.4%でした。これは前年同時期の調査を13.8pt増であり、学生に上部型採用への関心が高まっていることが伺えます。

学生の声としては、

  • ジョブ型のほうが専門性を磨くことができると思う
  • 配属部署や仕事内容が明確だと、希望するキャリアを築きやすいと思う

といった意見がありました。

また、インターンシップにおいてもジョブ型に「参加したい」40.9%、「どちらかと言えば参加したい」37.9%と回答した学生の約8割(78.8%)を占める結果となっていました。

学生を採用する企業側も、内定辞退や入社後のミスマッチ防止といった観点から、新卒のジョブ型採用を導入が広がっています。

このような流れを考えると、今後の就職活動は「就社」ではなく「就職」意識をより強く求められることになるでしょう。働く人を指す言葉である「企業人」「組織人」も「職業人」へと移行していくのかも知れません。

どこの企業に就職するのかよりも、二度とない人生をどのように生きたいか、どんなことで社会や人の役に立ちたいのか、といったことを軸に就活をおこなうことが主流になってきたように思います。

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